ジョニー・デップの演技が秀逸だと聞いて、見ました「ブラック・スキャンダル」。
(と言っても、ジョニー・デップの作品は、あんま見たことないんですが・・・・・・)
見終わった感想ですが、評判通り。
ジョニー・デップが、チンピラから成り上がった冷酷なギャングのボスを好演(?)しておりました。
・・・・・・ではあったけど、それ以外は、いまいち、ウリがない、か?
数ヶ月したら、さくっと内容を忘れていそうだなぁ。
以下、ネタバレ。
予告編を見たら分かる通り、ギャング、FBIの捜査官、政治家の三人が、互いに協力して、各々の世界でのし上がっていくというお話し。
と思ったら、政治家は、ほとんど絡んでこない。
むしろ、適当に距離を維持している。
なので、ジョニー・デップが演じるギャングのバルジャーとFBIの捜査官の、共同戦線が物語の骨子になります。(政治家のモデルになった人はご存命ということなので、そこらへん配慮せざる得なかったのか?)
映画が始まると、まずバルジャーのかつての部下の顔が映し出されます。
彼と、もう一人の男の会話から、司法取引の最中であることが、徐々に分かってくる。
そして、かつの部下は、ボスの犯罪を告白、そこから過去のシーンにつながっていく・・・・・。
この流れってのが、冒頭だけでなく、何度も多用されてね。
「なんか、しつこいね。物語の流れを、ぶった切ってない?」と訝っていたけど、よくよく考えると、主人公であるバルジャーからして、FBIへの情報提供者。
で、バルジャーと捜査官の転落も、新聞へのリークから始まり、そして、逃亡の末、逮捕されるラストも匿名の情報提供によってなされているわけで。
つまりは、徹頭徹尾、「密告」で成り立っている映画。
だから、取り調べのシーンが、くどいくらいに登場するんだろうなぁ。
よくあるパターンとしては、この「密告」について、登場人物の一人に、哲学的な含蓄のある考察を述べさせたりするんだけどね。
または、映画の冒頭に、「密告」にまつわる偉人の格言や聖書からの引用がバーンと画面いっぱいに映し出される、とか。
すると、映画全体に深みを及ぼし、見終わった後には、人間の真理を垣間見たような気分になれる・・・・・・。
でも、そういうのは、なかった。
衒学的で、説教臭くもなってしまうから、やりたくなかったのか?
とりたてて揚げ足を取るような箇所もない、よく出来た重厚な作品なんだけれども、もう一歩物足りない感じがしたなぁ。
ジョニー・デップのファンであれば、今までとは違う演技が見れて、面白いのだろうけど。
ブラック・スキャンダル (角川文庫) | ||||
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