ハリウッドだと、存命の人物やら、まだそれほど年数が経っていない事件について、バンバン映画をつくるイメージがあるけど、邦画はねぇ・・・・。(昔は、もうちょっと挑んでいたように見えるが、さて)
そんな、空気を読む国「日本」にしては珍しく、つい最近(と言っても、もう十年以上前だが)に起きた殺人事件を元にした映画「全員死刑」を見てきました。
(実際の事件は、こんな感じ■wiki 大牟田4人殺害事件)
実録モノとなると、ドキュメンタリーぽく撮ったり、重厚な人間ドラマに落とし込んだりしそうなものだが、とにかく、まぁ、オープニングから制服姿の女子高校生がスカートをまくりあげて下着のアップ、「祝監督作品」の「祝」という文字は、明らかに女性器のマーク、そんな全編通して悪趣味な演出が満載で、フェラ後のイチゴの練乳とか、カラオケ店でのゲロとか、被害者のカマっぽさとか、「それ必要?」というシーンもチラホラだったなぁ。
が、そういう監督の悪戯心も、さんざんに積み重ねられていくと、映画全体に異様な雰囲気をつくりだされるわけで、上映時間98分と、最近にしてはコンパクトなはずなのに、なんかもう、最後は、お腹いっぱいだったよ。
「ブラックジョーク」「スプラッタコメディ」を通り過ぎており、全然笑えないし、爽快感など皆無、演者たちの熱演によって人間存在の有り様について考えさせらえるようなこともなく、社会の歪が生み出した悲劇に胸を打たれるとか憤りを覚えなんてこもなし、一応、主人公の彼女が物語の倫理的な立ち位置を確保しているけど、実話ベースということなので、「こういうのも入れておかないとね」という言い訳程度。
ぶっちゃけ「見世物小屋」的な作品ではあるものの、ここまでやられてしまうと、あっぱれでした。
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