2017年8月10日木曜日

「トランスフォーマー 最後の騎士王」-見ては忘れてしまうトランスフォーマーシリーズ最新作-



けっこう見ているはずなのだが、では、「どんな内容だった?」と聞かれると説明に窮してしまう「トランスフォーマー」シリーズ。

懲りずに、最新作「最後の騎士王」を見てきました。

で、ちょっと驚いたのは、うっすらと脳内に記憶されていた主人公と、画面にメインで登場する男が違う。

「そう言えば、主人公が交代したって聞いたような? とすると、前作は、見逃したようだ・・・・・・」

まぁ、でも、「トランスフォーマー」なので(褒め言葉)、前作を知らずとも、テキトウには見れてしまう。


そして、意外だったのは(褒め言葉)、けっこう「ちゃんと」面白い。

単に画面が派手とか、ストーリー展開が早くてダレないとか、頭空っぽでも安心して見れるとか、そういう意味での「面白い」ではなくて、・・・・・・いや、まぁ、「トランスフォーマー」シリーズなので(褒め言葉)、いつも通り、そうなんだけど、そんな中でも、主人公サイドのオートボットが完全に人類の敵とされているという結構ハードな設定。

しかも、頼れる(?)指揮官のオプティマスプライムは、早々に敵によって洗脳されてしまうので、善なる「オートボット」 対 悪なる「ディセプティコン」の単純な対立による派手なドンパチとは違って、けっこうヒネリが効いている。

しかも、シカゴの惨劇(要するに911)の結果として、宇宙から地球にやってくる超生命体であるトランスフォーマーを、最早、善し悪しの区別などなく、一律にシャットダウンしようという人類側の対処って・・・・・・、まぁ、「トランスフォーマー」シリーズだから政治的な意図はないのだろうけど(褒め言葉)、これって現在のアメリカの移民政策の風刺と取れるわけで、しかも追い詰められたロボットたちが廃墟で隠れて暮らしているのを、ワザワザ探して出して破壊している様はナチのユダヤ人狩りをも彷彿とさせるもので、けっこうハードで「大人」。

とすると、故郷の星で洗脳されて、人類の敵側に回ってしまうオプティマスプライムは、ISISによってテロリストにされてしまう若者をモチーフにしているのか? ・・・・・いや、それは考え過ぎだな、「トランスフォーマー」シリーズだし(褒め言葉)。

そもそも、あっさりと洗脳されて、あっさりと洗脳が解けるわけで、そして、直ぐに味方にも受け入れられてしまうという、葛藤なき素直な流れは、やっぱり「トランスフォーマー」(褒め言葉)。

そして、例によって、オカルト歴史を背景にした物語の進行と、ジェットコースターのように退屈させないアクションの連続。

安定しています。
ブレがありません。


で、まぁ、笑ってしまったのは、ヒロイン。

トランスフォーマーに親近感を抱いている、身寄りのない少女。
この子が、オッサン主人公と、徐々に擬似的な親子関係を築いていくという、まぁ「レオン」展開なんだけれども、彼女は前半でさっくり退場。

代わりに登場するのは、著名大学の先生なんだけれども、体の線があらわになる服ばっかり着ている色っぽい姉。
例によって、最初は主人公といがみ合っているけど、徐々に打ち解けて、最終的には恋人同士としてゴールイン。

この二系統の黄金ヒロイン&パターンを、一つの映画に強引に収めてしまっている。
見事な豪腕。
さすがだぜ、「トランスフォーマー」(褒め言葉)。


まぁ、いろいろ窮地に陥っても、「どうせ「トランスフォーマー」だからね」と安心して見てられる、いつもの展開ではありつつも、けっこうハードな背景を背負っていることもあり、また、執事ロボのコグマンのぶっ壊れ具合がなかなか楽しく、これまでのシリーズの中では、もっとも印象深く鑑賞できる作品でした。


by カエレバ

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