怪作
いつかは読みたいと思っていた原作「遠崎史朗」、作画「中島徳博」による「アストロ球団」を、ようやく手にしてみました。
聞きしに勝る怪作でした。
勝てるのは、雁屋哲先生原作の■「野望の王国」くらいかね~。
未読の方に、その「怪」っぷりを語るのは、なかなか難しいのですが、百聞は一見にしかず。
実写化された影像でも、なんとなくは分かると思います。
または、googleの画像検索。(■アストロ球団 - Google 画像検索)
最早・・・・・
一応、ストーリーについて書いておきますと、第二次世界大戦前、来日した大リーガーたちを相手に好勝負をした天才投手「沢村栄治」。
彼は、戦場にて悲劇の死を迎えることになるのだが、その魂は星となり、九人の若者たちに宿ることに。
戦場にて沢村と親しくしていた現地人のシュウロは、日本に来日。
彼の無念を晴らすべく、九人の若者を探すのだったが・・・・・・。
最早、散々にネタにされてしまったので、21世になって、つっこむの野暮ですが・・・・・・。
それにしても、主人公の「宇野球児」が、作品開始早々に「宇野球一」に変名し、同時に「三荻野球一」が「球五」になるという、場当たり的な展開。
九人も登場人物いると、当時のメイン読者である子供には分かり難いという配慮なのだろうが。
しかし、九人集まるのが、最終巻なんだよね・・・・・・。
うーむ。
意味深な描写で、「もしかしたら、彼も沢村栄治の遺志を継ぐものか?」的な描写があった「知念」なんかも、まったく活躍しないで終わってたり、「野球のルールなんか関係ねー」と野球選手が口にしていたり、アメリカへの憎悪で野球をする氏家が大リーグ打倒を目指すアストロ球団にビーンボールを多投とか、監督のシュウロは途中で消えちゃうし・・・・・・やっぱり、ツッコミどころ満載でして。
毎度毎度、負傷者続出。
とてもではないが野球など続けられる状態ではないのだが、「男だろー!」で乗り越えてしまう、お約束展開。
バロン森なんか、最初は卑劣な作戦を駆使するオカマキャラだったのだが、「男だろー!」を繰り返しているうちに、すっかりアストロ球団らしいキャラになってたしなぁ・・・・。
が、これが週刊連載の醍醐味でもあるからね~。
■【田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-】第13話:『アストロ球団』中島徳博とゆずごまラーメン
物語全体を俯瞰することよりも、とにかく「その場その場の盛り上がり」を重視した結果として、「一話完全燃焼」になったんだろうなぁ。
そして、超絶スポーツものとして「キャプテン翼」や「テニスの王子様」、大仰な熱い語りとして「男塾」などに引き継がれていったんですかねー。
アストロ球団 (第1巻) | ||||
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