2018年3月9日金曜日

「否定と肯定」



勉強になるけど、映画としても、ちゃんとしている


「アメリカンヒストリーX」を最初に見た時は、「黒人だろうと、白人だろうと、いいヤツはいいヤツで、悪いヤツは悪いヤツって、まぁそりゃそうだろうけど、えらく単純なところに落着したなぁ」なんて思っていましたが、それから数年後、日本でも、ネットから「行動する保守」という運動(?)が生まれて、初見とは違った状況下で改めて見直すと、「ヘイトの構図というのものが普遍的なんだなぁ・・・・・」と感心するやら、ゲンナリするやら。

で、映画「否定と肯定」を見てきました。

まぁ、ぶっちゃけ、毎年、何本か出て来る、「ホロコーストもの」「ナチスもの」の、ちょっと毛色の変わったバージョン。

実際にあった、ホロコースト否定論者との法廷における対決がメイン。

冒頭、ホロコースト否定論者であるアーヴィングが、観衆の笑いを受けながら自説を述べ、その直後に、専門家であるデボラが大学内で真摯な講義をしているシーンにつながるという、分かり易い対比で開始。

現在でも、「非専門家(政治家・評論家)が極端、かつ扇情的な発言を内輪で披露してゲラゲラ受けているけど、その内容が外にもれてしまうと、ドン引き~」というのは、まぁ、けっこうあるパターンでして、他にも、「自分は差別主義者ではない」と力説するものの、発表されている言説はそのものという陰謀論アルアルが、うまーく映画内で紹介されていました。

そして、産経新聞風に言うと「歴史戦」の裁判がメインのモチーフになっているけど、それだけ扱ってしまうと物語としては、至極単純、プロパガンダ臭がプンプンの上から目線の勧善懲悪に陥ってしまうのだけれども、そうならないように、歴史修正主義者のアーヴィングとの対決だけではなく、裁判を支える弁護士との不和なんかも描かれている点が、「上手」でした。


おまけ。


グーグル検索をしたら、サジェストで、「否定と肯定 映画 ネタバレ」って出るけど、この映画って、実際の事件をもとにしているのだから、「ネタバレもなにも・・・・」と思うのは、僕だけ?


by カエレバ

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