なんか久しぶりに「たそがれ清兵衛」を見ました。
見るのは、なんだかんだで、三回目くらいになるのかな?
「くらいやがれ!」とばかりに、「日本人の美徳とは、これなり!」という攻勢が激しい映画です。
「惚れた女のために、黙って決闘に挑む」
「両想いであることを知っても、女の幸せの為に身を引く」
「友人からは、お前も京都に出て広い世間を知るべきだ。それだけの能力のある男だ、と言われても、まったく興味を示さない」
「実は、かなりの剣の使い手ではあるが、それを言いふらすことはない」
「貧乏で、同僚たちからも蔑まれているが、そのことを気にしない」
「女性であっても学問は必要だという先見性」
「もしかしたら、今生の別れになるかもしれない殺し合いの日でも、塾に行く子供たちを、そっと後ろから見送る」
「出世や世間体よりも、家庭こそが大事」
さすが山田洋次監督。
日本人の感情スイッチの在り処を、よく心得ております。
「これでもか!」と、バンバンと押してきます。
清兵衛の、なんと、まぁカッコイイこと。
宮沢りえさん演じる朋江も、「封建的な道徳に真っ向から立ち向かう」ところなんか清々しいのだが・・・・。
ただ、これまでの時代劇にはない新しいリアリティが込められた映画である一方で、あまりにも近代的な発想の人物だよな~などと、つっこみを入れたくはなったりもするけど。
また、「下っ端の小役人だけど、(奥ゆかしいので言い触らさないだけで)けっこうな能力を隠し持っている」という構図は、典型的な一般庶民のヒーロー願望に訴えるもので(「実はオレだって!」と、誰もが思って生きているんですな)、「あざとい!」とも思う。
そういうテクニックを分かりつつも、「なんだかんだで、宮沢りえさんと清兵衛は、一緒になるラストだよ」と知っているのに、ラストは、ついつい感動してしまう。
まぁ、さすが山田洋次監督です。
たそがれ清兵衛 | ||||
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