2014年9月22日月曜日

久保保久「よんでますよ、アザゼルさん。」の感想

「よんでますよ、アザゼルさん。」なんですが、1巻を読み始めたら止められなくなって、結局、今出てている11巻まで読んでしました。


作者が、ギャグに対してストイックだね。

絵はきれいで、女の子もかわいく書けるし、内容もゲスいギャグがバンバン出てくるのに、お色気シーンは少ないんだよね。(ないわけじゃないけど)

「そんなものは要らねー」という自負が伝わってくるよ。


それは、登場する悪魔たちの風貌にもあらわれていて、魔界では一般的なイメージする悪魔の形をしているけど、人間界にくるとファンシーなキャラクターになってしまう。

どの悪魔もかわいらしく描けているけど、スカトロ、シモネタ、セクハラという、その容貌には似合わないセリフ、振る舞いをさせるようにしている。
やりようによっては、女性ファンをつかみやすいのにねー。


で、ストーリーにしても、「いい話」になりそうな流れは、必ず、ゲスな話に引っくり返るようにして、読者に癒やしなんか与えない。


しょーもないギャグも多いけど(それがいいんだが)、ある悪魔の名前は、「サラマンダー公威」。

公威って言ったら、三島由紀夫の本名だな、と思っていたけど、wikiみたら、やっぱりモデルは彼らしい。

なんつーもんをパロっているんだか・・・・・。


そのサラマンダー公威なんだけど褌一丁で日本刀を振り回し、男尊女卑の極端な主張を繰り返し、ヘマをすると腹切りをしようとする、やり過ぎなキャラ。

それでいて、マゾというのだから・・・・・。


で、江原啓之さんをパロったキャラが出てきた話では、その「サラマンダー公威」が必殺技を披露するけど、名前は「黒蜥蜴」。三島先生の戯曲。

そして「黒蜥蜴」は、美輪明宏さんの代表作でもある。美輪明宏さんは江原啓之さんと一緒に「オーラの泉」なんて番組をやっていたわけでして。

江原啓之さんのパロったキャラは、見えないものが見えるとか言って、人を騙しているという、・・・・容赦無いです。


その他としては、ギャグ漫画なんだけど、けっこうストーリーもしっかりしているのが、今時の漫画だよな~と感心してしまいます。

主人公の上司であるアクタベの強さの謎、ヒロイン(兼主人公、兼狂言回し)佐隈の呪いの秘密、魔界の勢力争いなんかが、これから徐々に一本にまとまっていくのかな? という感じがします。

よんでますよ、アザゼルさん。 コミック 1-11巻セット (イブニングKC)
by カエレバ

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