邦題の違和感
しかし、「華麗なる大逆転」という副題は、どうだろう・・・・・。
「金融危機の真実」くらいにしておけば、とは思うが、まぁ、それだと一般人の注目を集め難いという判断なんだろうなぁ。
先に言っておくと、とても、「華麗なる大逆転」という言葉から連想されるような、胸のすくようなラストは待っていません。
あらすじ、と感想
2008年のアメリカ発の金融危機において、前もって経済崩壊を予測し、むしろ利益を上げた男たちの、その「仕込み」と「過程」、そして「結果」を描いています。
儲けのからくりは、言うまでもなく空売り。
私の頭がかたいせいなのか、「空売り」って、何度聞いても、よく分からんシステムだよね・・・・・。
世の中が儲かっている時、つまりは、好景気において、投資家も儲かるという因果は理解しやすい。
今後、成長が見込める分野・会社にお金を注ぎ込み、投資先が成功し、その先見の明・リスクへのご褒美として、利益として返ってくる・・・・・というのは、素人でも理解できる。
が、世の中が儲かっていない、つまりは不景気において儲ける「空売り」って、・・・・・・、何度聞いても違和感があります。
「これから、不景気になるぞ!」「会社が傾くぞ!」「国家の経済は破綻するぞ!」なんて予見でもって、儲けるって、・・・・・なんだかね。
で、「マネー・ショート」。
世の中の主流に反して、逆張りをした映画内の主人公たちは、最終的には、副題の通り「大逆転」。
空売りが大成功して、巨額の利益を手に入れるわけなのですが・・・・・・・、まぁ、ぶっちゃけ、人の不幸で利益を得たわけです。
実際はどうかは別にして、映画内の登場人物たちは、その現実に苦悩することになる。
さらには、物語の進行によって、金融機関の欺瞞体質が、これでもかと暴かれる。
だけれども、最終的には、「大き過ぎて、つぶせない」とばかりに、その体質が温存されてしまったことも明かされる。
とても、「華麗なる」とは、程遠いわけですな。
やっぱり難解
で、まぁ、金融危機を扱っている映画だけに、真面目にやったら暗く、ジメッとしたものになるのは必定。
だから、逆に、映画自体はコミカル。
が、それが、成功しているかどうかは、・・・・微妙かな。なんといっても、現実の「金融危機」が、でかすぎるからね。
そして、劇中では、著名人が登場して、ユニークな比喩を駆使して、金融危機の問題を解説してくれるんだが・・・・・、それでも、やっぱり分からんよ。
まぁ、「こんだけ、あやしい商売をしていました」という雰囲気は十分に伝わってくるけどね。
おまけ
■上海の不動産が大変なことになってます! WEDGE Infinity(ウェッジ)
もっと心配しているのは、遼寧省の瀋陽市で出された大学生は自己資金0でも住宅ローンを借りて住宅を買えるという政策。いずれ学生が住宅ローンを払えなくなり、中国版サブプライムになり、最終的に銀行にそのしわ寄せが行くのではないかと心配している。こんなのとか、
現在の不動産関連政策は、不動産市場の活性化のために、最近10年ないし、少なくとも2008年以来最も緩和された状況と分析している。こうしてみると国を挙げて不動産市場を下支えしようとする政府の意図が見て取れる。こんなのを読んじゃうと、政府と銀行の違いはあれども、映画でやっていた通りだものなぁ・・・・・・。
(中略)もしそうだとすると、昨年の株式市場のように、もともとは市場の活性化を意図した中での、経済実態を反映しない株価の暴騰が、最終的には株価の暴落で治ったと同じことになるのではないかと心配している。
中国経済、どうにかソフトランディングできるのかね?
世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫) | ||||
|
0 件のコメント:
コメントを投稿