かつてのアミダラ女王が、今度は、アメリカのファーストレディを演じている「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」。
パドメ・アミダラは女王と言っても辺境を治めているだけの存在でした。
今作では、地球上に数多存在する国の一つとは言え、アメリカのファーストレディと言えば、世界一の権力者の伴侶(当時はソ連も元気だったので、厳密には「世界一」ではないかもしれませんが)。
格としては上なんだか、下なんだか・・・・・、などと、どうでもいいことを考えながら見てきました。
ストーリーは、あるような、ないような感じ。
ケネディ暗殺後、とりあえずの平穏な生活を取り戻したジャクリーン・ケネディが、記者の独占インタビューを受けるシーンから始まって、いろいろな過去を回想していくというのが全体の流れ。
細切れなエピソードが断続的に差し込まれるので、正直なところ、分かり易いストーリーではなかったです。
95分という、比較的短い物語の中に、タイトルの通り、ジャクリーン・ケネディによる「アメリカ大統領のファーストレディとしての政治」が描かれている一方で、「夫を亡くした妻の悲しみ」「二人の子供の母親」などが、出たり入ったりな感じで、最後に見終わると、「結局、なんだったんだ?」と思わないでも。
また、ジャクリーン・ケネディを支えていたものが、単純に「夫婦愛」や「幼い子供を抱えた母としての義務感」、「クリントン夫妻のような同志愛」、「個人的な虚栄心」、「神への信仰」等々、一つに還元されない描き方は、人間のリアルさを表現しているのではあるが、・・・・・・・一方で、物語を複雑にしてしまっている要因でして、まぁ痛し痒し。
成功すれば重厚な作品になるのでしょうが、・・・・・・個人的には、もう一歩な感じでした。
作品全体としては、決して安っぽいとは言えない出来だったけどね。
巧みなエフェクトで当時のニュース映像と見紛うシーン、過去を再現しつつも現代でも通用する洗練された衣装、そして、なによりもナタリー・ポートマンの、しつこいくらいのアップの連続、でも、観客に飽きさせない巧みな顔芸の数々。
ちゃんとつくっているだけに、「もうちょっと観客に擦り寄ってもいいんじゃないかな?」とは思いますが、いずれにしろ、男性の自分には理解するのは難しい題材なのかな?
女性から見たら、もっと共感できるところもあるのかもしれませんが、なんと言っても、「世界一の権力者の伴侶」なんて、そうそうなれる立場じゃないからな・・・・・。共感は無理か?
日本ですと、現在のファーストレディは、・・・・・・・まぁとても映画を見ている余裕はなさそうですね・・・・・。
どうでもいい感想としては、インタビューを受けている(物語上は現在)シーンで、ジャクリーン・ケネディの背後に「こけし」があるんだよね。
あの「こけし」ですよ。
お笑いコンビの「たんぽぽ」の川村エミコさんが集めている、あの「こけし」です。
「なぜ、そこに?」と、どうしても視線が、そっちに行ってしまいました・・・・・・・。史実を忠実に反映した結果なのかもしれないが、なんだか不思議な空間になっていたなぁ。
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