2015年1月2日金曜日

台湾映画「花蓮の夏」を見て



「花蓮の夏」を見ました。もともとは台湾映画。原題「盛夏光年」は、英題「Eternal Summer」だそうです。

青春映画ですが、ゲイを描いているところが、ちょっとだけ特色(異色?、売り?)ですね。


しかし、台湾映画というと、ゲイが多いような?
「藍色夏恋」はレズだし、「九月に降る風」でも仲間内の一人がゲイだったし。

日本で話題にまでなるような映画となると、「日本にはないもの」「日本では弱いもの」になるだろうから、たまたま、そういう系統が紹介されているだけかもしれないけど。

まぁ無理に解釈をすると、台湾という事実上の国家でありながら、国際社会では国家として承認されていない特別な環境が、このような男性でありながら男性を好き、女性でありながら女性を好きという、未だに一般社会では承認され難いゲイという存在を描こうとする原動力になっていると思われる、などというのは、有りがちな背景説明ですが、ぶっちゃけ関係ないと思います。


さて、映画のネタバレですが、少年Aと少年Bは幼馴染。そこに現れた少女C。

少女Cは、少年Aが好き。
でも少年Aは、少年Bが好き。
で、少年Bは少女Cが好き。

お約束と言えば、お約束な設定。

映画では、少年期から青年期への移行にともなって、「なんとなく漠然と仲良し」という関係を維持できなくなっていく。

それを強烈に意識しているのは、ゲイである少年Aで、徐々に少年Bから離れていこうとする。

しかし、いまだに少年期から抜け出せない(または、幼年期のまま)少年Bは、その現実を理解できない。

で、関係性の維持のために、少年Aの欲望を受け入れる・・・・・。

逃げずに、ちゃんと性欲を描いたのは評価するけど、しかし、ノンケが、そう簡単に体を許すかな? と思ったりしましたが、どうなんでしょうね? 「それくらい、少年Aのことを大切に思っている」という意味なのでしょうけど。

でも、少年Bは、少年Aに恋愛感情はない。
そのことは、少年Aは、よく分かっている。だから、やはり彼から離れていこうとするけど、それでも少年Bは離れられない。


で、ついに、三人は、この問題に真正面から対峙することになるんだけど、・・・・・・・答えはなし。
そして、映画のラストシーンは、冒頭のシーンに続いていくわけでして。

つまり、円環になって終わり。
英題「Eternal Summer」は、意図したのか分からないけど、このラストを見せられると、ちょっと皮肉。

結局、この映画では、三人の少年少女は「永遠の夏」に閉じ込められたままなんですよね。


もっと丁寧に見ると、また違う解釈があるのかな?

展開に無理もなく、俳優女優さんも自然で、台湾の美しい風景の描写も鮮やかで、悪いところはないんですが、僕としては、なんか、モヤモヤな映画でした。


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