2016年4月9日土曜日

映画「キャロル」



綺麗


時代設定としては、第二次世界大戦から、まだ数年が経過した程度かな?

アメリカの黄金期なり、青春として描かれることの多い時期。

ノスタルジーの対象として、「幸せな時代」として、よく出てくるイメージがありますが。


良くも悪くも、過去というのは現代よりも「単純」だったりします。

価値観は素朴で、常識は不変。
それに従っていれば、不幸になることはない。

だからこそ、懐古したくなるわけでして。


が、一方で、価値観が素朴ということは、裏を返すと、「多様性がない」ということ。

マジョリティには便利な時代だったかもしれませんが、マイノリティーには厳しい。

そんな時代の女性同性愛者を描いたのが、「キャロル」になります。


とにかく、予告編を見て分かるように、主役の二人が綺麗でね。

ケイト・ブランシェットさんが演じる裕福な中年女性「キャロル」は、優雅で美しい。
ルーニー・マーラさんが演じる、デパートの販売員「テレーズ」は、まだまだ若く可愛らしい。

そして、ハリウッドの女優さんなので、二人とも、スタイル完璧。

現実世界において、こんなカップルを目撃したら、目がつぶれてしまいそうだよ・・・・・。


ストーリー


展開自体は、あまり急がず、説明はホドホド、ゆっくりと進んでいきます。

一見、裕福で、なに不自由なく生きているはずのキャロルだけれども、親しくなって、徐々に彼女の苦悩を知ることになるテレーズ。

そして、テレーズから彼女への思いは友情や敬愛の範疇には収まらなくなる。
それは、キャロルも同じで・・・・・。


物語は、そんなに凝ったものではない。

ゆっくりと、丁寧に二人の関係性が描かれるので、・・・・・ちょっと退屈に感じることもあるのは事実ですが、まぁ、とにかく前述の通り、二人が超絶美人。
その上、美しく再現された1950年前後のアメリカ。

ボォーっと見ているだけでも十分なのですが、二人の微妙な仕草が巧みでね。
ちょっとした動きに、その時その時の心情があらわれている。

特に、目。
キャロルのキツネ目と、テレーズの大きな瞳という、二つの好対照な目。

「目は口程に物を言う」通りにです。


そして、積み重なった二人の交流があるからこそ、最後のシーンにおいて、観客の心を動かすわけでして。


「本年度アカデミー賞最有力!!」
とポスターに書いてあったのも、むべなるかな。

でも・・・・・


『キャロル』の作品賞・監督賞ノミネート漏れ

真相はヤブの中なのだが、ノミネートすらされなかったのね・・・・・。
アカデミー賞の投票権を持つ人間の76%が男性で占められていることが『キャロル』落選の理由だと指摘している。男性のアカデミー会員には男性を求めない女性の心情が理解できなかった
映画の中のキャロルにしろ、テレーズにしろ、異性のパートナーがいるんだよね。
でも、しっくりはいっていない。

特にテレーズの旦那は、仕事人間で、稼ぎもあり、自信家。
自分に従ってくれないだけでなく、男の自分をないがしろにして、女にうつつをぬかす妻を、「当時の」常識人である彼が許せるわけもなく。

まぁなんつーか、映画の設定としては過去なのですが・・・・・・・皮肉ですな。


Ost: Carol
by カエレバ

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