2015年5月4日月曜日

雁屋哲「野望の王国」21巻から27巻までの感想


これまでの感想。
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雁屋哲「野望の王国」11巻から15巻までの感想
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そして、ラスト27巻までですが、政界のドン:大神楽了造のバックアップを受けて復活した柿崎。

その力でもって、橘組への攻撃を開始する。
さらに、橘征五郎&片岡仁のスパイではないかと、部下の疋矢を疑り始める。(実際は、柿崎の読み通り、彼らは同盟関係)

必死に芝居を打つ、疋矢。

そうこうしているうちに、橘組長は、橘征五郎&片岡仁の叛意を知り、ついには宿敵柿崎と手を結ぶ・・・・・。


ラストに向かっていっているので、出し惜しみがない。

主要キャラがバンバン死ぬので、読んでいて気持ちがいい(?)です。

また、ストーリーも、前述の通り、柿崎と組長が組んだり、また橘征五郎&片岡仁が橘組長に力を貸したりと、いろいろと錯綜しており、読み進めるのが楽しい。(香港映画の「インファナル・アフェア」を、ちょっとだけ彷彿とさせます)


そして、ついに大神楽了造の暗殺に成功。
もっとも困るのは、柿崎なわけで、そして、橘組長と橘征五郎&片岡仁にとっては、彼を殺す、またとないチャンス到来。

だけれども、相変わらず 都合よく 悪運が強く、柿崎には鉄砲の玉が当たらないわけですよ。
まぁ、ここらへんは、この作品の味でして・・・・・。


で、また柿崎を逃してしまう。

そんな中、片岡仁と、橘組長&橘征五郎の妹:文子が結婚式を挙げる。

ようやく文子の存在に意味が出てきたのですが、もちろん、死亡フラグでして。


そうこうしているうちに、片岡仁が野望を抱いた背景の説明や、実行部隊の長であるトクとの出会いなどが語られます。

せっかく物語に厚みが出てきましたが、彼らは直ぐに死んでしまう。
・・・・・こういうのは、もっと早くても良かったような気がしますが、まぁ、昔のマンガだからな。

そして、ついに追い詰めた柿崎に詰め寄る橘組長。

柿崎には弾が当たらないからなのか? なんと、素手で挑むという豪快さ。


で、柿崎を倒し、さらに橘組長も死亡。
こうして、橘征五郎は橘組を正式に継ぐことに。
また片岡仁も義理の弟としての正当な地位を手に入れたところで、宗教団体の天星が暗躍を開始する。

で、なんだかんだで、天星を殺すことは出来たが重傷を負う片岡。

最早これまでと、最後にビルの上から官公庁を見下ろし、彼は死んでいく。

・・・・・・、しかし、「もう重傷で助からないから」ということで、二人で手に入れた権力(官公庁)を見に行くんだけれども、そこに行くまで、けっこう時間がかかっているように見えるけど・・・・・。

それだけ体力があるなら、病院に行った方が助かったような気がするが。せめて、車で移動ではなく、ヘリで移動したら、物語から不自然さがなくなるのに、とは思いますが。

まぁ、そういう指摘は、このマンガでは野暮ですな。


とにかく、怪作と評される作品に相応しい、妙に力強いマンガでした。
(雁屋哲先生の、このタイプの作品ですと、「男組」があるけど、あっちは、一応、善人が主人公だから、そこが、やはり違いですかね)


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