前日の深酒で、なんだか一日中、眠たい感じだったものの、地元の映画館で、「サーミの血」の公開最終日。
北欧の少数民族「サーミ族」の迫害を扱った映画。
どうしようかな~、この手の作品は、眠たくなりがちだからな~、などと億劫がっていたけど、結局、午後八時前のレイトショーに行ってきました。
危惧していた通り、やはり、当初は眠気との戦い。
すごく分かり易い「派手」なシーンはなかったのだけれども、1930年代の少数民族が置かれていた時代を象徴するような、プライバシーも人権尊重もない身体検査あたりから、すっかり目が覚めて、以降は、主人公エレ・マリャの選択に、目が離せないやら直視出来ないやら。
予告編からも分かるように、マジョリティによるマイノリティへの迫害がメインのモチーフなのだけれども、悲惨な境遇に置かれている主人公は、そこから脱出しようと、抗い、もがく。
その行為は、自らの基盤であるべきサーミ族への批判・否定となってあらわれ、時には己の出生を偽ることとなる。
当然、マイノリティのサーミ族からしたら、主人公はマジョリティに媚びを売る裏切り者。
でも、そのマジョリティであるスウェーデン人が、主人公を受け入れてくれるのかと言えば、そんなことはないわけで。
その二重に孤独の中で、彼女の行動は、思春期の所謂「厨二病」的なソリッドな理想と過激さを帯びて、見ている者(中年のおっさん)からすると、非常に痛々しい。
端的に言うと、そりゃ、悲しい環境ではあるけど、だからと言って、かつての仲間やら家族への、そういう態度はどうなんだろう? と感じさせる行動に結実するわけで、単純に主人公に共感できるわけではない、人によっては苛立ちをも覚えるかもしれない。
面倒臭がらずに行って、良かった映画でした。
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