映画の予告編は、どうして、こうも面白そうなんだろう。
「あまちゃん」が大ヒットしたおかげで、能年玲奈さん、橋本愛さん、有村架純さんの三人は、一気に全国に名前が知れ渡ったのは、まぁ言わずもがな話。
個人的なイメージとしては、「桐島、部活やめるってよ」でも出ていた橋本愛さんなんかは、既にブレーク寸前でしたが、他の二人は、「あまちゃん」効果が、やっぱりデカイような気がします。
で、有村架純さんは、いろいろと出演して、「今だ、名前を売れ!」「とりあえず稼げる時に稼いでおけ!」という感じですが、逆に能年玲奈さんは、イメージを高めようと慎重に出し惜しみしている(飢餓商法)ように思えます。
で、満を持して能年玲奈さん主演の映画「ホットロード」が公開されました。
原作は、少女漫画の傑作。
これがモノになれば、能年玲奈のブランドはうなぎのぼりじゃい! ですが、・・・・・・・主人公の宮市和希って、中学生の設定だよね?
能年さん、二十歳超えているよ? 大丈夫? 高校生なら、まだまだいけるけど、中学生はどうなんだろう?
それとも、高校生に設定を変えちゃうのかな? それなら、まぁ大丈夫だろうけど。
そして、「ホットロード」ってシリアスなドラマだよなー。
「あまちゃん」のイメージには、能年さんはぴったりはまっていたけど、「ホットロード」の世界には、どうなんだ?
という心配をしながら見てみましたが、・・・・・能年さん、綺麗ね。
でも、やっぱり影がないよ。
彼女からは、幸せな家庭しか見えてこない。和希の薄幸な人生と、かぶってこない。
でも、それは見ていくうちに、「まぁいいかな?」くらいにはなっていきましたが、やっぱり中学生には見えない。無理だ・・・・・・。
で、相手役の
現実は27才だそうで。まぁカッコイイので、大学生くらいには見えるけど。
でも、どうみても十代は無理っす。
(春山が慕う先輩のトオルさんなんか、変態仮面だよ!)
年齢が無理でも、原作にあった、十代特有の向こう見ずな純粋な狂気が滲み出てくるならば、「アリかな」とも思えるけど、この人からは、いかにも充実した青春を歩んできた青年にしか見えないのよね。
「アダルトビデオで鍛えた、AV脳で見るんだ」
と自らを叱咤し、女優さんは高校生、男優さんも高校生。そういう設定で楽しむんだ! と洗脳しようとしたけど・・・・・・・・。
「ホットロード」のキモって、十代の、まだまだ幼い少年少女の痛々しさだと思うんです。
大人からみれば、単なる自堕落な不良だけど、そんな彼らも必死に生きている。
そこから出てくるセリフは、大人や健全な少年少女では出せない、独特の味が生まれてくるわけなんだけど。
それを、女子校生AVに出てくる男優みたいな年齢の人が言っても、全然、胸に響いてこないんだよね。
キスシーンにしても、そう。
能年さんと登坂さんだと、せいぜい大学生くらいのカップルにしか見えないから(AV脳フル活用でも高校生)、キスシーンっていっても、別にね。
「そりゃ、するでしょ」くらいにしか見えない。
結局、原作が十代の半ばの非行少年、少女だから成り立つ苦悩、セリフ、生き様で構成されているにもかかわらず、それを二十代の、それも健全な臭いのする男女にやらせるのは、どだい無謀なんだよね・・・・。
映像にしても、中途半端で。
原作は1980年前後を舞台にしてると思われますが、映画からは、その臭いがしてこない。
不良たちにしても、当時のリアルな暴走族の格好をしたのでは、ギャグにしかならないのは分かるけど、それにしても、あまりにも今風。
ハリウッド映画なら、ちゃんと過去のファッションでありながら、現代人にもスタイリッシュだと感じさせるような格好ができるんだろうけど、邦画だと、イマイチね。(資金が全然違うから、あんまり求めても仕方ないんだろうけど)
唯一、80年代っポイと言えるのは、主題歌が尾崎豊って、ところか?
尾崎豊が、よく似合う。
で、湘南の美しい風景と、叙情的な耳触りの良い音楽が流れて、美男美女が夜の海岸線をバイクで疾走し、なんとなく悩んだり、粋がったり、泣いたりするわけで。
普通の青春映画になっちまったな・・・・・・。
文句ばっかり書いてきたけど、つまりは、アイドル映画なんですよ。
対象としている層は、アラフォーのオッサンではなくて、夏休みを持て余している学生さんだから、この配役とツクリというのは、大正解だと思います。
でも、出てくる少年少女を十代に絞っただけでも、全然、違う作品になったんだろうけどな・・・・・・。
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