2015年1月6日火曜日

文化系トークラジオ life「文化系大忘年会2014」本編の感想

例年通りの「文化系大忘年会」ということで、今年一年の、出演者陣が印象的だったことを語ってもらう回でした。

なので、話は、いろいろと飛んで飛んで回って回って♪ という感じ。

中でも印象深かったのは、最後の「継承問題」ですかね。

2014年12月28日Part5「文化系大忘年会2014」

今年はディズニーが我が世の春を謳歌している一方で、ジブリの影が薄かったよね・・・・、大丈夫? という認識からの、「宮崎・高畑コンビ」後のジブリは、どうにかなるのだろうか? という問題。

しかし、なにを持って継承とするのか、人それぞれイメージが違うようで、「資産」「ブランド」「屋号」「伝統」「スピリッツ」「著作権」「技術」「売り上げ」「キャラクター」等々、どれを受け継ぐと成功と言えるのだろうか? というので、ちょっとだけ紛糾した感じ。

仮面ライダーを例にだして、「日本でも成功している例があるじゃん」という人もいれば、「いやいや、あれは成功じゃない」「もう限界が来ている」という人も。

解釈が分かれるところでしたが、個人的には、ウルトラマンやゴジラよりも、毎年新作が出ているのは、十分成功しているような気がしますが・・・・・、さて。


とにかく、「ディズニー」が大成功の例。
それを基準にしてしまうと、どうしても日本のコンテンツがかすんでしまうのは、当然。

日本でディズニーに対抗できる個性と言えば、かつては手塚治虫だったのかもしれませんが、やはり、継承はできなかった。

現在、世界で戦えるコンテンツをつくり上げている(いた)ジブリは、今後も、世界を戦場とできるような作品をコンスタンスに創造できるのだろうか? ということなんですが、・・・・・まぁ無理じゃないかな?

小説家の御子息が小説家であることが偶にあるけど、正直、先代と拮抗するレベルの作家って、あんまり思いつかないよね。(すぐに頭に浮かぶのは、福永武彦さんと池澤夏樹さんがいるけど。それくらい?)

歌手にしても、そうだし。(子供の方が有名になると、親がかすんでしまうということもあるけど)


「ハードコアゲーマーでいろよ」という名言を生んだNHKスペシャル「世界ゲーム革命」を見た際に強烈に思わされたことだけれども、アメリカのエンターテイメント界って、「産業」なんだよね。
「面白いものをつくる」ってことに対して、完全に割り切っている。
そこに、「個人の想い」というものは皆無ではないけど、かなり軽視される。

「こっちの方が面白いじゃん!」という意見が大多数を占めると、あっさりと変更されてしまう。

映画なんか顕著で、ハリウッドではラストシーンをいくつか撮影しておいて、試写会において、もっとも感触が良かったものを採用したりする。
実写版「フランダースの犬」なんか、日本では、よく知られている悲劇的な終わり方だけど、アメリカでは「助かっちゃった」というハッピーエンドだそうです。

大ヒットした「アナと雪の女王」だって、脚本は、「あぁでもない、こうでもないと指摘されて、変更されている」という話が、ライフ本編でも紹介されているし。
(ピクサーの作り方は、そうみたいね)

「産業」なんで、それくらい「個人の想い」(作家性)というものは、ないがしろな感じ。


それに比べて、日本の場合は、「個人の創作活動」という面が、ギリギリで容認されている。


現在、日本で大ヒットしている「妖怪ウォッチ」だけど、いろんな業種がタイアップしているのは、皆さんも知っての通り。

ほとんどのものが、「全然関係ねーじゃん」とつっこみを入れたくなります。

なんか、生き急いでる(ここで儲けるだけ、儲けたるがな!)という感じが半端ないです。


知っての通り、「妖怪ウォッチ」の仕掛け人は、レベルファイブの日野さん。

「世界ゲーム革命」でも、日本のクリエーター代表として登場していました。

現在、巷にあふれる妖怪ウォッチの様から分かるように、その手腕はお見事なものです。

それでも、「世界ゲーム革命」での日野さんは(番組の構成上、意識的に対比させられていたこともあって)、日本的に描かれておりました。

つまりは、レベルファイブでのモノづくりは、彼個人の個性に依拠している、という感じに。


日本が未熟というよりは、思想・文化の違いだろうからなー。
なんとも言えないです。

コンスタンスにクオリティの高い作品を生み出そうとすれば万人からのアイデアを募集するほうが効率的なわけで。
しかしながら、平均的な良い子ちゃんの作品しか出てこないという欠点も。

一方で、個人に依拠すると、どうしても「表現の場」という側面が強くなってしまう。
すると、なんだか他人には理解出来ない自慰的作品が生まてしまう一方で、その個性によって独特の、今までにはない作品が生まれる可能性もある・・・・・。


ディズニー作品が、現状においては、ジョン・ラセターという稀有な才能によって、独創性と汎用性のバランスを上手にとっているのは事実。

そう考えると、結局は、たまたま天才がいたから、現在のディズニーの隆盛があるんじゃん? とも、思ってしまうけど、どうですかね~。


まぁ、それは置いておくにしても、ジブリの継承問題。

「アナと雪の女王」はディズニーらしくない作品とも評されることもあるけど、「お姫様」「女王様」「王子様」「魔法」という設定・小道具は、やっぱりディズニーでして。
そういう意味では、やはりディズニーの作品であったわけで。

さて、「ジブリ」らしいって、なんですかね?

うーん。

「宮崎監督と高畑監督が、やりたい放題やる場所」というのが、僕のイメージですね。

これを継承するって、やはり無理な気がする。


仮面ライダーやガンダムというものとは違うからな。

最終的には、虫プロや藤子プロみたいに、著作権の管理がメインになっていくのかね・・・・・。

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