2016年1月1日金曜日

ソフィア・コッポラ「lost in translation」



ソフィア・コッポラと言えば、「ゴッド・ファーザー」のフランシス・コッポラ監督の娘。

「ゴッド・ファーザー3」に出演していたことは知っていましたが、「スター・ウォーズ」にも出ているのね。

wikiを見ると、どちらの演技も、酷評されているようですが・・・・・。


「lost in translation」ですが、公開当時は、まぁまぁ話題になっておりました。

フランシス・コッポラ監督の娘の作品・・・・・ということ以外に、日本を舞台にしているというのは、まぁ分かり易いウリですな。

公開は2007年。
ぼちぼち10年近く前の作品になろうとしていますが、未だに内外問わず言及されることがあり、「そんなら」と見てみました。


勝手なイメージとしては、「これが、おしゃれでござい」といった感じの、いけ好かない(?)映画と思っていましたが、・・・・・・まぁ、見た感想としては、「いけ好かない」ほどではなかったです。


以下、ネタバレ。

主人公は、かつて人気俳優だった中年(初老?)男性。
CM撮影の為に来日中。
ぶっちゃけ、お金目当ての仕事。
日本側にしても、彼の過去の名声が欲しいのであって、演技力などを期待しているわけではない。

もう一人の主人公は、若い女性。
大学を出て、結婚したばかり。旦那の仕事に便乗して、日本に来ている。
結婚生活には慣れてしまい、日々を持て余している。
かと言って、自分のやりたいことも見当たらない・・・・・・。


派手さはなく、物語は、淡々と流れていきます。

リアルなのは、二人の孤独。

俳優の男性は、長い結婚生活に倦んでいる。でも破滅的ということはない。
どうやら、奥さんの方は、さほど気にしていないご様子。(パートナーのいる国が早朝であることを調べもせず、FAXを送ってしまう)
だから、旦那が我慢すれば、済む話。

若い女性にしても、旦那が働かないとか、暴力を振るうとか、他に女がいるとか、・・・・そんなことはない。
旦那は、ちゃんと働いており、奥様のことも「それなりに」大事にしている。
だが、仕事が面白くて、妻の孤独に気付く余裕はない。


二人とも、「まぁそんなもんよね」という、日常的な孤独を抱えているわけだが、それが、異国の地にいることで際立ってしまっている。

この「異国の地」として、当時の「日本」は、かっこうだったんだろうなぁ。

ちょっと前どころか、今でも、欧米人が描く日本となると、「寿司」「芸者」「相撲」「富士山」「侍」なんだが、この作品では、先進国だが、欧米とは違った文化を築いている街として、描かれている。

また、言葉が通じても、深い意味をやり取りするほどではないところが、二人の「孤独」を、よりいっそう意識させる効果を生んでいる。


同じ「異国の地」でも、後進国を舞台にしてしまうと、現代的な孤独を抱えた人間が、当地の素朴な人たちと触れ合うことで、現代社会が失ってしまった大事なものを気付かされる・・・・・てな展開になるのだろうけど。


で、「ちょっと前の日本って、こんな感じだったよなー」や、「外国人から見ると、こういう風に、映っているのね」、「今、同じような作品を撮ろうとしたら、上海が舞台になるか?」なんてことをも思いながら、まぁボチボチ、面白くみれました。


それにしても、女性の主人公が、スカーレット・ヨハンソン。

大学の哲学科卒というだけあって、化粧っけのない、地味目の女の子として作品では描かれているわけだが、・・・・・・・・・・・隠れきれない、その美貌。

しかも、超絶ナイスバディ。(女性監督が撮っているので、別段、いやらしくはないのだが)

こんな美女が異国の地で寂しくしていて、その埋め合わせで勝手に近づいてくるのに、間違いがないなんて・・・・・。
そんなわけ、ねーだろ!

と思ってしまうが、ここらへんが女性監督なんだろうなぁ。

そして、最終的には、二人の孤独が解決されたわけではない。

そういうリアルがありつつも、二人でキスをして別れるという、ある種のファンタジーが「程よい」んだろうね。

ロスト・イン・トランスレーション [DVD]
by カエレバ

0 件のコメント:

コメントを投稿