エグザイルにも、不良文化にも興味がないので、「HiGH&LOW the movie」が、ある一定の層で話題になっていることは知っていましたが、「まぁ、世の中、いろいろあるよね」とスルーしておりました。
が、ライムスター宇多丸さんのラジオ番組「ウィークエンド・シャッフル」で今作が取り上げられることになったので(前作は「見てらんねーよ」だったのですが、今回は時間があったので)、「HiGH&LOW the movie 2 / END OF SKY」を、わざわざ前作を家で鑑賞後に見てきました。
今時珍しいくらいに丁寧な状況の解説が始まり、同じく、分かりやすいメンバー紹介、登場人物たちに、いちいちテロップをつける親切さ、「・・・・・・前作よりも、よりユーザーフレンドリーだけど、なんとも鈍臭いなぁ」というのが正直な感想。
まぁ、やっぱりLDH所属タレントの為につくられた、アイドル映画。真面目に見ようとする方が、間違っているのか?
前作は、ストーリーにツッコミどころ満載ではありつつも、宇多丸師匠が「琥珀さん棒倒し」と評したように、その点においては、一本筋が通っていたのは事実。
今作は、「DOUBT」と「九龍グループ」との二正面作戦になってしまい、さらに、SWORDの各チームを活躍させようとするあまりに、どうにも雑然としている。
そして、例によって、「報連相を、少しは学んでくれよ、琥珀さん!!!!」と応援をしたくなる、みんな大好き琥珀さん。
他にも、「車(またはバイク)が来たよ、みんな退いて! 退いて!」「なんか、顔が汚れているから、場面転換しているうちに、喧嘩は決着がついたらしいよ」「そろそろ優勢になってきたから、敵の援軍に気をつけて」という応援が頭に浮かんでしまい、やっぱり、一本の映画としては、「脇が甘い」と言わざるを得ないのですが、それでも感心してしまう、彼ら(製作者サイド)自身が思い描く「美」への真摯な努力。
どのようなシーンでも、「かっこよくあろう」という姿勢は、この映画における「鈍臭さ」も含めて、彼らの愚直さのあらわれであり、それは群像劇バトルとも呼べるラストにおいては、圧倒的な力になっていました。
大人数による肉弾戦の繰り返しは、映画全体における暴力の軽い描き方によって凄惨さはなく、大げさに言うと、「ラ・ラ・ランド」の冒頭シーンをも彷彿とさせるような「祝祭感」すら覚えました。
現在、日本だけではなく、世界を見回しても、これだけの美青年を鍛えて、大立ち回りを映像に収められる集団はLDHしかないように思えます。
この長所をうまーく伸ばすことが出来れば、ヤクザ映画「仁義なき戦い」や香港ノワール「男たちの挽歌」のように、世界に通用する新しいエンターテイメント映画に発展する可能性をも秘めているのではないかと期待させてくれるのですが・・・・であれば、「アイドル映画」の枠から脱する必要があり、それはそれで、これまでLDHを支えてくれたファン層が望んでいるものではないかもしれないわけで、・・・・・そこらへんは、難しいのかな~
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