2015年7月31日金曜日

小説「日本文学100年の名作 第1巻 1914-1923 夢見る部屋」


「日本文学100年の名作 第1巻 1914-1923 夢見る部屋」。

この手のアンソロジーのいいところは、なかなか読まない作家の作品も、強制的に読めるところですかね~。

江戸川乱歩が「二銭銅貨」でデビューしたのは、なんとなく知っていても、今更、わざわざ読もうなんて、絶対思わないもんな。
そして、読んでみると、案の定、「昔の作品だな・・・・」としか思わないのですが・・・・・。

が、読んでもいないのに「どうせ、昔の作品でしょ!?」と強がりを言うのと、「あぁやっぱり古臭いよね」と感想を述べられるのでは、雲泥の差があるわけでして。(江戸川乱歩のデビュー作の感想を求められるような場面が、人生にあるかのどうかは別にして)

谷崎潤一郎や森鴎外なら、どこかで読む機会もあるかもしれませんが、稲垣足穂や荒畑寒村になると、まぁ、こんなことでもないと触れることはなかっただろうなぁ。


作品のチョイスとしては、「有名な作品」というよりは、選者の趣味が全面に出ているのかな?

なんとなく、「幻想的な話が多いかな?」というくらいで、年代以外に、共通点はないような感じです。

でも、名のある方々が選んでいるだけあって、基本的に面白かったです。

日本文学100年の名作第1巻1914-1923 夢見る部屋 (新潮文庫)
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2015年7月30日木曜日

「恋は雨上がりのように」1巻、2巻の感想


第一話を立ち読み(電子書籍なので、正確には立ち読みじゃないけど)して、「少女が大人の男性に恋愛をする」というタイプか、まぁありがちなお話しだろうなぁ・・・・・と思いつつも、雰囲気が良かったので、そのまま1巻、2巻と買って読んでみました。


で、簡単なネタバレ。

かつては陸上のホープであった「あきら」は足を怪我してしまい、引退することに。

「これからどうしよう・・・・」とばかりに、ファミリーレストランで悩んでいたときに、その店の店長から、心暖まる接客を受ける。

生まれたばかりの雛が、最初に見たものを親と勘違いするように、彼に恋してしまう。


その店長というのは、風采の上がらない45才。
バツイチで、子供の親権は元嫁にとられてしまっている模様。

仕事先ではバイト(パート)にも、なめられている。


で、「あきら」は、店長のいるファミレスでバイトを始める。
そして、彼が、頼りがいのある男ではないことが分かっても、彼女の恋心は冷めるどころか、ますます確かなものになっていく・・・・・。

で、ついには、「あきら」から店長に、自らの気持ちを告白するのだが、店長は、大人の男性として、彼女の受け入れることを断るのであった・・・・・・。

で、表紙(左)の子が、あきら。

元陸上選手ということもあって、スレンダー。
長髪、黒髪。
外向的な性格ではないにもかかわらず、物語の中では、同世代の二人の男性から言い寄られていることからすると、まぁ、顔立ちも平均以上という設定なんでしょう。

・・・・・・・・・そんな子に言い寄られても、きっぱりと拒否できるなんて、大人の男性としては、立派。

だ、け、ど。
ファンタジーだね~。

作者は女性なのかな?

なので、男の性欲を、あまく見ているような・・・・。(バイト先の店長に、バイトちゃんが食われちゃうのは、世の中の、お約束じゃないですか!?)


作品というものには、往々にして、作者や想定される読者の欲望が反映されているものです。

若い女と付き合いたい(エッチしたい)というのは一般的な男性の願望ですが、一方で、大人(年上の)男性によって保護されたいという願いが女性にはあるようで。

ハチミツとクローバー」然り、「うさぎドロップ」然り、自分を無制限に守ってくれる存在を志向してしまう、弱き者よ、汝の名は女なり、てなもんでして。


まだ登場していないだけなのかもしれませんが、これまでの物語の中で、「あきら」の母は登場しても、父は登場しない。

母子家庭なのかどうかは分からないけど、家庭において、「あきら」の父親は存在感がないのかな?
だからこそ、「あきら」は、45才という父親と同じような年齢の男性に惹かれるのだろうけど。

陸上という夢を無くした自分であっても、ありのままを受け入れてくれるであろう男性が欲しい。

彼ならば、きっと・・・・・・。


リアルでは、そうはいかんよね~。

肉体関係無しで、無条件で庇護してくれるなんて、それこそ、本物の父親しかできないよ、そんなこと。


内田春菊さんの「水物語」なんかでは、女性が作者でも、ちゃんと男性の浅ましさが描かれていた。

男性からしても、リアルだったけど、・・・・・・まぁ、もちろん、読んでいてい、気持ちの良い作品には成り得ないわけでして。


川上弘美さんの「センセイの鞄」なんかは、年齢差はあるカップルでも、そんな肉欲でグチョグチョということはなかった。
ただ、あの作品では、両者ともに、ある程度は年を取っていたからな・・・・・。(男性の方は、もう現役引退間近という感じだったし)


「恋は雨上がりのように」は、女性作家らしい見易い絵で、うだつは上がらないけど悪い人ではない中年男性と、愛想がなくて一見するとクールに見えるけどウブな女子高生の、不器用な交流が、見ていて微笑ましい。

が、まぁ、意地悪な見方をすると、「ファンタジーだな・・・・・」と思ってしまう。


下品な言い方をすると、エロ漫画やAVにおいて、最初は嫌がっている女性が、最終的には男のテクニックに屈して「アンアン」と声を上げてしまうという男性の下劣な欲望が、如実に反映されている黄金パターンの、「裏返し」というか、「女性パターン」なんだよね。

「それの、なにが悪いの?」と言われてしまうと、まぁ、別に何も悪くはないのですが・・・・。


で、2巻の最後で、どうやら店長は、「作家を志していた(まだ、志している?)」ということが判明。

「あきら」が陸上を諦めざる得なかったように、店長もまた、なにかを諦めた人間のようで。

さて、傷を舐め合うようにして、くっつんでしょうかねー?

しかし、同じバイト仲間で、「あきら」に横恋慕する大学生から、「君と店長は うまくいかない。絶対に」と言われてしまったように、あまり健全ではないよね。

特に17才の女の子にとっては。


*追記

続巻の感想できました。
(■眉月じゅん「恋は雨上がりのように(3)」の感想)


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2015年7月27日月曜日

手話で話が進む「ザ・トライブ」の感想


「ハリウッドも、ネタ切れね」
というお話は、・・・・・・もう○十年以上前から言われてますかね?

ヒット作の続編、過去の名作のリメイク、海外作品の翻案、複数の主人公のクロスオーバー・・・・・。

まぁねー、もう物語の手法も種切れだよね・・・・・。

そんな感じでありながら、相変わらずヒット作を作り続けているのですから、まぁ、さすがアメリカなんですが。


ハリウッドはネタ切れでも、世界は広いものです。

まだまだ新しい切り口というものは存在するのだなぁ、と思わされたのが「ザ・トライブ」でした。
(見た後に知ったのですが、ウクライナの映画。ロシアと喧嘩している国だけあって、覚悟が違うのが画面からビンビン伝わってきました)


冒頭で「字幕はないよ~」という説明がありまして、以降、本当にまったくなし。

大自然をテーマにしたドキュメンタリーというのであれば、それは問題ないでしょう。

でも、この映画では、聾学校内で繰り広げられる、少年少女たちの心の動きを扱っている。

そういう繊細なものにもかかわらず、字幕や解説といった言葉による説明は皆無。


それで二時間成立させているのだから、「こんなこと出来るんだな・・・・」と唖然とさせられました。
(直近で思い出すのは、ピクサーの「ウォーリー」かな。あちらは、前半は言葉がなく進んだけど)

ストーリー自体は、そんなに複雑な筋ではない。
(言葉で説明できないのだから、そりゃ、仕方ないでしょうが)

まぁ、異国の人間が前情報なしで見ても、ギリギリ理解できるラインに設定されています。

仮に、登場人物たちが聾唖者ではなく、健常者(←なんだか微妙な言葉だね)であっても、成り立つ話だと思います。


だからといって、見ている最中に、「あぁこういうオチが待っているのね」と安易に予測させるような陳腐なものではない。

全編、場面を盛り上げたり、登場人物の心情を代弁してくれるような音楽はない。
映画の中の人達は、手話を駆使して会話。それに対して、字幕はない。

もちろん発話などは、まったくない。(多少の悲鳴くらいは、ありますが)

でも、手話というものが、こんなにも豊かに感情表現をすることができるのだと、初めて知りました。

まったく理解できない外国語を話されても、その表情や声調から喜怒哀楽だけは理解できるように、手話であっても同じものなんですね。


見終わって、冷静に考えると、この映画の時代設定って、2010年代だよね?
ノートパソコンは、決して分厚いものではないし。
でも、携帯は出てこない。

「異国の話だから」というので、なんとなく見過ごしてしまうけど、そんなに豊かではないウクライナでも、全員が携帯を持っていないわけがない。(まして、若い子が)

でも、映画では一度も画面に登場しない。

携帯が出てきてしまうと、発話というコミュニケーション手段を排除した意味がなくなってしまうからなんだろうなぁ。
まぁ、ここらへんは、物語の嘘ということで。

そして、監督は、「手話の感情表現と登場人物の演技力だけで、物語が成り立つ! それくらいの理解力は観客は持ち得ているはず!!」という賭けをして、そして、見事に勝ったわけだ。


いろいろと考えさせられる映画でした。

何遍も言っているように、字幕はない。言葉による説明はない。でも、物語の中では、登場人物たちは手話を使って豊かに会話している。

特に、映画の見始めにおいては、置いてきぼりをくらったかのような感情に襲われました。
自分は、この映画から排除されているなぁ・・・・とも。

でも、「あぁ、これって、聾唖者が普段感じていることなのかも」と考えさせられました。


そう書いてしまうと、「聾唖者は、現代社会においても、まだまだ、こんなに不幸な存在なのです」という映画だと思う人もいるでしょうが、別に、そういうことを訴えているわけではない。(少なくとも、分かり易く訴えてはいない)

前述の通り、「聾唖者」という設定を抜きにしても成立する、アウトロー・不良の映画でもある。

登場人物たちの多くは、自らの欲望の赴くままに、ある意味「自由」に生きている。

と、書いてしまうと、今度は、「聾唖者であっても、こんなに瑞々しい青春をおくっているんだ!」と捉えてしまう人がいるでしょうが、そういう青春映画でもない。


主人公を含めて、彼らの生き方に対して、安易に善悪の評価を下すようなことないです。

日本の不良映画・漫画にあるように、爽快感はない。

「こういうことは、してはいけませんよ」という説教臭さもない。

徹底的にドライ。
カメラは、登場人物に対して、距離を詰めることも、離れることもない。

そもそも、言葉による説明がないことで、手話を解しない観客は、否応なく彼らから突き放されてしまうわけでして。


・・・・・・・・・・でも、不思議なもので、突き放されているからこそ、この映画では「痛み」というものが、如実に伝わってくるんだよね。

(以下、ネタバレですが)

言葉なく殴り合い、トラックによる轢死、悲鳴を上げるができないレイプ等々、この映画では、暴力が溢れているのだが、そこに「音」はない。

でも、見る側が、彼らの手話の内容を絶えず想像によって始終補完しているせいのか、この「痛み」も、必要以上に想像してしまうようで。

特に、堕胎のシーンは最悪だった。

今まで見た映画で、このシーン以上に、「直視に耐えない」と思わせたものはないよ・・・・・。


てな感じで、とにかく、なかなか得難い体験をさせてくれる映画でした。


あと、まぁ下世話な話ですが、これ、DVDやBlu-rayだと、字幕出るんじゃないかな?

映画館で見た人でも、また楽しめます♪ みたいな売り方をするのではないだろうかと邪推してしまいますが、さて。


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2015年7月26日日曜日

「闇金ウシジマくん FA(フリーエージェント)くん編」30巻、31巻、32巻

与沢翼さん、興味深くてね~。
「ネオヒルズジャパン」も、買ってしまったくらいです(中身は読んでない)

雑誌発売の前後当たりで、傷害事件でドライバーに訴えられていたりして、「派手なことばっかりしているしな。ボチボチ、マスコミの餌食か?」と思っていましたが、・・・・・・以降、何もなく。

「なんだか、あやしげなビジネスモデルのように見えるけどなぁ・・・・・」


彼に限らず、所謂「ネオヒルズ族」と言われた(言われている?)人たちのビジネスって、まったく内容が見えてこないんだよね。

「出張です」
「◯◯さんに会いました」
「雑誌の取材があって」

なんてことは書かれていても、いったい何を売って利益を上げているのか、さっぱり分からない。
ネットを見ても、意外と、そのカラクリを詳述しているようなサイトはない。

漠然とネットワークビジネス(平たく言うと、「マ○チ商法」)なんだろうなと予想していたけど・・・・。


昔さ(今でも?)、ヤフーオークションで、「お金の稼ぎ方教えます」みたいな商品が出品されていて、その証拠として、金額のぎっしり詰まった通帳の写真が貼り付けられていました。

なんとなく「オチ」は予想出来つつも、「これって、どういうカラクリ?」と検索してみたら、教えてくれる人がいました。

実際に落札すると、「私の使っている通帳の画像を使って、同じ内容でヤフオクに出品して下さい」というメールが送られてくるビジネスモデル(?)。


ネオヒルズ族のビジネスも、なんとなーく、そんなところだろうなぁとは思いつつも、モヤモヤが晴れず。


どっかの記者さんが、セミナーに潜入して、雑誌で記事にしてくれないかな~と思っていたら、「闇金ウシジマくん」が取り上げてくれました。
さすが日本の漫画文化。貪欲だよ。


で、「闇金ウシジマくん」。
嫌いではないですが、なかなかツラい漫画。

単行本12巻目で、「もう、許してつかあさい」で、挫折。

ですが、与沢翼さんをモデルにした30巻から32巻だけ、読んでみました。


基本、娯楽漫画ですから、誇張やデフォルメがあるのでしょうが・・・・・。

『ウシジマ君』でモデルになった「秒速1億男」与沢翼、5,000万月収があった全盛期を振り返る _ ビジネスジャーナル
 ところで、与沢氏といえば、真鍋昌平氏の人気漫画『闇金ウシジマ君』で明らかに同氏をモデルにしているとわかる人物が登場し、そのビジネスの裏側が描かれたことが記憶に新しい。
 実際、与沢氏は真鍋氏の取材を受けたそうだが、あそこまで克明に描かれるとは思っていなかったようで「あれは一歩間違えると人権侵害」「誰が見ても僕なので、名誉棄損レベル」と苦笑しつつ話している。特に与沢氏をモデルにしたと思われる「天生翔」の壮絶な転落は、与沢氏本人ですら「もういいんじゃないか」と思うほどだったと回想する。
ここからすると、漫画の内容は、与沢翼さん本人が認めるほど、ある程度は真実味が確保されているようです。


ネオヒルズ族という人たちが、派手な私生活を、「これでもか! 食らいやがれ!」と宣伝する割には、どうやって稼いでいるのか、とんと不明であったのは当然で、「派手な私生活」自体が仕事だったのね。


で、与沢翼さんも、基本としては、先ほど紹介した「ヤフオク」と同じ。


成功した姿をマスコミに晒すことで、自分の存在を広くアピール。
とりあえず、無料ないし格安で客を集める。
成功したければ、ノウハウを教えると勧誘。
高額の授業料で教えてくれるのは、「自分と同じようにやれ」。


マスコミも絶えず新しいネタを探しているわけでして、けっこうテレビも取り上げていましたよね。

メジャー誌だと、「spa」が、ちょくちょく掲載していたイメージがあります。
(人によっては、「なんかあったとき」に与沢翼氏を持ち上げたマスコミも同罪になるぞ、と苦言を呈していた人もいましたが)

ついには、国民的アイドルであるスマップの香取慎吾さんが、「香沢翼」なんてキャラを演じたくらい。
(■香沢翼 google画像検索)


「ヤミ金ウシジマくん」にしても、本人が取材を受けているというところが、まぁ、すごいよね。

ドラマ化、映画化されたメジャーなマンガだから、与沢翼さんも、ちょっと調べれば、どういうテイストなのか、分かっていたはず。

そして、どういう扱いになるかも予想できたはずなのに、・・・・・・・「話題になりさえすれば、いい!」ということなんだろうなぁ。

マンガの連載が始まると、「ヤミ金ウシジマくん」のモデルになった! と自ら、宣伝していたくらいだからな~。

闇金ウシジマくん『ネットで有名』なあの人が登場 _ 貧乏サラリーマンの副業ファンタジー奮闘記


さて、こうしてマスコミを上手に活用し、露出を高めた結果、けっこうな人がハマっていったようです。

このノウハウを実践してみた方々は、どうなったのかと言うと、

与沢チルドレン ネオヒルズ族(増殖中) - NAVER まとめ

ほとんど404。


そして、与沢翼さん本人ですが・・・・・・、例の資金ショートの告白をする前あたりから、性豪アピールを始めたんですよね。

与沢翼は「フル勃起で鬼動く」!! ぶっとんだ価値観に驚きの連続

彼女の色っぽい写真を公表したりして、「なんじゃこりゃ?」と思っていたら、今度は「モテ教室」みたいなことを始めまして。

「あぁ、なんかいろいろ大変そうだね」と眺めていたら、2014年4月になって、

経営危機のご報告

という税金滞納の公表に到るわけで。

ネット界隈の、さらに極めて狭い局所的な好事家の間では、一瞬だけ非常に話題になりました。


個人的には、「税金滞納? つぅーことは、利益が出ていたいのか!?」というところが驚きでした・・・・・。

でも、「土俵際の文章というのは、人の胸を打つものがあるなー」と感心。


が、その後、探偵ファイルさんで、「あれは、嘘よ~」という記事が掲載されまして、

与沢翼氏関連まとめ - 探偵ファイル

うーむ・・・・・・。

まぁ、探偵ファイルさんの記事が、どこまで本当なのか、それを確かめる術は(僕には)ないのですが。


しかし、最近になって、

与沢翼、「カジノで勝ちまくり」は本当か? _ ハーバービジネスオンライン

こんな記事を読むと、まだ自分を広告塔にして、商売している(商売をしようとしている)のは確実なようです。


与沢翼氏のいまの稼ぎはいくらか 月収1億円は年内にいく可能性

――かつて「秒速で1億円」が与沢さんの売り文句でしたが、今はどれくらい稼がれていますか?

与沢:今月でいえば、一人で4500万くらい利益を出しています。

月に「4500万」の「利益」ですか。


そんな人が、いまだに、まぐまぐで、「NAVERまとめを使えば儲かりますよ。」なんてメールを出すのだから、不思議です。

NAVERまとめを使えば儲かりますよ。


結局、与沢翼さんの仕事って、「ヒンコンビジネス」なんだよね。

「貧困ビジネス」ではないです。その対象とする層は、必ずしも「お金がない」わけではない。

ただ、「成功したい」という渇望だけは持っている。ある意味で、「ヒンコン」な状態にあるわけでして。

つまりは、そういう人たちに、与沢翼さんは「夢」を売っているんですな・・・・・・。

(■井村一blog_ 西川美和監督「夢売るふたり」を見て、どうしようもない不安が襲ってくる)


・・・・・・・・気がついたら、与沢翼さんのことばかり書いて、漫画のことは、ほとんど書いてない。

で、「ヤミ金ウシジマくん」に戻りますと、今回の主人公は、今日明日の仕事があるかどうかも分からない状態。

毎日、不安で仕方がない。そんな中、与沢翼さんをモデルとした天生翔という人間に憧れて、「自分も、彼のような成功者になりたい!」と、アフェリエイト業にハマっていく、という流れ。

彼の努力は徐々に報われて、暮らし向きは改善していくのだが・・・・・・一方で、天生翔に近づいた結果、それが虚業でしかないことに気が付く。
また彼の破滅を見て、本当のビジネスとは、人を不幸にして成り立つものではないと悟る。

そして、大きな金儲けは出来ないけど、かつて自分が食い物にしていた人たちが幸せになれるような、ビジネスを志していく。
自分の生きがいを見つけ、家族との関係も良好になり、ケガを負った友人にアドバイスをし、さらには、憧れていた彼女にも理解されて・・・・・・、天生翔は対照的に、こちらは、ほのかな幸せで終わる。

うーん、イケイケの時に付き合った彼女が、貧乏になっても、そのままなんて、「そりゃ、ねーだろ」と思わんでもないです。

が、「圧倒的な転落」と「ほのかな希望」というのは、「ヤミ金ウシジマくん」の様式美だから、これでいいのかな。

お約束でも「救い」がないと、ツラい内容だからね・・・・・・・。

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2015年7月23日木曜日

虚淵玄氏脚本「楽園追放」


「まどマギ」で一気に知名度を上げた虚淵玄氏。

先日、小学校五年生が、「これ、キュウベイだ」とネコのイラストを見て指差しており、「えっ、小学生でも、知っているの!?」と驚かされました。

もっとも、僕自身も、まどマギを見てないのに、キュウベイだと分かるのだから、それほどのヒット作だった証拠なんでしょうね・・・・・。


で、虚淵玄氏の作品は、いまだに見たことが見たことがなかったので、どこかで見てみたいな、と思っておりました。
ちょっと暇があったので、「楽園追放」を見た感想。


うーむ・・・・・・。

けっこうベタね。

エリート女性捜査官(?)と、不良エージェント。

二人のデコボトコンビが、人類へ楽園を提供するディーバへ攻撃を仕掛ける敵への捜索を開始する。
最早、住む価値を失った地球で生きているエージェントを理解できない女性捜査官だが、徐々に、優秀な彼が、地球に残って生きている意味を理解していく。
そして、その理解が深まると同時に、ディーバに攻撃を仕掛ける敵が、単純な人類な的ではないことが分かってくるのでのであった。

・・・・・という、まぁ、設定にしても、物語の展開にしても、お約束。


主人公の女性捜査官・アンジェラ・バルザックが、そもそも、こんな感じ。

楽園追放 グーグル画層検索

おっぱいボイーン、おしりプリプリ、でも幼い顔立ち。
コスチュームにしても、無駄に体にぴったり。

で、おっぱいが事ある毎に揺れる、揺れる。
ケツからのアングルも多くて、サービスサービスぅ。

まぁねー、客が求めているものを、そのまま提供するのはプロの仕事だとは分かるんだけどね。


主人公のバディとなるディンゴにしても、タフガイで、いい加減、だけど、頼りがいがあって、ちょっと優しい。

分かり易いキャラだな・・・・・。


いや、まぁ、それでいんだろうけどね。

それにしても、「どっかで見たことあるな」という感じが終始拭えない映画だったよ・・・・・・。


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2015年7月22日水曜日

文化系トークラジオ Life「いまヤバい!人文社会系」本編の感想

もう一ヶ月くらい前にあった放送なのですが・・・・。
今更ながら、感想。

文系の大学・学部は、徐々に縮小していくのかな? という昨今の流れ。

そういう時代を象徴しているのか、「時代を代表するような人文系の人間っていないような・・・」という危機感から、「本当にいないの?」という探求の回でした。


僕のイメージとしては、東浩紀さんくらいなのかな?
現代において、「あの人は、この事件・事象について、どんな考えをもっているんだろう?」と言われうような人は。

別に東浩紀さんが小粒というわけではないのでしょうが、本放送の中で語られた、過去において時代を代表していたような「人文系の人間」と比べると、・・・・・・「狂気が足りない」というか、「アレ感が不足」というか、「物分かりが良い」というか、「常識人」というか。
(東浩紀さんで、とりあえず思い付くのは、クジラックスを評価していたことくらいか?)


業績で語られるべきであって、個人のアレなエピソードで評価するのは間違っているわけなのですが、・・・・・・・しかしながら、三島由紀夫が駐屯地にて自衛官に向かって決起を促す演説をし、志が遂げられず切腹するような生き様に、ある種の「美学」を見出したくなるわけでして。

そして、その美学から逆算して、業績を見てしまうのが、どうしても人間。


本放送では、いろいろと紹介されていましたが、海外にしても、マルクス主義、構造主義、脱構築主義以降は、あんまり「コレ!」という大きな流れはないのかな?

ピケティが、ちょっと流行ったけど、あくまでも個人の業績が、時代の風潮に乗って持て囃されたということで、「世界の潮流を変化させる」「パラダイムシフトを惹起する」ほどではないしな・・・・。

まぁ作家なんかでは顕著だけど、「◯◯派」というくくりができないからね、今は。
(個人個人が、勝手に活躍すればいいのだろうから、それでいいんだろうけどね)


・・・・・・でも、大きな物語というものが構築できない現代と言いつつ、テクノロジーが短期間で地球上の隅々まで行き渡る様を、我々は目の当たりにしているわけでして。

スティーブ・ジョブズ氏のiPodやiPhone、ザッカーバーグ氏のFacebook、もう少し前だと、ビル・ゲイツ氏のウインドウといったものが、ある種、大きな物語として作用しているのかな~と思ったり。

結局、文系は、もうダメポという話しで終わるんかい・・・・・・・。

2015年7月18日土曜日

「ターミネーター:新起動/ジェニシス」を見てきたが



ターミネーターの新作を見てきましたが・・・・・・、まぁ、「3」「4」と同じで、「ジェームズ・キャメロン」の偉大さを確認する作業になってしまいました。


「2」の液体金属のターミネーターが、さらに銃を撃てたら無敵じゃん? 、めっちゃすごくない? という感じで、女ターミネーターが登場した「3」。

もっと、でかいターミネーターが出たら、大迫力じゃん? という感じの「4」。

どちらも、「別に・・・・・」で、とりたてて新鮮味はなく。


で、今作の「ジェネシス」ですが、・・・・・・最近のハリウッド映画らしく、冒頭からタップリとCGの戦闘が拝めます。

カネかけてつくっているので、見応えはアリ。

が、やはり、新味はないなぁ~。


映画は、基本的には「追ってくる無敵のターミネーターとの戦い」という、例のパターンなんですが、・・・・・・そのバトルは、「1」のT-800、「2」のT-1000との戦いと同じ。

出し惜しみなく、バンバン戦ってくれるけど、・・・・・オマージュなのかな? 過去の作品の踏襲にしかなっていない。


もっと独創的なターミネーターが出て欲しかったな。

・・・・・まぁ、あまりにオリジナルなターミネーターが出てくると、「これ、ターミネーターじゃないじゃん。いっそ、別の作品にしたら?」ということになってしまうのだろうから、仕方ない面はあるのだろうけど。

つまりは、ジェームズ・キャメロンの呪縛から逃れられないのね・・・・・。


ネタバレですが、一応、T-3000という人間と機械が融合した新種が出てくる。

けど、T-1000との違いが、よく分からんよ・・・・。

人間的な思考が出来るという面が、T-1000より手強いということなのかもしれないけど。


シュワルツェネッガー演じるT-800は、壮年期、中年期、老年期と次々と姿を変えていきます。
そこが、ちょっとした見所。

老年期になると、機械ではあるが、メンテナンスも受けられず、長期間にわたっての過酷な戦いを繰り広げた結果として、徐々に不調をきたしている。

「最強のターミネーターも、寄る年波には勝てないのか!?」

この不調が敵とのバトルにおいて障害になり、でも、最終的には、それを乗り越えて勝利という流れか? ・・・・と思ったら、別に、戦闘には影響せず。

うーむ。


タイムスリップの多用が、今までとの違いなんでしょうが、・・・・・「まさか!」「なるほど!」というほど、凝ってはいないかな?

むしろ、ご都合だなぁ・・・・・と思うことの方が多かった。
(世界の崩壊を救いたいのなら、直前にタイムスリップしないで、せめて半年前や一年前へ跳躍する方がいいんじゃないのか? と、つっこみを入れたくなったよ。まぁ、それを言ったら、タイムスリップ自体が不要なんだけどね。時間跳躍をしないで、地道に世界崩壊へ向かう因子を探し出し、つぶしていった方が、確実だものね)


そして、シュワルツェネッガーが演じる善玉のT800は、どこから、誰によって送られたのかね~?

その種明かしって、あったか?

「次回作で、ついに謎が解明!」という流れにしたいのだろうけど、・・・・・どうかな? 次がつくられるかな~。

ラストは、「次回作をつくる気、満々!」という終わりだったけど、正直なところ、ハリウッド版「ゴジラ(渡辺謙さんが出てない方)」を思い出してしまった・・・・。


「すごいつまらん!」と酷評するほどではないけど、特別な驚きは、なかったなぁ・・・・。(「ターミネーター」と言えば、シュワちゃんという人には、嬉しい作品なのかもしれないけど)


ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド
by カエレバ

2015年7月11日土曜日

花沢健吾「アイアムアヒーロー16&17」


ボチボチ佳境に入ってきたんですかね?
(以下ネタバレ)

小田さんが妊娠からの逃亡、赤子のZQNに噛まれてからの感染。
そのまま、自殺。

実写映画も、こんなオチなのかな?


まぁそれはともかく。

一応、ZQN(ゾンビ)というのは、宇宙人からの攻撃ではないか? というネタばらしが、ようやくアリ。

もっとも、まだ仮説の段階ですが。


そして、ZQNたちは、次々と一体化を図り始めている。
寝ている間・・・
ずっと
声かけられてたの・・・
と、ZQN時代のことについて、比呂美は語っています。

一度噛まれてしまうと、一般人は、宇宙人からの命令(声)で動くしかない。


が、比呂美(英雄も?)や江崎は、噛まれても、自らの意思を継続して持ち続けている。
ここらへんが物語の鍵になるんでしょうが、それは、まだまだ明かされない、という感じです。


なんとなく、社会がZQN化する前に、集団から排除されていた人間が、結局、ZQN化しないのかな? と思っていますが、さて。


2015年7月6日月曜日

今さら見た「アクト・オブ・キリング」の感想



今さらながら、去年話題になった「アクトオブキリング」を見てました。

文化系トークラジオ「ライフ」で、司会の鈴木さんが、「やらせだよね(やらせもあるよね)」と言っていたので、どうしても、それが気になってしまい・・・・・なんか映画に、集中できなかった。(「これは、ヤラセなのか? 演出なのか?」と、ずっと気になって見ていたので、逆に集中できたのか?)

しかし・・・・・・、なんで、こうもペラペラとしゃべるかね?
台本あるんじゃないの?

彼らは、いまだに国を守った英雄ということらしいのですが、それにしても、あまりにも正直過ぎるだろう。

・・・・・と思ったけど、「Session22」に出演していたインドネシアの専門家(日本人)も、「喜んでしゃべってましたよ」と言っていたので、そういうものなのだろう。

2015年07月02日(木)「インドネシアの大虐殺から50年」(レクチャーモード)


登場人物の一人が、選挙に立候補したんだけど、町中歩いていると、住民が平気で賄賂を要求してくるんだよね。

カメラが、明らかに、まわっているのに。
「本当に?」と疑ってしまう。

・・・・・・まぁ、正直なところ、日本だって、つい最近までこんな感じだったんだろうけど。(■津軽選挙)

でも、さすがに、人前(マスコミ)で、堂々と、そういうことは言わないでしょ?
いくら、教育の質が、まだまだ低いにしても・・・・・・・と思ってしまうが。


こういうのを見ていると、「驚愕のアジア!」という側面と、「西洋人(先進国)に理解できるような筋書き」がうまく混ざり合っていて、その「うまさ」に、作為を感じてしまう。


もっとも、膨大なフィルムを編集という作業によって取捨選択している段階で、「作為」があるのは当然なわけで。


主人公の老人が途中で髪を黒く染めるんだけど、それが白く戻ったり、また黒くなったりするんだよね。
これは、「時系列は前後してますよ、編集が入ってますよ」という製作者側の正直な告白でして。

なんで、時系列そのままで流さなかったのかと言うと、最終的には、この老人も自らの過去に悩んでいるんだ! という面を出したかったわけで、それが「製作者の意図である」と受け取ることが大事で、「やらせ(過剰演出)」があったか、なかったかは、あんまり気にしても仕方ないのだろうなぁ・・・・・。


そもそも、実際の政治家(現役大臣)が出てきて、主人公の存在を認めているわけで。
彼が、過去において、大量の人間を虐殺しておきながら、罪に問われなかったどころか、むしろ英雄的な行為として現在も認められている、という事実は、揺るぎない。

国営放送で、インタビューを受けているくらいだからね。(でも、TV局の裏方の人間たちは、「あぁ、胡散臭い奴」と思っている模様)


こういう事件って、中国には文化大革命、カンボジアではポル・ポトの大虐殺、ソ連だとスターリンの大粛清と、けっこうありふれたもの。

でも、文章にしろ映像にしろ、そういうものを紹介・解説する場合は、被害者側が普通。

この映画(ドキュメンタリー)の独特なところは、加害者側ということ。

しかも、前記で例にあげた、各地の虐殺って、最終的には、失脚や没落するハメになるんだけど、インドネシアでは勝ち残っている。
(文化大革命では四人組は逮捕され、カンボジアではポル・ポトはジャングルに潜伏するしかなく、スターリンの死後にベリアは処刑)

極論にはなるけど、ナチスが勝利した後のイフの社会を垣間見た気がします。


しかし、老人の孫の顔が、モザイクもなしに出ちゃっているけど、この倫理性は大丈夫なのかね?

そこまで、踏み込んだ(老人を騙した)から、この映画は、話題になったのだろうけど。

でも、またしても、「普通、ここまで、さらけ出さないだろ」と思ってしまい、「ヤラセなのかな?」と、不毛だと分かりつつ、勘繰りたくなってしまう。


・・・・・・・・いろいろありつつも、単純に、途上国の選挙の模様やら、民兵と政治家の関係など、大変興味深かったです。


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2015年7月5日日曜日

お名前.comの「ランダム文字列を作成」って、誰向けの機能なのかしら?

何個かメールアドレスを持っていますが、その1つに、よくスパムメールをもらうんですよ。

出会い系、投資話、逆援助交際、競馬情報、健康、バイアグラ、パチンコの打ち子募集・・・・・という感じです。
まぁ、よくあるヤツです。(一日千件くらい、来ているのかな?)

サーバーの方で迷惑メールフィルタがあって、さらに、そこからgmailに飛ばしているんで、99%遮断されてます(むしろ、誤動作で必要なメールが引っかかってしまうことがあって、そっちの方が困る)。

なので、日常では、特に問題はありません。

問題があるとすれば、僕が、迷惑メールを読むのが好きで、たまに読み耽ってしまうことでしょうか・・・・・。

届くスパムメールのドメインは、たいていが規則性のない文字列。
「パスワードにしたら、破られ難いだろうが、覚えるのは大変そうだ」という感じ。

さて、「どんな人が送っているんだろう?」とWHOISで、ドメインを調べてみると、お名前.comが多い。

もちろん、お名前.comがスパムメールを送っているわけではなく、あくまでもSPAMメールを送っている業者が、そこで登録しているだけ。

それは分かるんですが・・・・・・。




1個登録すると、いったいどれくらいの金額がするんだろう? と「お名前.com」のサイトを覗くと、「ランダム文字列を作成」というものがあるんですね。

てっきり、エクセルでも使って、適当なドメインをつくっているんだと思っていましたが、サイトで用意されている機能なのか・・・・・。




頻繁に、セールをしているようです。




うーむ。
これは、どういう人に向けたサービス&セールなんだろう・・・・・。

いちいちドメインを考えるのが面倒なくらい多量に必要で、かつ全く思い入れのない文字列でも支障がない、とは。(5000個のドメインって、あんた)


「大量のドメインを一度に取得できる」ってのは、一般的なのか? と思って検索ででてきたのは、「ムームードメイン」。

ランダム文字列をサイトでつくってくれる機能はないけど、CSVファイルをアップロードで一気に500個の取得が可能。


「お名前.com」も、この「ムームードメイン」も、どっちもGMO系列だよ。

まぁ、どうせ、こういう機能を省いたところで、スパムメールを送るような人は、海外のサービスを使うんだろうけどね。