2015年9月28日月曜日

連続テレビ小説「まれ」が終わった

「まれ」が最終回を迎えたわけですが・・・・。

以前の感想。
NHK 連続テレビ小説「まれ」だが、泣かせよう泣かせようとする、あざとさが、なんとも

最後まで、どうも無理がある内容だったなぁ。


タイトルの「まれ」は、イコール「夢」ということで、それが作品のメインテーマ。

父親が夢追い人だけど、「成功したい!」という目標があるだけで、「これがしたい!」というものはない、ダメ人間。
なにをやってもうまくいかず、家は貧乏。

その影響で、「堅実に生きよう!」と誓った、主人公の「まれ」。

でも、本当は、パティシエになりたい想いを秘めており・・・・・まぁ、七転八倒、紆余曲折あって、どうにかパティシエになり、成長し、自前の店を持って、という流れ。

最終的には、家庭と仕事の両立というのが物語の主要な課題に。


もとより、父親は、家族は好きだけど、奥さん子供に苦労をかけさせても、なんにも思わない人。

また、「まれ」の母方の祖母は、仕事を優先タイプ。
そのせいで、子供を捨てて、フランスに修行に行ってしまったくらい。

そんなわけで、「自分のことを優先するか、他人(家族)を優先するか」というのは、「まれ」という物語にとっては、大変重要なファクターであり、また、これは、現代女性の自立、結婚、育児、仕事(キャリア)の問題と重なり合っている。


過去の「ちりとてちん」という朝ドラでは、女性が落語家を目指すというお話だったけど、最後の最後、「私、母親になります。落語家は、別にいいや」というラストで、視聴者を唖然とさせたけど、さて、「まれ」は、どう処理するのかな? と思って見ておりました。

・・・・・・・・・ぬるい処理でした。


そもそも、旦那というのは漆職人の家。
奥様が下支えしないと成り立たないような仕事という設定。

で、彼のことは好きだから結婚する。
でも、自分の仕事も続けたい。
もちろん、彼の仕事も大事だから、手伝ってあげたい。
そして、子供も欲しい。
子供ができた以上は、家庭は大事にしたい。

という、欲張りさんな「まれ」。

もちろん、現代の女性だって、出来れば全部欲しいと思っている。
でも、まぁ、なかなかそうはいかない。

育児をしながら仕事をすることは普通のことになったけど、それでも男性よりも女性の負担が重くなるのが、いまだ当たり前。
子供ができたら、やっぱり出世は諦めるというのは一般的な風潮。

もちろん、「まれ」も、その壁にぶち当たる。

仕事を大事にすれば、子育てがおろそかに。
家庭を重視すると、自然と仕事にかけられる比重は少なくなる。
さらには、旦那の仕事を手伝うとなれば、そりゃ、出来ることは限られてくる。


どうにか自分の店を持つことはできて、売り上げも軌道に乗ってきたけど、子育てをしているうちに、どんどん進取の精神は後退していく。
それを、過去の同僚に咎められ、奮起し、大会への出場を決意。

が、仕事を頑張ると、当然、家のことにかまっていられなくなる。
しかも、仕事がうまくいかないストレスを、子供にぶつけてしまう始末。

でも、どうにかこうにか新しいケーキが完成し、大会出場できそう。
が、なんと、その日は、子供の相撲大会と重なってしまう。

仕事をとるか、家庭をとるかの重大な選択を迫られた主人公の「まれ」。

・・・・・・で、結局、主人公は、家庭を選びます。
大会を放棄して、相撲大会へ。

たかが相撲大会の為に、それまでの努力を無駄にするというのが「うーむ」・・・・、まぁ、いいけどさ。

とにかく、「家庭が大事」というのなら、それはそれで、「答え」だと思うんですよ。
そこに、うまーく落着するのも、一つの手。


・・・・・なんだけど、大会には、お店の子が勝手に参加して、「まれ」のつくったケーキが大評判という、大どんでん返し・・・・・というよりも、ご都合主義。

家族は大事。仕事よりも大事。
でも、仕事も、どうにかなっちゃうよ。
みんなが勝手にフォローしてくれて、大成功!

( ゜д゜)ポカーン

で、そのケーキの評判をききつけたお師匠さんがやってくるんだが、「相変わらず貧乏くさいセンスだ」と批判しつつ、「今までの、あいつの生活が、味に深みをつくっている」とか褒める始末。


「家族を大事にしてきたことは決して無駄ではなく、それが肥やしになるんだよ」という、製作者からのメッセージなんでしょう。

育児と仕事に悩むお母さん方は、こんな理想論に納得するのかな・・・・・・。


この、ご都合主義は、中川翔子さんが東京に戻る際も発揮されていたなぁ。
歌手になりたかった中川翔子さんは、田舎の美容室で、雇われている身。

結婚を真剣に考えることもできるような男が出来たんだけど、彼は東京に行ってしまう。

彼のことは好き。でも、東京に行くと、かつての夢を思い出してしまい、つらい。
どうしよう?

・・・・・と悩んでいたら、中川翔子さんが歌っているシーンがネット上で評判になり、また夢を追えるし、男も諦めなくていいという結論に。

( ゜д゜)ポカーン

男の扱いが、ひど過ぎ。

「愛しているなら、昔のわだかまりなんか無視して、男の胸に飛び込めよ」
とまでは言わないにしても、この子にとって、旦那って、なに?


話を戻します。

そもそも、「まれ」の環境って、仕事をする上で、物凄い恵まれている。
旦那の仕事を、「まれ」の母親が手伝っている。

家には、優しい爺さん婆さんが控えている。

同居している弟の妻は、専業主婦。
しかも「まれ」の同級生で、仲良し。「まれ」の仕事にも理解がある。

「まれ」の旦那は旦那で、妻の仕事を尊重している。

せいぜい、旦那の実家が、育児も仕事も手伝ってくれないくらいで、子育てをする上で、物凄い恵まれた環境なんだよね。

こんなだから、いくら「まれ」が苦労している、というシーンがあっても、「うーん、でもなぁ。全然、この子、幸せだよね」と思ってしまうよ。


で、ダメ人間の父親にも触れておかなくてはいけまい。

自分の夢を追ってきた結果として、人を傷つけてきたんだということに、遅ればせながら、気がついた父。

かつての部下に、「おまえの、いいかげんな経営で、おれは不幸になった。お前の家族も不幸にしてやる」と脅されて、失踪することに。
が、最終回間際で、案の定、「まれ」たちのもとに、戻ってくる。

・・・・・・アレ? あの、ちょっと頭のいっちゃった、かつての部下が家族に危害を加えるかもしれない、ということで、消えたんでしょ? 戻ってきたら、家族が危ないじゃん? 部下とは、仲直りしたの? ・・・・・・・・してないんかい。いいのかよ、それで!?

と思いながら、娘と父親の再会シーンを見ておりました。最終的には、主人公の「まれ」が、
「夢なんか追わなくていい。お父さんは、いるだけでいいの」
とか言って、仲直り。

( ゜д゜)ポカーン

なんだよ、その自己否定。

お前、なんのために自分の仕事しているんだよ。

それなら、もう、パティシエ辞めちゃえよ。
旦那の家、手伝えって。
家族との時間を増やせ。

「自分の夢を追うのは当然だけど、でも、父親の夢は、ダメ」ってこと!?


なんか、もう最終回の、無理やりな結婚式が象徴しているように、泣かせよう、感動させようという押し売りが強引だったな、このドラマ。

澤野弘之さんの音楽は、「ガンダムUC」も「進撃の巨人」も良かったけど、このドラマには、壮大過ぎ。
その筋立てと相まって、なんだか悪い方向に作用していたなぁ。

連続テレビ小説 まれ 完全版 ブルーレイBOX1 [Blu-ray]
by カエレバ

2015年9月6日日曜日

映画「君よ憤怒の河を渉れ」の感想

なんとなく見てみた「君よ憤怒の河を渉れ」。

「ふんぬ」ではなく、「ふんど」なのね。

こういうハッタリの効いたタイトル、好きです。


さて、内容ですが・・・・・、うーん。

同じ「佐藤純彌監督&高倉健主演」の「新幹線大爆破」なんかは、今見ても面白かったけど。

「君よ憤怒の河を渉れ」は、「野生の証明」なんかと同じで、なんか古臭いね・・・・・。


そして、秀逸なのが「音楽」。

高倉健さんが危険な場所に踏み込むと、必ず鳴り始める音楽。

これが、まったく緊張感がない。大変間抜けな調べ。
(youtubeにあがっていないかな? と思ったら、平気で全編upされているよ。いいのか? 松竹さん・・・・・)


正直、今見るのはキツイ作品だけど、まぁ、いろんな偶然が重なって、お隣の中国では大ヒット。
(「新幹線大爆破」が海外で評価されたというのは分かるんだが、これがヒットしたのだから、当時の中国は娯楽に飢えていたんだね~)

この作品で高倉健さんのファンになったという張芸謀監督。

後に、高倉健さんの主演で「単騎、千里を走る。」という映画をつくるんだけど、名監督と名優のタッグなのに、これも別に面白くないという不思議。


君よ憤怒の河を渉れ [DVD]
by カエレバ

2015年8月29日土曜日

台湾映画「海角七号 君想う、国境の南」



久しぶりに台湾映画が見たくて、「海角七号」を見てみました。

なんとなく、「日本統治時代」のエピソードが挿入されているのは知っていましたが・・・・・、見終わった感想としては、「なんだかトレンディードラマみたいね」。
(トレンディードラマの定義が、できるわけではないんですが)

頑固で話を聞かないイケメンと、命令ばかりする小うるさい美人。

反目し合いながらも、徐々に理解を深めていき、気が付くと互いを意識し合うように。


・・・・・うーん、もうオッサンなんで、見ていて恥ずかしいよ。


で、ネタバレ。

この台湾人のイケメンが、バンドマンの夢を諦めて、故郷に帰ってきたところから話が始まります。
故郷では郵便配達の仕事を手配してもらうけど、真面目にやるわけもなく。

適当にやっているので、全部は配れず、残った手紙は家に置いておく。
そんな中に、日本からの手紙があった。

それは、かつて台湾で教師をしていた男が、敗戦で台湾に残してくるしかなかった恋人に宛てた、送られることのなかった手紙であった。


で、ヒロインというのは日本人。
(演じるのは、ちゃんと日本人の田中千絵さん。今見ると髪型が時代遅れですが、スタイルが物凄いです。)

台湾在住のモデルだけど、モデルの仕事はさせてもらえない。日本語、英語、中国語が堪能なので、雑用係として使われている。

その仕事の延長戦で、リゾートホテルで開かれる日本人のコンサートの裏方も任される。

前座として、地元の人間によるバンド演奏が決まるが、そのメンバーたちは個性的な人間ばかり。

彼らを統括することになるヒロインではあったが苦労の連続。
特に主人公のイケメンとは衝突を繰り返すわけでして、・・・・・・前述の通り、ここらへんは、お約束。


いろいろあって、ヒロインは、主人公の家にある「日本人の手紙」を見てしまう。

戦争によって引かされてしまった悲恋を知り、「必ず届けるように」と主人公にお願いする。

で、ヒロインも、日本に帰る時間が迫っている。
主人公のことが気になり始めているけど、いつかは別れなくてはいけない。

それを意識しての発言なわけでして・・・・・、さて、この二人も、かつてのように別れてしまうのか、それとも恋が成就するのか。


うーん。

時折挿入される、過去において引き裂かれた男女のエピソードと比べると、現代の男女が軽すぎるなー。

前者は、時代に翻弄され、個人の力では如何ともしがたい悲劇だけど、現代の後者は、所詮、台湾と日本という生まれの違いだけだし。

もうちょっと、うまーく、過去と現代が絡んでいると、違っていたんだろうけど。(過去のエピソードを参考にしたと思われる、ラストで披露される歌も、そんなでもないもんな・・・・)

まぁ、でも、これくらいの味付けの方が、一般受けはするんだろうなぁ。


で、ヒロインが統括することになる地元民によるバンドメンバーたちは、主人公やヒロインと同じように、自らの人生に傷を抱えて生きている。
でも、まぁ、バンドの練習をしているうちに、徐々に、その傷が癒えていき・・・・、ラストの演奏では、ほぼ解消! という流れ。(ピクサーの「カーズ」と同じです。)

嫌いなパターンではないんだけどねー。
ちょっと演出が、くさいんだな。

「KANO」もだったけど、台湾映画の味なのかね。
「KANO~1931海の向こうの甲子園~」は、ちょっとクドかった


で、やはり「KANO」もだけど、この映画も、日本統治時代に、そんなに悪印象がないから、こういう映画が成立して、台湾でヒットするんだろうなぁ。


台湾映画の感想。
台湾映画「花蓮の夏」を見て
魅惑の90分映画「藍色夏恋」
映画「あの頃、君を追いかけた」に、身悶えする
台湾映画「九月に降る風」の感想
「KANO~1931海の向こうの甲子園~」は、ちょっとクドかった

海角七号/君想う、国境の南[Blu-ray]
by カエレバ

2015年8月27日木曜日

浅野いにお「素晴らしい世界」


「ソラニン」「うみべの女の子」を読んで、すっかり「浅野いにお」さんのファンになってしまいました。

以前の感想。
浅野いにお「うみべの女の子」
浅野いにお「ソラニン」
山本直樹×浅野いにお「対談 マンガって、めんどくさい」


で、初期(と言っても、浅野さんは、まだまだ若いですが)の作品である「素晴らしい世界」を読んでみたのですが・・・・・、うーん、若いね、作品が。

まぁ、でも、あきらかに、この作品が土台になって、「ソラニン」が生まれたのが、よく分かります。
夢見るバンドマンの話しが何度も出てくるし。

そもそも、作品全体をつらぬく、「変化と、それを恐れる」というモチーフが、「ソラニン」だもんね。


で、「素晴らしい世界」ですが、短編集。

いろいろな年代の老若男女が主人公ですが、・・・・・基本、若い子が多いかな?

連作になっていて、登場人物たちの住んでいる町は共通している。
短編をまたがって登場する人物もいる。


それぞれのお話の主人公は、種々雑多の悩みを抱えている。
暴力的であったり、まったりだったり、絶望的であったりするけど、おしなべて閉塞感のある状況に置かれている。

で、いろいろあって、最終的には、その状況が完全に解決されるわけではないけど、ほのかに希望があるようなラストで終わる。


・・・・・・正直、ワンパターンではありますね。

僕も若ければ、この絶望と希望のコントラストに惑溺できたのだろうけど、年を取ると、ダメね~。


例えば第一話。

トガさんという大学を中退したばかりの女性が飼っているカメの視点から始まります。

カメは、眠っているトガさんに対して、
ホントに気持ち よさそうに寝るぜ、 アンタは。
どんな夢 見てんだが……

でも、いつまでも 寝てるわけには
いかねぇぜ。そうだろ?
トガさん。
なんてことを思います。


で、まぁいろいろあって、トガさんの住んでいるアパートは全焼。もちろん、ペットのカメは焼死。

でも、トガさんは、カメは甲羅を残して逃げたに違いないと妄想する。

その妄想内において、カメが述べる言葉。
人生には 前に進まなきゃ ならない時がある。

なりふり かまわず 進むんだ。

たとえ 間違ってたって 俺は後悔 しないぜ。

そうだろ トガさん。
この、言葉に促されるようにして、大学も辞めて、アパートも焼けたけど、バンドで頑張っていこうと志して、物語は終わります。

「変わらなきゃ!」
「でも、恐い」
「でも、やっぱり変わらないと!」

第一話での、この流れが、基本的に、全ての短編で繰り返されます。

・・・・・が、中には、

何気ない会話。
別に何も変わってない。

でも今は、
変わってないことが
少しうれしい。
となって、変化がなく終わる話もあるんですが・・・・・、これが、まぁ、結局伏線でして。

最終話では、上の感想をもらした女の子は、流行りの奇病にやられて、一切の感情をなくしたような、生きるだけの人形になってしまう。


この病気の設定が、あまりにも唐突、かつ荒唐無稽で、「うーん、まだまだ若いね」と、やはり思わざる得ないのですが、・・・・・それは、さておき。

作品の意図としては、変化を拒否した人間への罰なのかな、この病気は。

僕には、そう感じましたが、さて、他の人は、どう思うのかな?

素晴らしい世界(1) (サンデーGXコミックス)
by カエレバ
素晴らしい世界 (2) (サンデーGXコミックス)
by カエレバ

2015年8月18日火曜日

目新しはないけど見れてしまう「ジュラシック・ワールド」


1993年に公開された「ジェラシック・パーク」。

もう20年以上前の作品なんだね。

大ヒットして、「2」「3」と続編がつくられたけど、・・・・・うーむ、あんまり覚えていない。
見たんだか、見ていないだが。

なんとなく、「1」は良かったけど、以降はグダグダだったような。


それは、ともかく。

続編の「ジュラシック・ワールド」。
相変わらず、見事なCGで再現された恐竜たち。

それに加えて、「うわー、行ってみたい」と、おっさんでも思わず指をくわえてしまいそうなテーマパークが映画内で構築されています。(実際にUSJとかで、映画を元にして、同じような乗り物をつくっていくんだろうなぁ・・・・・)


ストーリーの基本線は、「ジョーズ」から続く、「凶悪な生物から逃げまくれー」。

離婚寸前の両親がいる兄弟。
仕事一筋、効率第一主義の女性経営者。
マッチョで武器も使いこなせるけど、心優しき恐竜の管理人。(軍出身で、恐竜に詳しいって、なんだか無理があるなぁ)

ぶっちゃけ、ありがちな登場人物ばかり。

で、女経営者は、恐竜の脱走を契機に、自らの効率第一主義が間違っていたと認め、家族の大事さを思い出しというお約束の流れとともに、どんどん服装が破れていき(格闘ゲームか!)、大変スリムな体型が顕になっていくというサービス、サービス。

愚かな行為をする人間は境地に陥る、悪い人間は恐竜に食い殺される等々、まぁテンプレートだね~。

毎度毎度、こういう映画ばかり見ていると、「マンネリ」だけど、たまに見ると「様式美」ですな。


が、例によって突っ込みどころが多いのも、ある意味「様式美」。

大混乱の「ジュラシック・ワールド」の司令塔が、平気で現場放棄してしまうとか。

恐竜を退治するなら、ヘリから機銃で撃ちまくればいいのだろうけど、何故か危険な地上戦で挑む。(まぁ一応、恐竜を使っての生物兵器としての可能性を探るという目的があるんだけど、それにしても)

凶悪な恐竜が逃げ出したはずなのに、直ぐに発信器を調べないって、どうして?

甥っ子と再会できたのはいいけど、危険な場所に一緒にいる必要はないだろうに。


そもそも、冒頭の処理からして、ちょっと不思議なんだけどね。

なんで、家族で出かけないの?

離婚寸前の両親と一緒に旅行。
ジュラシック・ワールドで、いろいろと危険な目に遭い、家族の絆を取り戻してハッピーエンド、という流れの方が分かり易いと思えるんだけど・・・・・。


今作「ジュラシック・ワールド」における「甥っ子」と「おばさん」、さらに元カレという四人グループって、明らかに疑似家族。

でも、別に「疑似」にする必要はない気がするんだが、・・・・・・今のアメリカからすると、疑似家族の方が、リアルで感情移入し易いのかな?


さて、最大の突っ込みどころは、最強の敵「 インドミナス・レックス」が、「遺伝子操作でつくられた生物」ということ。
元ネタのない、オリジナルな恐竜なんですな。

うーむ。

遺伝子操作で生まれたというだけあって、

「埋め込まれた発信機を自ら排除する」
「人間の裏をかいた行動をする」
「熱探知をされないように、体温を自在に操る」
「周囲の環境に合わせて、肌の色を変化させる」

といった、能力を有しているわけなんですが・・・・・・。

その能力のおかげで、観客の恐怖感は倍増されるのかもしれませんが、・・・・・一方で、「最早なんでもアリだな」と白けてもしまいます。

まぁ、これは製作者側も分かっているようで、登場人物の一人に「昔のジェラシック・パークの方が良かったよね~。別に、遺伝子操作した恐竜なんか登場させることはない」てなことを言わせている。

それに対して、女経営者は、「観客は、もっと新しいものを求めている!」と反対意見を言うわけで、・・・・・・・おそらくは、現実の映画製作者と映画会社上層部との意見の相違なんだろうねぇ。

現場の製作者としては、オリジナルの恐竜なんか出したくはなかったけど、上層部の「もっと過激な恐竜を出せ!」という命令に逆らえずに、こんな形になってしまったよ・・・・・という、恨み節なんだろうなぁ。

でも、上層部の判断は正しかったようで、アメリカでは、本作は大ヒット。
もう禁忌を破ってしまいましたから、次回作からは、「火を吐く」とか、「首が三本ある」恐竜も出てきたりするのか?
そうでもしないと、「新しい恐怖」が出てこないよな~。

そして、それらの遺伝子操作から生まれた恐竜に対向する為に、メカT-REXがつくられて・・・・・なんて流れになったら、一気にB級感が出て、それはそれで笑えるのだが。

ジュラシック・ワールド (竹書房文庫)
by カエレバ

2015年8月17日月曜日

相変わらず不死身のイーサン・ハント「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」


「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」見てきました。

いつも通り、二時間で世界を救うトム・クルーズです。

今回は比較的地味な「悪」でしたが、それにしても、トム・クルーズは、通算で何回くらい世界を救っているんだろう・・・・・。


実写版「進撃の巨人 前編」は、やっぱりアレだった

それに比べて、実写版「進撃の巨人 前編」は、二時間かけて、爆薬を運ぶのを失敗して終わっていたよな・・・・・。

この流れからすると、後編では、壁に開いた穴を主人公のエレンが巨人化して終わりか?

多分、それを邪魔しに、エレンとは別の人間が巨人化したヤツが襲ってくるんだろうな。
そいつを撃退すると、ついでに「巨人化」の謎が解ける・・・・・てな、流れだろうなぁ。


まぁ、色々と話題になっている実写版「進撃の巨人」。

よく言われるのが、「これは、原作者と協議した結果として生まれた物語です」というお話。

監督の樋口真嗣さんは、現在の特撮界ではトップ。
脚本の町山智浩さんは、著名な映画評論家。(そして、もう一人の脚本家は、プロの渡辺雄介さん。実写版「ガッチャマン」も、この人の脚本なのね・・・・)
原作者の諫山創さんは、なんといっても大ヒット漫画の執筆者。

三者が互いに遠慮し合って、「船頭多くして船山に登る」ではなく、むしろ、誰も「悪い人」になれなかった結果としての、「この人が、こう言っているから、その要素は外せないよね」てな感じで、出来上がったら「あぁ、なんだかピリッとしないなぁ・・・・」というオチなのかな。


まぁ実写版「進撃の巨人」は、ここまでにしておいて。


「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」。



トム・クルーズが飛行機にしがみつくシーンですが、映画を見る前から、いろんな媒体で何度も拝見しましたね・・・。

「ミッション:インポッシブル」最新作で飛行機にしがみつくトム・クルーズはガチで本人だった - GIGAZINE

ネットだけでなく、テレビや雑誌でも、「これは、本人がやっているんですよ、スゴイでしょ!」と、至る所で宣伝。

そんなに見せていいんかい!? と思っていましたが、映画を見て、納得。


このシーン、冒頭なんだよね。

だから、最初にこれを見せることで、後のシーンも「トム・クルーズ本人がやってますよ」と思わせるわけだ。(実際、多くはやっているんでしょうが)


で、まぁ、迫力のシーン満載。
なのですが、「いつものトム・クルーズだし。どうせ死なないからな」と安心して見られてしまう皮肉。

実際、仮死状態に陥った次のシーンでは、激しいアクションを繰り広げているし。

相変わらずだな~。


それでも、退屈しないのは、不思議。

アクションを売りにした邦画と比べて、そりゃ、予算が潤沢なのは分かるけど。

ストーリーだって、特別「まさか!」なんて展開はない。

いきなり謎の組織によって拉致。
敵か味方か分からない謎の美人でナイスバディの女スパイ登場。
アメリカ本国から見放されただけではなく、追われることに。
徐々に明らかなになっていく敵の正体。

別に、目新しさはないんだけどね。でも、面白く見れてしまう。

・・・・さじ加減なのかね~。

情報の開示、アクション、ちょっとしたお色気、そこらへんを、観客が飽きないように、うまーく並べているからなんだろうなぁ。


で、ネタバレのボスなんですが、今回は、元ドイツ諜報員という設定。(ドイツだっと思うな、うろ覚え。ネット探しても、見つけられないよ)

アメリカ市場だけを考えたら、中国をラスボスにしたいのだろうけど、まぁ、今のハリウッドで、上客に対して喧嘩を売れるわけもなく。

中東だと、いろいろ面倒なことが起こるかも。映画が元で、テロでも起きたら、責任とれないよね。
北朝鮮をおちょくったら、ソニーが大変な目にあったのは、ご承知の通り。
アフリカを敵視する理由もないし、そもそも黒人がラスボスというのでは、それはそれでデンジャラス。

せいぜいロシアなら、大丈夫(?)かもしれないけど、ソ連時代と比べて、大物感がないよね・・・・。


てな事情なんだと思いますが、最近の「敵」は、基本「白人」。

それも、「昔の味方が裏切った」というのがお約束。

あまりヒットしなかった「特攻野郎Aチーム」も、この前の「007」も、そういう流れだったよなぁ。

今回も、いろいろ配慮した結果なんでしょうーねー、西側諸国の諜報員出身ということに。


でも、無理にマッチョじゃなくて、いい味でした。

ただ、冒頭でトム・クルーズに顔をさらけ出す必要性がないような。
またラストも、本人がしゃしゃり出てくるのは、なんで? と思わんでもないが、まぁ、リアリティ云々を言い出すとキリがないですから、「どうやったら、死ぬんだよ、まったく。相変わらずトム・クルーズだね」というのを楽しむべきでしょうね。


映画 ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション ポスター 42x30cm トム・クルーズ Mission: Impossible Rogue Nation [並行輸入品]
by カエレバ

2015年8月15日土曜日

原田眞人監督「日本のいちばん長い日」

1967年につくられた「日本のいちばん長い日」が、敗戦から70周年でリメーク。
(■オリジナル版「日本のいちばん長い日」の感想)

どうなんだろう?
見ようか、見まいか。

と悩んでいたら、テレビで昭和天皇を演じた本木さんのインタビューが流れていまして。
そこで、映画のシーンも放映されていました。

けっこう力が入っているな。
じゃぁ見てみるか・・・・・・。


結論から言うと、大変な力作でした。


ハリウッドと比べると、どうしても予算関係で見劣りしてしまうことがある邦画。

史劇にしても、ハリウッドの作品は、その時代を再現しつつも、絵的な美しさも保たれていて、「すげぇーなー」と圧倒されることが多いです。

邦画になりますと、どうしても金がかけられないので、まぁなんか芸術作品風な味付けにして、「ほれ、ハリウッドのような安っぽさはなくて、うちのは高尚でしょ?」という感じになって、うーん、時に貧乏臭いというか、退屈というか。(そりゃ、世界一の経済大国と比べる方が、どうかしているんですが)


しかし・・・・・、原田監督の「日本のいちばん長い日」は、場面場面で時代考証にこだわりつつも、敗戦直前の暑い夏が、美しく描かれています。

「邦画でも、ここまで贅沢に凝って、つくれるんだなぁ」と、素直に感動。


ストーリーは、まぁ、そりゃ、歴史的事実をねじ曲げるわけにはいかないので、オリジナルと基本線は同じ。

でも、2015年版は、昭和天皇をしっかりと登場させています。

そして、本木雅弘さんが、いい演技してました。
モノマネになってしまうと、「冒涜しているのか?」となってしまいかねないし、でも、あまりに実物から遊離してしまうと、「えぇ!? そりゃ、ないじゃん」となるわけで。

その匙加減が絶妙で、・・・・・・リアルな昭和天皇は、「現人神」という感じが死ぬまで抜けなかった、というイメージを個人的には持っています。

本木雅弘さんが演じた昭和天皇は、高貴な天上人だけど、下々への配慮を忘れない、という面が、うまーく増幅されていました。

まぁなんつーか、「これは、これでアリだね」という感じ。


そんな「慈悲深き君主」像がちゃんと出来上がっているからこそ、忠臣として天皇の意向に沿いたいものの、「栄光ある帝国陸軍」にトップでありながら幕引きをしなくてはいけないという阿南陸軍大臣の苦しい立場が、より浮き上がっていました。


「日本のいちばん長い日」というタイトル通り、旧作は8/14、8/15がメインでしたが、今作は、もうちょっと長い期間を描いています。

・・・・その弊害として、場面場面が、短い。
展開が早くて飽きないのは良いのですが、・・・・・歴史に詳しくない人は「?」だろうなぁ。

まぁ僕も、そんなに詳しくはないので、クーデター中の動きが、なにがどうなっているのか、よう分からんよ・・・・。(それでも、十分に緊迫感は伝わってきましたが)


で、宮城事件(クーデター)の首謀者を演じるは、松坂桃李さん。

「この人、どっかで見たぞ。誰だ、誰だ、誰だ? 空の彼方に・・・・・、そうだ、ガッチャマンだ」

そうでした、実写版「ガッチャマン」に出てた人だ。

登場当初は、現代の若者風になっていて、「軽いよ、軽すぎる」と感じたけど、中盤以降は、「純粋なだけに狂信的」という役を好演していました。
(イケメンなので、「彼らの行為は、天皇を思っての私心のない美しい義挙であった!」という側面が強化されてしまったように思えてしまうのは、ヒガミでしょうか?)


他にも、山崎努さんが演じた鈴木首相は、飄々としていながら、強硬派を抑えて、終戦に導いていく。
「あぁ、なるほど、こうやったんだな」(史実はどうか知りませんが)と納得できる仕上がり。


映画内の小道具や建物と同じく、登場人物たちも、「力入っているなぁ」と思わせる熱演でした。


冒頭で書いたように、邦画でも、これだけ骨太な作品がつくれるんだと、感動しました。
めでたく大ヒットして、毎年は無理にしても、二、三年に一回くらいは、こういう豪華な映画をつくってくれたら嬉しいですが、さて。


まぁ残念なところと言えば、海外でも通用するだけのクオリティの作品だと思いますが・・・・・、いかんせん、題材がね。
余程の好事家でもない限り、外国人は、見たいと思わないだろうな。

また、見ても理解もできないと思う。

日本人であれば、「軍部の独走で破滅的な戦争に向かっていき、昭和天皇自身が積極的に主導したわけではない」というのは、なんとなぁーくは知っているのだろうけど。

しかし、外国では「ヒットラー、ムッソリーニ、ヒロヒト」と並んでいることもあるからね~。

日本のいちばん長い日(決定版) 運命の八月十五日
by カエレバ