超娯楽大作と噂のインド映画「バーフバリ」が、田舎でもようやく公開されたので、見てきました。
なるほど、世評通り、ぶっ飛んでいたなぁ・・・・・。(夜の回に行ったのだけれども、けっこう人が入っていて、驚いた)
とにかく、まぁ、あらゆるアクション、演出、演技、キャラ設定が過剰&過剰。
普通、ここまで味付けを濃くしてしまうと、とてもではないが食べられない料理が出来上がってしまうのだが、「バーフバリ」に関しては、「突き抜けろ、この想い!」と、ちゃんと作品として成立してしまっているから、あら不思議。
貴種流離譚というオーソドックスな物語を下敷きにすることで、神話的な装いを身にまとうことに成功しており、だから、「バーフバリ 伝説誕生」冒頭の滝登りのシーンにおいて、その滝の巨大さと克服していく過程、そもそも、木製のマスクに恋をするという発端、全てが、「い、い、今時?」「あり得ない!」のだが、「なにを恥じることがあろうか!!」と堂々と描き切るという先制パンチ、観客は、「あぁ、これは神々の映画なのだ」と降参、以降、冬山にいたはずなのに、恋が成就すると、突然、二人の環境は南国風な楽園に変わり、「移動したのかな?」などという凡人の解釈は浅はか、スイートタイムが終了すると、ちゃんと冬山シーンにつながるわけで、「うむ、やりたいようにやってくれ」と身を投げ出す他ないことを再認識、「こまけーことは、いいんだよ!」と暴れまわるバーフバリ的世界観を許容してしまえば、後はもう王の恩寵に浴する喜びしか残らない。
で、古典的な仕組みを利用しつつも、決して、頑迷固陋な古臭さはないのは、女性キャラがピーチ姫的な救い出されるだけの存在ではなく、政治のトップであったり、剣を持って戦ったりと、(そこらへんは)ちゃんと今風。
そして、バーフバリにしても、「王」ではなるが、彼が「王」であるべき理由というのは、単純に「血」に還元されるものではなく、「武勇に優れ」かつ「賢く」、そして、仁愛によって、民衆から支持されているということが大きな要因となっているわけで、復讐劇・奪われた王位の奪還という、やはり古めかしい物語でありながら、あくまでも、民により推戴を望まれているという形式を踏んでおり、言うなれば民主主義的、これが作品全体の風通しの良さとなっている。
・・・・・・・・つっこもうと思えば、いくらでも「つっこみ可」な、ノーガード万歳の両手ブラリ戦法ですが、それだけに攻撃力は半端ない、パンチの効いた映画になっていますので、ハリウッドや邦画の文法に食傷気味の方には、うってつけと思われます。
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