2017年5月5日金曜日

ベトナム戦争の延長戦「キングコング: 髑髏島の巨神」


「キングコング」ですが、敢えて「スカルランド」ではなく、「髑髏島」という、B級センス抜群のサブタイトルから想像できる通りの映画でした。

オープニングから出し惜しみなく「キングコング」が大暴れで、その後、島に乗り込むまではちょっとダレましたが、上陸以降は様々な怪物が出てきて、登場人物たちは、「不誠実な人間は死ぬ」「誠実な人間は生き残る」というお約束通り、観客が期待しているモノを、ちゃんと提示した作品でした。

ただ、ちょっと不思議だったのは、パッカード大佐の扱い。

人望厚い優秀な指揮官だけれども、彼が部下の救出を申し出ると、誠実な人間として描かれている主人公サイドが反対するわけで、普通なら逆に描かれそうですが。

パッカード大佐はベトナム戦争を引きずっている男で、キングコングとの戦いは、勝つことの出来なかった戦争の延長戦。
そこに拘泥する人間は、「不誠実」の烙印を押されてしまう。

一方、第二次大戦時、日本人と命の奪い合いをしていたマーロウ中尉は、既に敵と和解している。「誠実」側の人間として、最後は、自宅のテレビで、のんびり野球観戦という「褒美」が待っている。

この構図って、今のアメリカの内向きだったり、厭戦気分を反映しているのかな~? などと思いました。


で、まぁ、おまけの感想だけど、今作も、無理やりアジア人(中国人)が出演していたね。
ポリティカルコレクトのアリバイ拘束というか、中国市場への配慮というか。

「とりあえず、水着ギャルでも置いとけ」的な、バブル期の日本のテレビ番組を彷彿とさせるような、やっつけ感バリバリの配役は、逆効果な気がしますが・・・・・。


by カエレバ

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