綺麗
時代設定としては、第二次世界大戦から、まだ数年が経過した程度かな?
アメリカの黄金期なり、青春として描かれることの多い時期。
ノスタルジーの対象として、「幸せな時代」として、よく出てくるイメージがありますが。
良くも悪くも、過去というのは現代よりも「単純」だったりします。
価値観は素朴で、常識は不変。
それに従っていれば、不幸になることはない。
だからこそ、懐古したくなるわけでして。
が、一方で、価値観が素朴ということは、裏を返すと、「多様性がない」ということ。
マジョリティには便利な時代だったかもしれませんが、マイノリティーには厳しい。
そんな時代の女性同性愛者を描いたのが、「キャロル」になります。
とにかく、予告編を見て分かるように、主役の二人が綺麗でね。
ケイト・ブランシェットさんが演じる裕福な中年女性「キャロル」は、優雅で美しい。
ルーニー・マーラさんが演じる、デパートの販売員「テレーズ」は、まだまだ若く可愛らしい。
そして、ハリウッドの女優さんなので、二人とも、スタイル完璧。
現実世界において、こんなカップルを目撃したら、目がつぶれてしまいそうだよ・・・・・。
ストーリー
展開自体は、あまり急がず、説明はホドホド、ゆっくりと進んでいきます。
一見、裕福で、なに不自由なく生きているはずのキャロルだけれども、親しくなって、徐々に彼女の苦悩を知ることになるテレーズ。
そして、テレーズから彼女への思いは友情や敬愛の範疇には収まらなくなる。
それは、キャロルも同じで・・・・・。
物語は、そんなに凝ったものではない。
ゆっくりと、丁寧に二人の関係性が描かれるので、・・・・・ちょっと退屈に感じることもあるのは事実ですが、まぁ、とにかく前述の通り、二人が超絶美人。
その上、美しく再現された1950年前後のアメリカ。
ボォーっと見ているだけでも十分なのですが、二人の微妙な仕草が巧みでね。
ちょっとした動きに、その時その時の心情があらわれている。
特に、目。
キャロルのキツネ目と、テレーズの大きな瞳という、二つの好対照な目。
「目は口程に物を言う」通りにです。
そして、積み重なった二人の交流があるからこそ、最後のシーンにおいて、観客の心を動かすわけでして。
「本年度アカデミー賞最有力!!」
とポスターに書いてあったのも、むべなるかな。
でも・・・・・
■『キャロル』の作品賞・監督賞ノミネート漏れ
真相はヤブの中なのだが、ノミネートすらされなかったのね・・・・・。
アカデミー賞の投票権を持つ人間の76%が男性で占められていることが『キャロル』落選の理由だと指摘している。男性のアカデミー会員には男性を求めない女性の心情が理解できなかった映画の中のキャロルにしろ、テレーズにしろ、異性のパートナーがいるんだよね。
でも、しっくりはいっていない。
特にテレーズの旦那は、仕事人間で、稼ぎもあり、自信家。
自分に従ってくれないだけでなく、男の自分をないがしろにして、女にうつつをぬかす妻を、「当時の」常識人である彼が許せるわけもなく。
まぁなんつーか、映画の設定としては過去なのですが・・・・・・・皮肉ですな。
Ost: Carol | ||||
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