「パワーレンジャー」見てきました。
最近のこの手の大作って、冒頭から、腹いっぱいのバリバリCG多用の派手な絵を、「これでもか!」とぶつけてくる感じがあるのですが、「パワーレンジャー」は、意外にも、スタートはゆったり。
なかなかどうして、さっくり変身して、バリバリと戦ってはくれない。
デコボコメンバーが集まって、徐々に心を一つにして、「チーム」になっていく過程を描くことを重視。
絵としては、派手さはなく、けっこう地味。
リーダーは、地元ではアメフトの有力選手として超絶有名人なのだが、オイタをしてしまって、ただ今、絶賛干され中。
その「オイタ」というのが、部室に生きている牛を放つという、日本人からすると、「?」な感じのいたずらで、それが見つかりそうになって車で逃亡からの事故という、やはり日本人からすると「退学で済む?」という感じなのだが、まぁ、この映画では、なんとなく部活動停止と補習授業程度のペナルティで収まっている。
で、まぁ、親の期待やらなんやらかんやらに背いたので、それを苦にしているという設定なのだが、そもそも、あまりにも共感できないオイタなので、「うん、まぁ、そう」と、どうにも冷めた目で見てしまう。
事実上のヒロインにしても、やっぱりオイタをしてしまって、チアリーダーから村八分中。
彼女にしても、やっぱり、自業自得のようでして、やっぱり、なんか、「うん、まぁ、そう」。
そもそも、アメフトにしろ、チアリーダーにしろ、アメリカのスクールカーストでは、トップ中のトップ、今現在はそこから滑り落ちたにしろ、なんかいけ好かねーなー。
他の三人の仲間にしても、それほど深く描いているわけではないので、やっぱり、なんか中途半端で、どうにも思い入れを抱くことは出来ないものの・・・・・・、まったく統一感のないメンバーが、徐々にチームとしてまとまっていくという王道。
けっこう見れてしまうのは、まぁ、さすがハリウッド。
このように長々とした「結成秘話」を経て、ようやく変身! からの、敵との本格的な戦闘シーンが始まると・・・・・、あれ、意外に普通。
と言うか、とりたてて「コレ!」という独創性がないような?
せっかく5人いるのだから、「技の一号、力の二号」的な住み分けやら、各々違う武器を持たせるとか、なんぼでも個性を持たせることが可能なのに、そういう工夫はなし。(玩具なりゲーム化には、こういう設定が大変重要な気がするのだが・・・・・(要らぬ老婆心))
しかも、スーツに変身して早々にメカに乗り込んで戦うわけで、それじゃ、スーツの存在って、単なる制服?
まぁ、個々の肉体に依存した戦いよりも、巨大メカの力を用いた方が、そりゃ、わらわら無尽蔵にわいてくる戦闘員を退治するには効率的なのは分かるが、なんつー味気なさ。
そのメカにしても、空を飛ぶか、地を走るかの違い程度。
やっぱり個性がない。
ここらへんの平板さは、「うーむ?」と疑問でしたが、まぁ、敢えて次作用に取り置いたのだろうか? と邪推してしまう。
そんな感じですが、さすがハリウッド映画なので、適当には見れました。
「敵の悪熟女」や、「採掘場での戦闘」など、オリジナルである日本戦隊モノへの思い入れがあっての設定・シーンなども微笑ましいし、一応「世界を救う」戦いなのに、戦場はあくまでもアメリカの片田舎限定という、スケールの遠近法が狂っている感じも、やっぱり「敢えて」なんだろうなぁ。
でありながら、登場人物には日本人はなし。
ダイバーシティ&中国市場対策として、北京語を話す男が登場するわけで(広東語ですらない)、「ホワイトウォッシュ」ならぬ、「チャイナウォッシュ」。
もう日本はダメポ・・・・・というのを、こんなお気楽娯楽映画でも見せつけられてしまうのが、まぁ、なんともですなぁ。
ブライアン・タイラー ユニバーサル ミュージック 2017-07-12
売り上げランキング : 10833
|