2017年3月1日水曜日

夢のような映画「ラ・ラ・ランド」



これでいいのだ!


ミュージカルは好きではないのですが、苦手というわけでもなく、まぁ、積極的に見るまでもない、と思ってしまう程度。

なんだけれども、アカデミー賞最多ノミネートということで、観てきました。

感想を一言で述べるなら、「夢のような映画」。

オープニングでは、大人数による歌とダンス。
度肝を抜かされて、「これが、ずっと続くの? それはそれで贅沢だが、疲れそうだな・・・・」と感じましたが、まぁ、ハリウッド映画のお約束で、オープニングでハッタリをきかせただけで、以降は、そんなそんな派手ではなく。

後は、主演の二人が、くっつきそうでくっつかないという、ラブコメの王道をやって、付き合ってラブラブ、でも現実は厳しくて一度は仲違いするけど、やっぱり二人は互いを必要としていて・・・・・・ぶっちゃけ、ストーリーは、ベタベタ。

「えぇー、今時、こんなにベタで、いいの?」と困惑するレベル。

まぁ、「古き良き映画のオマージュですよ!」というアピールが、そこかしこに仕込んであって、だから、「こんなベタなのも、オマージュです。分かってやってますよ」ということらしいです。

だってさ、「二人が手をつなぎそうで邪魔が入る」とか、「恋する高揚感をあらわす為に、宇宙をバッグにして二人で踊る」とか、「いったんは諦めかけた夢だけど、実は正当に評価してくれる人がいた」とか、・・・・・・・・オイオイ。

なんだけれども、エマ・ストーンが、「くそっかわいい」わけで、そして相手役の「ライアン・ゴズリング」も文句ないしのイケメンで、この二人が、巧みに踊り&巧みに歌うわけで、だからストーリーは「えぇー、いいのそれで!?」であっても、ちゃんと物語が成立してしまう、恐ろしさ。


そんなわけで、劇中にて何度も印象的に使われる「ミアとセバスチャンのテーマ」(ずばりな名前ね・・・・)ですが、



今聞き直しても、ちょっと胸をよぎるものがあります・・・・・・。(サントラ、買っちゃったよ)


で、まぁ、作品としては素晴らしかったけど、・・・・・でも、ちょっと「軽い」のは事実。
アカデミー賞で、今一歩伸びなかったのは、そこらへんが原因なのかな~などと思ったりします。


車が象徴するもの


個人的に疑問であったことは、二人の車ね。

エマ・ストーンがプリウスで、ライアン・ゴズリングはヴィンテージカーなんだよね。

売れない女優&売れないジャズピアニストという設定なのに、えらく金の必要な車に乗っているな? と思ったのは、僕だけ?

二人の性格をあらわす為の「物語の嘘」なんだろうけど、それだけに、この二つが意味するものは、なんだろう?

・プリウス = 現代的なミア(エマ・ストーン)
・ヴィンテージカー = 古風な生き方のセバスチャン(ライアン・ゴズリング)

には、なっていないような気がするなぁ・・・・。

まぁ、セバスチャンが、生活の為に妥協するのは、恋人のミアの生活を支えてあげるという面があるわけで、そこらへんが「古めかしい」と言えば、古めかしい。

セバスチャンは、今時流行らない「古めかしい」正統なジャズの信奉者。
それを象徴しているのが、彼の車なんだろうね。

で、ありながら、飯の種として今風な音楽になびいていしまったことを、彼の信念を知るだけに怒る彼女のミア。


以下、ネタバレ。

まぁ、なんだかんだで、二人は自分の夢をかなえることが出来るんだけれども、別れてしまう。

それから数年後。
ミアは仕事も成功し、結婚して、子供も出来る。公私共に充実している。

そんな、ある日、旦那とふらりと立ち寄ったお店。
そこには、かつて自分が考案した店名とロゴ。

そして、ステージの中央には、かつての恋人。
理想の店を手に入れて、金銭的にも余裕はある模様。
でも、まぁ、結婚はしていないし、店名&ロゴからも、まだまだ別れた彼女に未練たっぷりなご様子。

まっ、よく言われることですが、「男の方が女々しい」ってヤツです。

「古いものを捨てられない男」でして、車の趣味と通底しているということなのかな?

ラ・ラ・ランド-オリジナル・サウンドトラック
by カエレバ

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