で、雁屋哲先生の怪作、「野望の王国」。
これまでの感想。
■雁屋哲「野望の王国」1巻から5巻までの感想
■雁屋哲「野望の王国」6巻から10巻までの感想
11巻から15巻も、感想は、基本、変わらないんですが・・・・・。
とりあえず、ストーリー。
警察署長:柿崎が、日本の首相を裏で操る小田からの後援を得て、一歩リード。
これでは、柿崎を従わせることができないと焦る主人公の橘征五郎&片岡仁は、小田の暗殺を決意。
で、関西一の暴力団と言われる花岡組の力を借りて、暗殺を成功させる。
これで、柿崎を従わせる道筋ができるのだが・・・・・。
普通なら、日本政界の裏のドンを狙って、手始めに配下の警察署長を倒す・・・・というのが当たり前なのだろうけど、「野望の王国」では逆。
また、橘征五郎&片岡仁の当面の目標は、橘組を乗っ取ること。
そのためには、組長が邪魔なので、柿崎を使って排除してもらおうという作戦なのですが、その橘組というのは、神奈川県のローカルな暴力団。
既に、橘征五郎&片岡仁は、関西一の花岡組から助力を偉えるわけで、なんだか、もっと効率的な努力の仕方があるのではないかと思ってしまうのだが・・・・・、まぁ、これが「野望の王国」だ。
で、羽をもがれた形となった柿崎に、橘征五郎&片岡仁は、新しい味方を紹介する。
これが、白川天星という、巨大な宗教組織の御曹司。
彼の力を得て(橘征五郎&片岡仁のコントロール下で)、柿崎は橘組長と対峙していく。
・・・・・・・・白川天星の登場シーンで、東大の時計台が描写されているけど、それって、橘征五郎&片岡仁が、自らの力を誇示するために、一度爆破したような記憶があるけど。
うーむ。
さらに、柿崎なんだが、橘征五郎&片岡仁によって自らが窮地に追い詰められたと分かっていながら、簡単に彼らの口車に乗せられるよな・・・・・。
そもそも、白川天星によって巨大なカルト教団を利用できるなら、橘征五郎&片岡仁は、もっとあっさりと、橘組を乗っ取れるような!?
まあまあ、それを言ったらおしまいよ。
とにかく、相変わらず、伏線無しで、妙に巨大な力をもった知己が登場するんだが、強引に倒されるというパターン。
ただ、橘組長と柿崎署長との応酬が、インフレ&エスカレートする過程は、読んでいるうちに、奇妙な没入感を誘うのは事実。
「ねーよ」とつっこみつつ、「ここまで広がって、どうなるんだ、これ?」という引きこまれていきます。
で、橘征五郎&片岡仁は主人公なんだけど、これまでは二人の戦いを解説する役が多く、男塾で言うところの、「富樫虎丸」と言った感じだったけど、徐々に活躍。
さらに、橘征五郎の方は柿崎に囚われてしまうことで、ようやく、バディの意味も生まれてきました。(二人で活躍するのではなく、片方が窮地に陥って、初めて二人いることの意味が生まれるというのも、なんだかアレですが)
野望の王国 完全版 11 | ||||
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