2015年12月2日水曜日

「現代小説クロニクル(1980~1984)」


「現代小説クロニクル(1980~1984)」読了。

以前の感想。
「現代小説クロニクル 1975~1979」

作品が公表された年で区切った短編アンソロジーです。

と言っても、まぁ、この本を読んだからといって、当時の雰囲気が味わえるなんてことはないんですが・・・・・。(島尾敏雄さんの「湾内の入江で」は、戦中の話ですし)


どれも面白かったです。

が、その中で異質だったのは、大江健三郎氏の「泳ぐ男 -水のなかの「雨の木」」。

大江健三郎氏本人が、通っていたスポーツジムのサウナで出会った男女について語っているお話しなんですが・・・・・・、まぁ、幻想的とか、お伽話ではないけど、現実離れしているストーリーです。

ぶっ飛んでおります。

「面白い?」と聞かれると、「ある意味ね」と答えるしかないです。


他の作品と比較すると、異形というか、異様というか。
「オリジナリティ」の点で言えば、唯一無二。

ノーベル賞を取るってことは、こういうことなんだなぁ・・・・・。


最近の作品も二、三読んではいます。・・・・・読み易いのですが、あんまり頭に残らなかった。

一方、「泳ぐ男 -水のなかの「雨の木」」を読んで思い出したのは、「万延元年のフットボール」。

大分以前に読んで、こっちも忘れてしまっている。でも、読み通すのは大変だったことだけは覚えております。

また読んでみたいと思わせるような小説でした。

しかし、実際にページを開いたら、その瞬間に、「うぅ、大変そうだ」って後悔するんだろうなぁ。


現代小説クロニクル 1980~1984 (講談社文芸文庫)
by カエレバ

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