2015年4月29日水曜日

ドラマ版「アオイホノオ」を見て



年を取ると、いろいろなことが厄介になりまして。

ファンの人が、実写のオープニングを、敢えて漫画のキャラに置き換えるという、逆輸入をしたくなるほどに人気があるのは知りつつも、・・・・・まぁ、なんとなく億劫で手を出していなかったドラマ版「アオイホノオ」。

一話を見始めたら、面白くてね~。一気に全部見てしまった。
なるほど、熱狂的なファンも生まれたわけだ。


ドラマという時間も金も制約がある中で、製作者サイドが、原作への思い入れたっぷりにつくっているのが映像からビンビンに伝わってきました。


主演の柳楽優弥さんは、一時期、不安定な感じだったけど、修羅場をくぐって逆に良かったのか、ここまでコメディーを演じられるとは。
まだ若いから、二回目のカンヌも・・・・・さすがに男優賞は無理でも、縁がありそう。

他のキャスト、特に庵野秀明さんと愉快な仲間たちは、「なるほど」という感じ。


個人的に最も笑わせてもらったのは、矢野健太郎さん。
どのシーンでも、大爆笑させてもらった。(特に自転車のシーンが秀逸)


ストーリーは、原作の枝葉を払って、焔モユルが、漫画家を目指したり、アニメーターを目指したり、右往左往する青春の懊悩に絞った、という感じ。

違いと言えば、原作よりも、ドラマの方が、庵野秀明さんに対するライバル心は強烈かな? ここらへんは、ドラマとして、分かり易くしたんだろうな。


まぁ、仕方ないとは分かるんだが(原作が終わっていないので)、ラストが、ちょっと強引だったね。

特に、津田ヒロミ、どこに消えた?

もしかして、最初から津田ヒロミは、焔モユルの妄想だったの?


それでも、「くさいな~」とは思っても、庵野秀明さんがモユルにサインをもらいにきたシーンは、酒も入っていて、涙が出てしまいました。


「アオイホノオ」漫画の感想。
島本和彦「アオイホノオ 13」読了

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2015年4月26日日曜日

実写版「寄生獣」がテレビで放映されていたので、とりあえず見てみる



完結編の公開を前にして、テレビで放映された実写版「寄生獣」。

みんな、頑張ってはいるね・・・・・。
ただ、「原作の、あの雰囲気を再現できた」とは言えないかな?


金曜ロードSHOW!の映画『寄生獣』に批判の声殺到【働くモノニュース _ 人生VIP職人ブログwww】

僕としては、別に、グロいシーンがカットされたから、「もう一歩だな」と感じたわけではなくて、なんか、ストーリーが散漫というか、物語を進める為の物語になってしまっているというか。

登場人物の説明的セリフが多過ぎだな・・・・・。
原作も、こんなだったかもしれないけど、そこをそのまま、映像化すると、安っぽくなってしまうんだよね。

ただ、ある程度の長さのある原作を、四時間の枠に収めようとすると、登場人物のセリフで物語を進めなくてはいけないわけでして。
そこらへん、仕方ないのは分かるけど。


「ソロモンの偽証」でも思ったことだけど、本当は、映画の枠に収まるように、大胆にストーリーを改変しないと、面白くならないんだよね。

映画「ソロモンの偽証」の感想。
映画「ソロモンの偽証 前編 事件」
映画「ソロモンの偽証 後編 裁判」


でも、原作のファンがいるだけに、あまり改変すると、「そこまでやるなら、いっそオリジナルでやれば、良くね?」ということにもなりかねない。

原作の背骨を残しつつ、「面白い」映画として成立させるのは、・・・・・まぁ難しいですな~。

特に邦画は、失敗例ばかり頭に浮かんでくる。


失敗した原作付き映画(ドラマ)の特徴としては、

  • 原作にない恋愛要素が持ち込まれる。または、過分に重視される。
  • 男性キャラが女性に。または女性キャラが男性に。理由があるならいいのだが、特にない。または、売り出し中のアイドルを登場させる為に無理やりの変更が見え見え。
  • 強引に、原作の全てを詰め込もうとする。
  • 原作キャラと映像上の乖離。結果として成功することもあるが、だいたいが原作のファンからの罵倒で、作品公開前からつまずく。

てな、ところですか?

そういうことを回避しようとした結果、「前後編」の四時間という超大作にして、可能な限り原作に忠実な映画化。

・・・・・・意地悪な言い方をすると、「これで、文句はないだろう? 原作を、ちゃんと尊重しているぞ。そーれ、逃げ切ってしまえー」という作品になってしまう。


うーむ。
大作になればなるほど、冒険はできないわけでして、まぁ、ねー、仕方ないんだろうけど。


個人的には、ミギーとの出会いと母親のエピソードに絞って、一本作ったら、すっきりしたんじゃないかと思いますが・・・・・・。


完結編は、とりあえず、映画館に行くまでもないかな。
(橋本愛さんの濡れ場が気になると言えば気になるけど、原作でも大したシーンではないし、二階堂ふみさんじゃあるまいし、今の橋本愛さんで、そうそう激しいシーンがあるとも思えんしな)


2015年4月19日日曜日

映画「ソラニン」


漫画が面白かったので、映画も見て見ました。

こちら、漫画の感想。
井村一blog 浅野いにお「ソラニン」


・・・・・うーん、そんなでもない。

ストーリーは、急ぎすぎても、詰め込みすぎでもない。
間延びもなく、二時間になるように程よく、まとまっている。

出演者も、まずまず原作通り。
でも、無理に漫画に寄せようとして、現実離れした格好にはなっていない。

ケチをつけるとしたら、原作の芽衣子は「若いから、かわいらしいよね」という感じだったけど、映画は、宮崎あおいさん。
美人すぎ。(細い体に、でかいギターを、汗だくで演奏している姿は、エロいな・・・・・。)


絵も綺麗でね・・・・・・特別、欠点らしい欠点はないんだけど。

でも、なんか物足りない感じが。


うーむ。
ちゃんと原作通りなんだけど、それ以下でも、それ以上でもない。

無理にオリジナル要素を入れると、罵声が飛んでくるのが、「原作アリ」の宿命。

だから、これが「正解」だとは分かりつつ、なんか、もう一歩。


映画全体に、「思い入れ」みないなものが、感じられないんだよね。(←大変、アバウトな感想)


三木孝浩さんが監督なんだけど、この人、「ホットロード」も撮っているのね。
「ホットロード」も、あんまり、合わなかったんだよね・・・・・。

「ホットロード」の感想。
能年玲奈主演「ホットロード」を見たわけだが

どうにも相性が悪いようです・・・・・。

ソラニン【Blu-ray】
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2015年4月18日土曜日

映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」



「バードマン」見てきました。

パーマンは出てこないのね・・・・・・・という、お約束は、さておき。


見応えのある、けったいな作品だった。

かつて、ヒーロー映画に出ていた人気を博していた主人公が、栄光を取り戻すべく、小劇場での公演に賭ける、というお話。

そう書いてしまうと、「あぁ、まぁ、ありがちな物語ね」なんだけど、・・・・・・見せ方が凝ってる。

登場人物の性格も過剰。

「これ、どこに落着するんだろう?」と心配になるような展開の連続だったけど、最終的には、落ち着くところに落ち着きました。


で、まぁ、ネタバレ。

登場人物のほとんどが、自分以外の自分になろうと望んでいるんだよね。

主人公が、その最たるもので、どうにかして、「バードマン」以外になろうと奮闘している。

ヤク中の娘、主人公の今の恋人(母になりたい)、同じ劇に立つ女優(女優として大成したい)、・・・・彼女たちも、今の自分を受け入れることができないでいる。


はっきりと、彼らと違うキャラとして描かれているのは、主人公の別れた妻。
彼女だけが、どっしりと落ち着いている。(もがき苦しむ主人公の彼と別れたからこそ、落ち着いていられるのだろうけど)


もう、一人、彼らとは対極のキャラとして存在するのが、エドワード・ノートンが演じる、ブロードウェイの有名俳優。
彼は、映画には縁が無い(興味がない)けど、演劇界では実力者として知られている。

が、彼の場合は、現実と舞台が、すっかり逆転している。
もはや、舞台の上でなければ、生きている実感を覚えないタイプ。

舞台上で酒を飲み、本番のセックスをしようとし、(演技の)自殺で使う銃は本物でなければいけない主張する。

・・・・・・・・・これはこれで、病んでいるわけだ。


主人公が映画の中の「バードマン」という存在になり切れなかったのと違い、エドワード・ノートンが演じる彼は、むしろ、役になりきり過ぎてしまう。

で、主人公は、最終的には、バードマンに乗っ取られてしまう。

つまり、役になり切ることになる。

これはこれで、好演として観衆を満足させるんだけど、最終的には、演技の自殺ではなく、実弾でもって自らの頭を打ち抜くという、本当の自殺をやってのけてしまう。


が、どうにか顔に傷が残る程度で助かる。

一旦、本気の「自殺」をすることで、彼の中に生きていたバードマンと別れることに成功。

過去と決別することで、娘とは和解できたようだけど、さて、彼は、これから、どうなるのでしょう? という終わりでした。


「なんじゃこりゃ」という圧倒的にうるさい映画なので、見るのは大変ですが、最初に述べたように見応えはありました。


おまけの疑問。

主人公とエドワード・ノートンの、それぞれの恋人が、レズ関係になると思しきシーンがあるんだよね。

あれ、必要?
なんか不思議なシーンでした。

その後のストーリーにも影響がないし。

強いて言うと、主人公にしろ、エドワード・ノートンにしろ、男の世界に生きる人間であり、その男性論理に付き合いきれなくなった女性たち、というのを暗示しているのかな?

BIRDMAN
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2015年4月16日木曜日

THE NEXT GENERATION パトレイバー/第6章



過去の感想
THE NEXT GENERATION パトレイバー/第1章
THE NEXT GENERATION パトレイバー/第2章
THE NEXT GENERATION パトレイバー/第3章
THE NEXT GENERATION パトレイバー/第4章
THE NEXT GENERATION パトレイバー/第5章

ずっと松田龍平さんの奥様が演じてられるカーシャばかりが活躍しておりましたが、今回になって、ようやく主人公の真野恵里菜さんが前に出てきました。

で、10話の「暴走! 赤いレイバー」は、ここに至りて、どうにかレイバー同士の戦闘が!
まぁ、実写では、金がかかるから、そうそうやってはいられないこともわかるけど、本当にようやくだね。


11話も真野恵里菜さんが出ずっぱりだけど、ベタベタな同窓会で焼けボックリに火がついてというストーリー。
わー、レイバー関係ねー。

本当に、30分アニメを実写にしてみました、って感じね。
そういう意味では、この作品もまた、実験なんだろうな・・・・・。

これはこれで面白いけど。
が、「実写でやる意味があるの?」と言われると、やっぱり反論が難しい気がします。

うーむ。

2015年4月15日水曜日

「進撃の巨人 16」読了


実写版の映画も控えており、アニメの二期も決定している「進撃の巨人」。

まだまだブームは続きそうです。

さて、最新刊の「16」。

ストーリーが進むにつれて、数々の謎が詰将棋のように解決していく・・・・・のではなく、設定がどんどん積み重なっていく感じがして、「大丈夫か? 最終的には、風呂敷をたためるのか?」と心配になってしまうことがあります。
レイス家は人類の記憶を 都合よく改竄できるというわけじゃ
なんてのを聞かされると、「えぇー、それじゃ、なんでもありじゃん」と思ってしまいますが。


そもそも、人間が巨人化するメカニズム自体がブラックボックスなんだけど、「まぁ、ファンタジーだからいいじゃん」で、そこは仕方ない。

でも、それ以上に、いろいろと作者の都合で、おニューの設定が出てくると、物語は破綻しちゃうよね。

最終的には、あらゆる「?」が、「ポンッ」と手を叩いて「なるほど!」と落着できるのか、どうか。


ダークなラストとしては、最終的には一応、謎は解明されるけど、全員(全人類)の記憶が改竄されてしまって、スタートに戻る・・・・・なんてオチもあり得るかな? と思ってしまいましたが、さて。


2015年4月13日月曜日

今日マチ子「5つ数えれば君の夢」の感想なのだが


今日マチ子さんの「5つ数えれば君の夢」を読了。

179ページで、文字が多いわけでもないので、サクサク読めます。
が、読解力が試される漫画ですな。


現役高校生で、アイドル五人組のお話。

なんだけど、「萌え」でもなければ、「ドロドロ」もない。
「さわやか」・・・・・というほど、すっきり分かり易いストーリーというわけでもなく。

五人、それぞれのお話だけれども、各々の見た目に、極端な特徴はない。(巨乳と貧乳とか。ハーフの金髪、黒髪のお嬢様とか)
けっこう似たり寄ったり。

お話は、タイトル通り「夢」がテーマ。


アイドルというのは、夢の世界。

でも、夢が実現するということは、それは「夢の世界」が、現実になってしまうということ。

が、ファンにとっては、やはりアイドルは夢の世界に住む人。

その「現実」と「夢」に分断されるアイドル。


例えば、第一話。

その子は、夢(眠っている時に見る夢ね、この場合)の中で、子猫を飼う。

でも、それは普通の猫ではなく、どんどん大きくなっていく。
人間よりも、大きくなっていく。

その猫に愛想を尽かす彼氏。

それに対して、アイドルの子の発言。
猫はいつまでも子猫じゃないんだよ
10年も20年も生きつづけるんだよ!!
いつかは、夢は醒める。

アイドルでは、いられなくなる。

でも、現実は続いていくわけでして。(松田聖子と郷ひろみは、まだアイドルしているけど・・・・・)


猫は、ますます巨大化し、最後には怪獣のような大きさに。

そして、猫は、アイドルの彼氏を食べてしまう。
怒るアイドルに対して、猫は、
どうして? ずっと一緒だって彼は言ってたのに
と答える。

いつかは裏切るであろうファンへの恐怖が、このような「悪夢」を見させているわけでして。


・・・・・・・・と、僕には読めましたが、さて、人、それぞれ、いろんな読み方のできる漫画です。

それを楽しいと思うか、面倒と思うか。


まぁ、文字が多いわけではないので、あんま考えないでも、なんとなーくでも読めますけどね。
(「考えるんじゃない、感じるんだ!」と、読むのもいいのではないかと・・・・・)


5つ数えれば君の夢
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2015年4月12日日曜日

島本和彦「アオイホノオ 13」読了



漫画家が漫画家になるまでの自伝漫画と言えば(短い文章の中に「漫画」が多すぎ)、藤子不二雄A先生の「まんが道」です。

最近ですと、東村アキコさんの「かくかくしかじか」がマンガ大賞を受賞しており、(自伝ではなけど)「バクマン。」なんかあったりして、この手の、自己言及的な作品は、意外とヒットとしてますね。

なんでだろう?


それは、さておき、島本和彦先生の「アオイホノオ」。
大学に入り、漫画家になるために奮闘する、島本和彦先生の自伝"的"作品。

小学館漫画賞を受賞して、ドラマ化もされ、代表作になりそうな作品です。


しかし、島本先生も、もう50才を超えているのに、若いころの、あの「隔靴掻痒」な苛立ち、空回り、誇大妄想を、よく覚えているよね。

しかも、しっかりとギャグに落としこんでいるのが、まぁプロの仕事ですな~。


で、島本先生が漫画家になるために悪戦苦闘するストーリーと平行してすすめられるのが、後に「エヴァンゲリオン」で社会現象を巻き起こす庵野秀明監督を中心とする、ガイナックス結成までの道のり。

ガイナックスと言えば、当然のことながら、オタキングこと、岡田斗司夫氏の若かりし頃が描かれるわけでして・・・・。

ギャグ漫画なので、どのキャラクターも極端に描かれております。
島本先生に他意はないのだろうけど、岡田氏も、当然、極端な性格になっておりまして。

いろいろと、深読みをしたくなりますが・・・・・。


「まんが道」を読んでいると、手塚先生が「白すぎないか?」と思ってしまうように(注:個人の感想)、この手の作品は、作者のフィルターによる人物像と、現実の人物像(または、主観としても持っているイメージ像)との相違が面白かったりするのでね、どうしても。

今後、岡田氏は描きづらいだろうな・・・・・。
その描きづらい岡田氏を、島本先生が、どう描くのかも、見所でしょうね。

なんと言っても、あだち充先生でも、高橋由美子先生にも、容赦なくダメ出しをするくらいの作品だからね~。(もちろん、両先生への尊敬の念があるからこそ、出来ることなんだけど)

岡田氏が、突然漫画に出なくなっても、それはそれで、笑えるけど。


ポロポロといい加減な感想を書いていて思い出したけど、漫画家の自伝漫画だと、「青春少年マガジン1978~1983」は、一巻だけの短い作品だけど、笑えて泣ける作品だったな・・・・・。

アオイホノオ(13) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
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2015年4月11日土曜日

映画「ソロモンの偽証 後編 裁判」


「ソロモンの偽証」後編を見てきました。

前編の感想。
映画「ソロモンの偽証 前編 事件」


楽しみにしていたので(前編を忘れないうちに)、初日に見に行ってやりました。

面白かったけど。
うーん、予想を超えるほどではななかったな。


裁判が五日間という設定は、前もって決まっていたので、その間に二転三転か? と思ったら、これまで(前編)に判明している事件の概要をなぞっただけのような・・・・・。

証言台に立った登場人物たちが、その時々の心情をもらすんだけど、「まさか!」というほどでもなく。

見所は、期待したいた証言が得られずに、主人公が泣き出すところかな。
(今後も主役に恵まれるとは限らないけど、この子を含めて、結構、出世する or 業界で生き残る子は多そうね)


ラストのネタばらしも、ねー。

ネタばらしをする彼が、悪役なら納得できるんだけど、善人だから耐えられず告白を始めるというのは、なんだがな・・・・・・。

いやいや、本当の善人なら、もっと手前で、自らの知っている真相を暴露していたでしょう?

前編の感想でも書いたんだけど、最後まで納得できなかったのは、「裁判なんて仰々しいことを、する必要あるの?」ってこと。

「中学生が学内で裁判を開く」というキャッチーな設定を持ち込む理由付けが、やっぱり最後の最後まで、弱かった気がします。(小説は読んでいないので、原作はしっかりしているのかもしれませんが)

結局、自殺した少年と、犯人とされた不良とのイザコザについては、語られずじまい。

また、自殺した少年の両親が登場するのだけど、自殺についても、この裁判についても、なんの感想もなし。なんかあるだろ!?

前編で裁判支持派、反裁判派の先生も、後編では空気だったな・・・・。


丁寧につくられていたのは分かるし、現実の中学生でもって、リアリティを演出していた点は、「おぉ! 頑張った!」とは思うけど、売りであるはずの「裁判」への道程が、どうにもこうにも、無理があったのか? と思うってしまいました。



ソロモンの偽証 全6巻 新潮文庫セット
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2015年4月8日水曜日

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」読了


「謎のプリンス」読了。

今までの中では、一番面白かった、かな?

とにかく、前巻の「不死鳥の騎士団」が長くて長くて。

それに比べたら、上下巻とは言え、短くて助かった(なんだ、この義務感)。


「最初、みんなから嫌われているハリー・ポッター」→「いろいろ頑張って、みんなから見直される」
という、いつものパターンではなかったです。

むしろ、最初から最後まで大モテ。

ヴォルデモート卿が世界を支配するかもしれないという危機的状況だけど、惚れた腫れたで大騒ぎ。

また例によって、クィディッチ(球技)に、皆さんご執心。

学園モノだから、仕方ないのだろうけど、相変わらず、冷静に考えると間抜けだったりしますが。


「なんで、こんな嫌なヤツなのに、同級生たちからは慕われているんだ?」というマルフォイも、前巻で父親が逮捕されたこともあり、ようやく学校でも浮いているようで。

が、そのことが、彼を追い詰めてしまい大きな事件につながっていく・・・・・・という感じ。


長かったけど、次で終わりだ・・・・・。


以前の感想。
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」読了
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」読了
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」読了

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2015年4月6日月曜日

松井優征「暗殺教室(12)(13)」の感想



あぁ、もう実写版の映画公開されているんだ。

清々しいくらいアイドル映画くさいなー。
(往年の角川映画イズムを、フジテレビが継承している感じがします)

まぁ、設定が、どう考えても、「漫画」だからね。(いい意味で、リアリティがない)
大人向きの「映画」は難しいだろうから、まぁ、原作は少年ジャンプ連載なんだし、アイドル映画になるしかないよね・・・・。
(そうは言っても、「デスノート」の実写映画は、もうちょっと大人向きの映画にできそうだけど。ハリウッドでつくったら、面白くなるんだろうな・・・・・)


さて、漫画の12巻、13巻。

世界一の殺し屋「死神」登場。

ビッチ先生を人質にして、生徒たちを罠にハメて監禁。
今度は生徒を人質にして、殺せんせーを囚えることに成功。

で、その窮地を救うのが、防衛省から派遣されてきた烏間。


「暗殺教室」は幕の内弁当みないで、教師モノを軸にして、なんでもアリの漫画。

その中で、教師と生徒の人情モノと並んで、バトルも見せ場。

が、殺せんせー自体が、かつてのジンバブエ級のインフレ的強さ。
でありながら、どう盛り上がりをつくるのがキモでして。


今回は、今まで脇役だった烏間登場。
ビッチ先生との、ちょっとした恋愛も交えて、・・・・・ここらへん、巧みね、ホント。

生徒の進路の話しなんかも出てきて、ボチボチとラストに向かっている感じです。


政府謹製の殺せんせー包囲網が完成しつつあるようで、最終的には、この包囲網と生徒との戦いになるような気がします。

で、殺せんせーを殺せはしないけど、助けることで、生徒が教師を乗り越えていく・・・・・的なラストか?

以前の感想。
松井優征「暗殺教室(11)」の感想

暗殺教室 12 (ジャンプコミックス)
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暗殺教室 13 (ジャンプコミックス)
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2015年4月5日日曜日

雁屋哲「野望の王国」16巻から20巻までの感想


これまでの感想。
雁屋哲「野望の王国」1巻から5巻までの感想
雁屋哲「野望の王国」6巻から10巻までの感想
雁屋哲「野望の王国」11巻から15巻までの感想


ストーリーですが、一度は海外逃亡に成功するかと思われた柿崎であったが、宿敵の橘組長が生きていると聞いて、神奈川県に戻る。

そこで、弟の橘征五郎を人質に、橘組長を倒すことを画策するが、失敗。
逆に、自らが深手を負い、囚われの身に。

で、橘征五郎&片岡仁は、柿崎にベラベラと内幕を話されてはかなわないと、暗殺を画策。

結局、失敗して、柿崎を逃してしまう。にもかかわらず、怪我しているから、きっと死んでいるだろう、と、あっさりと考えてしまう橘征五郎&片岡仁。
いいのか、それで?

しかも、これまで、さんざん大騒ぎした結果として、橘組長を倒すことはできなかったわけでして、今までのは泰山鳴動して鼠一匹。徒労だ・・・・。

まぁ、この「冷静に考えれば、なんだかなー」が、このマンガの味だったりします。


で、また「なんだかなー」なんですが、ついにあらわれる与党の大物政治家:大神楽了造。

以前は、小田という右翼の大物が、実は日本を裏から牛耳っているというお話しでしでしたが、彼の登場で、実は小田を裏で操っていたのは、大神楽了造だったという設定に。

「後付け設定と展開の矛盾は、連載漫画の花」ですからな。

毎度毎度、橘征五郎&片岡仁の敵達は、おそろしい権力・暴力・資金力を持っていることが誇示されますが、今回の大神楽了造は、政敵を倒す為に、自衛隊の戦車部隊を繰り出すというレベル。

そんなのと戦っているのに、最終目標が橘組長を倒すことであり、日本政治を牛耳る大神楽了造打倒は、その課程に過ぎないという・・・・・・・、あぁ、もう遠近感がめちゃくちゃ。


で、大神楽了造の参謀として、柿崎が復帰して、20巻は終わり。
つまり、元の木阿弥。

このエンドレス展開も、連載漫画のお約束ですなー。