2016年5月14日土曜日

大根仁監督「バクマン。」



大根仁監督の「モテキ」は、テレビも映画も、楽しく見ました。

で、その大ヒットのおかげなのか、漫画「バクマン。」の実写化にも起用され。

「モテキ」のクオリティーからすると、まぁ、大きく外すようなことはないだろうなぁとは思いつつ、なかなか機会がなく。
ようやくネット配信で見ました。

こんな映画


予想を裏切られることなく、長大な原作を、うまーくエピソードを取捨選択して、二時間に収めてました。

ほぼ原作通りのキャラと外観。


担当の服部さんだけ、原作では「現場をある程度経験した有能編集者」でしたが、映画版は、「まだまだ経験不足」という感じ。

まぁ、二時間という短い時間で、あれこれ的確な指示ができる編集者がいたのでは、主人公たちの自律性が損なわれるからなー。
青二才の主人公たちと同じく、彼も成長していくキャラにしたのは、当然と言うか、妥当と言うか。


映像にしても、冒頭における「少年ジャンプ」についての説明から始まって、漫画の描き方や実際に描いているシーン、アンケートシステム等が、CGと実写を融合させて描かれており、、「せっかく映画だしね」という贅沢、かつ分かり易い。

また、ライバルである新妻エイジとのアンケートでの人気争いも、同じくCGを用いつつ、実際のバトルにしてしまうのは、巧み。

音楽も素晴らしく、映像も綺麗、物語のテンポは良く、「モテキ」と同じくエンディングまで趣向を凝らしていて、さすが大根仁監督だったのですが・・・・・・・。

漫画原作の難しさ


が、・・・・・・・映画を批判したいわけではないのですが、物語に無理があるよなぁ。

原作がそうだから、仕方ないんだが。

高校生でデビュー、そのまま週刊連載って、あまりに非現実的。
漫画なら「まっ、いいか」となるのだが、実写にしてしまうと、途端に違和感バリバリ。

せめて大学生くらいなら、「あるか? あり得るか?」なんだろうが、これやってしまうと、原作無視&原作レイプという批判が飛んで来るのは目に見えているし、しかも、亜豆美保との関係性も微妙になってしまう。

そもそも、「主人公の作品がヒットして、アニメ化するまで結婚しない」という二人の現実離れしたやり取りは、高校生が限界だよね。(高校生でも、「ちょっと・・・・」ではあるけど、まぁ百歩譲って)
大学生でそんな夢語っていたら、「ぐーむ」となってしまうもの。


そして、現実に高校生を続けながらの漫画家生活が、主人公の肉体を限界に追い込むわけで、無茶な設定の結果として当然の帰結というところが妙なリアリティだなぁ・・・・・。

まぁさ。ここらへんが、「あしたのジョー」における力石設定(■あしたのジョーの登場人物 - Wikipedia)みたいなもので、マンガの醍醐味・ダイナミズムなんだが、再三再四言っているように、実写化してしまうと、「うーん」。

で、その「当然の帰結」を、ジャンプ三原則の「友情・努力・勝利」で乗り越えたことになっているけど、ぶっちゃけ根性論でして。

対象年齢を考えろ、ということで


原作の「バクマン。」は、ジャンプのアンケート至上主義を舞台にして、バトル漫画のノリを展開させたことが、さすが ガモウひろし先生 大場つぐみ先生でした。

で、多くの少年誌のバトル漫画において、「世界を救わなくてはいけないのに、主人公は子供か少年なの?」というド定番のツッコミがありますが、まぁ、少年誌なんだからあたり前田のクラッカー。
メインの読者を喜ばせなくて、なにが漫画だ。


で、映画にしても原作準拠になるのは仕方ないわけで。

だいたいにして、この映画の想定される観客の年齢層は、学生さんか、原作の熱心なファンだろうから、間違っているのは私の年齢であって、「これでいいのだ ||:3ミ」なんだろうなぁ。



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