久しぶりに韓国映画を見ましたが、なかなか面白かったです。
映画館等で見た予告編から、「北野監督のアウトレイジみたいな、映画か?」と思っていましたが、そりゃまぁ、分類するとすれば、同じ箱に収まるけど、こっちこっちで、なかなか独特なテイスト。
二つの組織で板挟みというのは、香港映画の「インファナル・アフェア」みたいだけど、やっぱり違う。
ざっくりとしたストーリーは、住宅地の開発で一儲けを企む「市長」と、彼の犯罪を暴こうとする「検察」、その両サイドから「相手の弱みを握れ」と翻弄される主人公の刑事という構図。
どいつもこいつも、基本「クズ」なのだが、・・・・・・・まぁ、やっぱり、パク・ソンベ市長の個性的かつ圧倒的な悪役。
映画のみならず、小説・漫画・ゲーム等々、どこを見回しても、なかなかお目にかかれない、オリジナリティ溢れる悪役です。
多分に「過剰」ではあるものの、・・・・・・役者の力なのか、脚本の妙なのか、監督のさじ加減なのか、なんでかリアリティのある存在感。
映画全体にしても、「過剰」ではあるのだが、妙に説得力がある。
上役のパワハラや、ちょくちょく挟み込まれる暴力、完全に上意下達の組織なんかも、自然に見える。
ここらへんは、未だに徴兵制のあるお国柄が出ているのかな~
主人公もクズなんだけれども、映画「デットプール」と同じで、「愛する人の為に」という大義名分があるから、どうにも憎めない。
でも、ラブシーンを多用してセンチメンタルに陥るようなことはなく、妻への愛も、どこか乾いている。
そういう中で、もう1人、ちょくちょく出てくる女性キャラがいるんだけど、「なんで、こんな男臭い映画で、半端に女性キャラを出す必要がある? リアリティ?」などと思っていたら、ラストで、登場人物のクズっぷりを強調させる為の役目が用意されていて、「ちゃんと考え抜かれている」と感心。
カーチェイスに至るシーンで、主人公が自らの銃に固執する理由が、ちょっと不鮮明だった気がするけど、・・・・・・まぁ、正直、重箱の隅。(二つの組織に挟まれて、最後に頼るものは「銃」になってしまった、・・・・・そして、ラストシーンでの銃撃につながると解釈できるか?)
まぁ、とにかく、ハリウッドでも、香港でも、日本でもお目にかかることのできない、パワーのある映画でした。
*「アシュラ」で検索すると、当然、ジョージ秋山先生の「アシュラ」が出てくるよね・・・・・・。まぁ、これはこれで名作ですからね。
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