2016年5月24日火曜日

「とと姉ちゃん」の視聴率が良いということに混乱している視聴者たち


今週で、第8週目ですか。

「常子、職業婦人になる」だそうです。

とりあえず、そこまで見た感想です。


放送前まで


高畑充希さんは、渡辺謙さんの娘・杏さん主演「ごちそうさん」でも好演。

そして、現代モノに比べて、戦前から戦後という時代設定は、朝ドラのド定番で大得意。

さらに、実在の人物をモデルにした作品は、「ゲゲゲの女房」「カーネーション」「花子とアン」「マッサン」「あさが来た」と、おしなべて評価は悪く無い。

主題歌は、復帰したばかりの宇多田ヒカルさん。


しかも、主人公は三姉妹の長女。
「アナ雪」以来のヒットの方程式であるダブルヒロイン(「花子とアン」「朝が来た」)を超える、トリプルヒロインか?

おいおい、こりゃ、穴がないぞ。

・・・・・・・と放送前までは、思ってました。


実際に放送が始まって


「とと姉ちゃん」というタイトルは、お父さんを早くして亡くした家で、長女が父親代わりに奮闘するということで、つけられたアダ名。(とと = 父)

だから、父親は物語が始まって早々に病死。(早く死なないと、ストーリーが動かねーよ)

以降、高畑充希さん演じる「とと姉」が一家の支柱、物質的には無理でも、精神的な支柱になるのか・・・・・・、ならないね。
うん、別にならない。

一応は長女として頑張っていはいるけど、父親代わりというほどではないよなぁ。


まぁ、別に、タイトルに期待していた展開がされなくても、いいんだけどね。


優等生キャラか・・・・・


で、物語ですから、いろいろと問題・アクシデントが発生する。

主人公が、どのように乗り越えるか or  対処するのかが、朝ドラにおける見所。

前作「朝が来た」では、主人公の「あさ」が、女性らしい発想としなやかさで、いろいろな問題と取っ組み合い、「マッサン」は旦那が我武者羅に働きつつ、それを支える外国人妻の健気さがウリでした。

さて、「とと姉ちゃん」ですが、けっこう単純な「優等生キャラ」だね・・・・・。

「至誠天に通ず」とばかりに、「頑張れば、周りの人たちは理解してくれて、手助けしてくれる」という展開。

問題作「純と愛」において、さんざん否定されたヤツです。


第一週において、病に伏せた父親に花見をさせてやろうと、職場の人間も手伝ってくれるというエピソードを皮切りに、基本、このライン。

うーむ、好きな人は好きなんだろうけど。

タイトルに書いたように、王道な展開に安心する人が多いからこその安定した高視聴率。
一方で、「今時、これかい」と戸惑う人も多いようですなぁ。
(私の周りでは、三十代から六十代まで、まんべんなく「イマイチ」という感じ)


転校後の同級生にしても、住み込みで一緒に暮らすことになる「森田屋」の人にしても、「登場時は嫌な人」だけど、主人公の誠意が通じて、理解者へ。
それだけではなく、あちらから勝手に手助けしてくれるようになるという、初対面の最悪な印象からは、とても考えられないような人物に豹変。

その流れが、もう少し、じっくりと描かれるなら納得もできるのだろうけど。

ストーリー展開が早く、視聴者を飽きさせないのはいいんだけれども、結局、一つ一つのエピソードが「ありがち」で、その処理も「安易」な感じがしてしまうよなぁ・・・・・・。


たとえば、祖母と母との和解という重要な回で、末妹が川に落ちるって。

川べりで遊んでいるあたりから、「落ちるなよ、落ちるなよ」と、思わず風呂の前に立つ上島さんを見ている時のように願ってしまったのは、幼女がおぼれる悲劇的なシーンが見たくなかったというよりは、テンプレート的な筋が予想出来てしまい、ダチョウ倶楽部さんであれば、その後の展開もゲラゲラなのだが、しかし、まぁ、末妹は、やっぱり落ちてしまい、さっくり助かり、それが契機になって和解成立という予定調和。

NHK朝ドラの主人公は作品の序盤で必ず水に落ちるそうですが

「川に落ちる」ということ自体は朝ドラのお約束なのだが(「おしん」の堕胎のシーンが、脚本家の脳裏に刷り込まれてしまったのだろうか?)、ただ、それをどう組み込むかは、ある意味「見せ場」。

なんだけれども、「とと姉ちゃん」では、「ありがち」な、偶発アクシデントにしてしまっているのは、このドラマを象徴しているような気がするね~


で、反優等生ドラマ「純と愛」において、川(水)落ちエピソードは、どんなだったかというと、若年性アルツハイマーの妻を助けようとして、父親は溺死という流れでした。

「結局、助かるんだろ?」という視聴者を裏切る、さすがのストーリーです。

が、「純と愛」の場合は、他にもいろいろと衝撃的だったので、これくらいは平凡に思えてしまえるから、どうしたもんじゃろのぅ。

まぁ、「とと姉ちゃん」のテンプレートな物語にご不満な方は、「純と愛」を見るなり、思い出すなりすると、いろいろなことが「まぁいいか」と優しい気持ちになれるのではないかと。


とりあえず、宇多田ヒカルさんの新曲は、いいですね!


花束を君に
by カエレバ

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