2016年2月7日日曜日

ジョニー・デップ主演「ブラック・スキャンダル」



ジョニー・デップの演技が秀逸だと聞いて、見ました「ブラック・スキャンダル」。
(と言っても、ジョニー・デップの作品は、あんま見たことないんですが・・・・・・)

見終わった感想ですが、評判通り。
ジョニー・デップが、チンピラから成り上がった冷酷なギャングのボスを好演(?)しておりました。

・・・・・・ではあったけど、それ以外は、いまいち、ウリがない、か?

数ヶ月したら、さくっと内容を忘れていそうだなぁ。


以下、ネタバレ。

予告編を見たら分かる通り、ギャング、FBIの捜査官、政治家の三人が、互いに協力して、各々の世界でのし上がっていくというお話し。

と思ったら、政治家は、ほとんど絡んでこない。

むしろ、適当に距離を維持している。

なので、ジョニー・デップが演じるギャングのバルジャーとFBIの捜査官の、共同戦線が物語の骨子になります。(政治家のモデルになった人はご存命ということなので、そこらへん配慮せざる得なかったのか?)


映画が始まると、まずバルジャーのかつての部下の顔が映し出されます。
彼と、もう一人の男の会話から、司法取引の最中であることが、徐々に分かってくる。
そして、かつの部下は、ボスの犯罪を告白、そこから過去のシーンにつながっていく・・・・・。

この流れってのが、冒頭だけでなく、何度も多用されてね。

「なんか、しつこいね。物語の流れを、ぶった切ってない?」と訝っていたけど、よくよく考えると、主人公であるバルジャーからして、FBIへの情報提供者。

で、バルジャーと捜査官の転落も、新聞へのリークから始まり、そして、逃亡の末、逮捕されるラストも匿名の情報提供によってなされているわけで。

つまりは、徹頭徹尾、「密告」で成り立っている映画。

だから、取り調べのシーンが、くどいくらいに登場するんだろうなぁ。


よくあるパターンとしては、この「密告」について、登場人物の一人に、哲学的な含蓄のある考察を述べさせたりするんだけどね。

または、映画の冒頭に、「密告」にまつわる偉人の格言や聖書からの引用がバーンと画面いっぱいに映し出される、とか。

すると、映画全体に深みを及ぼし、見終わった後には、人間の真理を垣間見たような気分になれる・・・・・・。


でも、そういうのは、なかった。

衒学的で、説教臭くもなってしまうから、やりたくなかったのか?


とりたてて揚げ足を取るような箇所もない、よく出来た重厚な作品なんだけれども、もう一歩物足りない感じがしたなぁ。

ジョニー・デップのファンであれば、今までとは違う演技が見れて、面白いのだろうけど。


ブラック・スキャンダル (角川文庫)
by カエレバ

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