2015年4月12日日曜日

島本和彦「アオイホノオ 13」読了



漫画家が漫画家になるまでの自伝漫画と言えば(短い文章の中に「漫画」が多すぎ)、藤子不二雄A先生の「まんが道」です。

最近ですと、東村アキコさんの「かくかくしかじか」がマンガ大賞を受賞しており、(自伝ではなけど)「バクマン。」なんかあったりして、この手の、自己言及的な作品は、意外とヒットとしてますね。

なんでだろう?


それは、さておき、島本和彦先生の「アオイホノオ」。
大学に入り、漫画家になるために奮闘する、島本和彦先生の自伝"的"作品。

小学館漫画賞を受賞して、ドラマ化もされ、代表作になりそうな作品です。


しかし、島本先生も、もう50才を超えているのに、若いころの、あの「隔靴掻痒」な苛立ち、空回り、誇大妄想を、よく覚えているよね。

しかも、しっかりとギャグに落としこんでいるのが、まぁプロの仕事ですな~。


で、島本先生が漫画家になるために悪戦苦闘するストーリーと平行してすすめられるのが、後に「エヴァンゲリオン」で社会現象を巻き起こす庵野秀明監督を中心とする、ガイナックス結成までの道のり。

ガイナックスと言えば、当然のことながら、オタキングこと、岡田斗司夫氏の若かりし頃が描かれるわけでして・・・・。

ギャグ漫画なので、どのキャラクターも極端に描かれております。
島本先生に他意はないのだろうけど、岡田氏も、当然、極端な性格になっておりまして。

いろいろと、深読みをしたくなりますが・・・・・。


「まんが道」を読んでいると、手塚先生が「白すぎないか?」と思ってしまうように(注:個人の感想)、この手の作品は、作者のフィルターによる人物像と、現実の人物像(または、主観としても持っているイメージ像)との相違が面白かったりするのでね、どうしても。

今後、岡田氏は描きづらいだろうな・・・・・。
その描きづらい岡田氏を、島本先生が、どう描くのかも、見所でしょうね。

なんと言っても、あだち充先生でも、高橋由美子先生にも、容赦なくダメ出しをするくらいの作品だからね~。(もちろん、両先生への尊敬の念があるからこそ、出来ることなんだけど)

岡田氏が、突然漫画に出なくなっても、それはそれで、笑えるけど。


ポロポロといい加減な感想を書いていて思い出したけど、漫画家の自伝漫画だと、「青春少年マガジン1978~1983」は、一巻だけの短い作品だけど、笑えて泣ける作品だったな・・・・・。

アオイホノオ(13) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
by カエレバ

青春少年マガジン1978~1983 (KCデラックス 週刊少年マガジン)
by カエレバ

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