「スター・ウォーズ」でテンションがガッツリ上った翌日に、「白い沈黙」を見ました。
(■今年最後の大作「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」)
スティーブン・セガールが出てこないのは分かってましたが、まさか、ここまで重い作品とは。
前情報なしだったので、テンションが、ダダ下がりでした。
で、ストーリー。
余裕はないながらも、娘に恵まれて、妻と三人一緒に、幸せに暮らしていたマシュー。
娘は可愛らしく育ち、熱心にフィギュアスケートに打ち込んでいる。
9歳になる冬、スケート場からの帰りに、父は、娘を車に残して、買い物をする。
その間、車から目を離したのは、わずか数分間。戻ると娘は車中からいなくなっていた。
そして、娘は見つかることなく、夫婦の関係は破綻、警察には不信感が残り、8年が過ぎた。
マシュー夫妻の周りでは、奇妙なことが起こり始めるのであった・・・・・。
物語は、時系列関係なく、時に事件当日、時に現在、時にほんの少し前のシーンになる。
娘がすっかり幼女から少女へ成長(娘は17才という設定なのだろうが、アジア人から見ると、OLでも十分通用する大人っぽさだが。・・・・・調べたら、撮影当時は20才超えているから、当然か。Alexia Fast)している以外、登場人物たちが代わり映えしないので、最初は混乱しました。
が、丁寧に練られてつくられているので、後になって「あぁ、あのシーンは、こういうことだったのか」と分かってくる仕掛け。
見終わってみれば、なるほどねーと全部が綺麗に並びます。
ネタバレ。
娘は誘拐犯から逃げる為に一芝居打つんですが、父に語った最後の日の会話(「細工(トリック)」と「小細工(ギミック)」)って、どういう意味があったんだろう?
てっきり、あの会話に何か深い意味があるように見えたんだけど、・・・・・・別になかったのかな?
誘拐犯は、娘に対して最初は性的な興味を抱いていたが、すっかり成長してしまった今では、そういう対象ではない模様。
現在は、新しい子供を手に入れる為に彼女を便利に使っている。
また、それだけではなく、父親的な感情も持っている様子。
と言っても、とても普通の父性ではない。
娘は、8年という時間を経ても、実の両親に、まだ愛情を抱いている。
そして、実の両親にしても、失踪した娘を諦めていない。
そういう絆に対して、誘拐犯は、嫉妬を抱いているのかな?
だから、敢えて危険を犯してでも、父親に会わせたり、母親の姿を娘に見せつけたりしている。
それは、娘への褒美でありつつ、両親を苦しませることで彼の嫉妬心を満足させてもいる。
そこに、娘は可能性を見い出し、父親との再会の際に、特別な「物語」を傍らに隠れている誘拐犯にも聞かせる。
そして、母親を苦しませる新しい設定として、スケート場での出来事を利用しようと、誘拐犯にそそのかす。
実の両親しか持ち得ない「物語」に嫉妬を覚えている犯人は、まんまと娘の作戦に乗ってしまい、共犯者をスケート場に向かわせる。
そこには、娘からの言葉を思い出して、考え込んでいる父親がいる。
共犯者は、そこで、取材と偽って、「物語」の詳細を聞き取ろとうしていたのだが、これが結局、秘密の暴露になってしまい、父親に気付かれてしまう。
だから、「細工(トリック)」と「小細工(ギミック)」と並べられると、意味深に聞こえるのだが、これ自体には、意味はないのかな?
うーん、どうなんでしょうか。
とりあえず、派手さや仰々しさはなく、大人のサスペンスでした。
全編、「雪、雪、雪」で、さすがカナダの映画、まったく美しくない。
北国の人間からすると、生活に密接したリアルな「雪」です。
この「雪(白)」が、作品全体を重苦しくしており、中だるみもなく、嫌な気分を味わえつつも、映画としては楽しめました。
白い沈黙 [Blu-ray] | ||||
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