さて、この夏一番の話題作と言って過言ではない実写版「進撃の巨人 前編」。
ある批評家の酷評に対して、SNS上にて樋口監督が内々で公開していたものが、外部に漏れて、さぁ大変! ということになったりしました。
でも、
■炎上案件!? 実写版『進撃の巨人』を観にいってみた|ほぼ週刊吉田豪
という記事を読んだりすると、・・・・・・漏洩すること分かって、やってない!? なんて勘繰りたくなりますが。
まぁ、そんなことは、どうでもいいんですよ。
要するに、面白いか! or 面白くないか! が大事。
dead or alive.
で、実際に映画を見ました。
わざわざ、仕事の出張先で。
そして、スクリーンに入ったところ、人がいない。
十分前くらいに入ったんですけどね。
タッチスクリーンで椅子を指定した際には、数人の席が埋まっていたはずなのに・・・・。
こ、こ、これは!?
かつて、大川隆法氏のアニメ映画を招待券で見た時以来の、無観客試合か!?(注:少なくとも俺が見てますので、無観客試合は語弊あり) と思っていたら、開始五分前くらいには、てきとうに人が入ってきました。
一安心。
さて、内容ですが・・・・・・。(以下ネタバレあり)
冒頭では、漫画(アニメ)とは、ちょっと違うけど、実写映画版における壁の中の生活が描かれています。
「おっ、結構、丁寧につくってるじゃん。これは期待できそう」
というのが最初の印象。
「これなら、ネットの酷評は、やり過ぎじゃん?」
と思っていたら、漫画(アニメ)では、感情のないマシーンだけど、主人公のエレンにはベタ惚れという屈折したキャラ設定のミカサが、フェミニスト大激怒(?)の「女」全開のキャラになっていることが判明。
映画の中ほどでは、原作を引き継いだ性格になりますが、・・・・・・・・すっかりエレンへの愛情は冷めたようで。
シキシマというオリジナルキャラに、寝取られているという、ある種の性癖の方には、嬉しい展開。
・・・・・なんか、幼馴染の女性を、野球部の先輩にとられちゃった! く、く、くやし~、みたいな設定だな~
ぐーむ・・・・・。
そして、主人公のエレン。
原作の諫山創先生監修のもとに、変更された性格ということだけど・・・・・・・・・・・・・、いきなり、「俺たちはカゴの中の鳥だ! 自由になりたい!!」てな感じの、尾崎豊調の演説。
ドラマになったデスノートと同じで、「今時の若者に受容しやすいキャラにしよう♪」という狙いがあるのだろうけど。(あと、ビートルズのマッシュルームカットは、流行りなの?)
逆効果なような・・・・・。
まぁ「今時の若者」ではないので、正確なことは言えないのですが。
他の主要キャラであるアルミンですが、実写映画にしろ漫画にしろ冒頭から登場している重要なキャラだけど、・・・・・最後まで、存在意義が分からん立場に追いやられていたな。
特に活躍する場面はなく。(後編では、ある程度、活躍の場があるのかもしれませんが)
他の登場人物にしても、「そんなに、名前のあるキャラは必要ないんじゃないかな~!?」と思わないでも。
特に「アレだな」と思ったのは、オリジナルのシキシマ。
原作のリヴァイ兵長の位置にはいるけど、それとは、ちょっと違う役割と性格。
オリジナルキャラが悪いとは言わないけど、・・・・・・なんだか、アレなキャラになっちまったなぁ。
評論家の町山智浩さんが脚本を担当。
町山さんに詳しいわけではないけど、たまーに、お話を聞く度に、「よーけー、物を知ってるねー。プロはスゴイなー」と思ってまして、こんな人がどんな脚本を書くんだろう!? と、ちょっと期待していたのですが。
評論家・批評家は飽くまでも評論や批評のプロなのであって、実作のプロではないのね・・・・という当たり前のことを再確認させられた結果となってしまいました。
(批評家から出発して、実作でも成功したという例で、とりあえず思いつくのは川端康成くらいか?)
前編の最後の盛り上がり、エレンの巨人化。
原作を読んでいる人間からすると、「あぁ、ここで来たか」と思うけど、原作を知らない人からすると、「えっ、なんで?」って思っただろうなぁ・・・・。伏線とか、まったくなかったし。(気が付かなかっただけ? あったっけ?)
まぁ、原作未読者も、既読者も満足させる作品をつくるのが大変なのは分かるけどね・・・・・。
それにしても、原作の印象的なセリフを、とってつけたように入れてくるのは、「はっ!」となるより、「あぁ・・・・」ってなってしまったよ・・・・・。
原作アリの映画で、失敗してしまう要因としては、
- フックをたくさん用意する
- 原作にはなかった恋愛要素が盛り込まれる
- 話題性づくりのキャステング
- 豪華出演陣
- ハリウッドに負けないCG & 特殊撮影 が売り
最初の「フックをたくさん用意する」に集約されるのでしょうが、
「大作だ!」
↓
「金がかかる!」
↓
「失敗できない!」
↓
「いろんな人の琴線に引っ掛かる仕掛けを用意しておこう!」
↓
「作品中に、フックをばら撒け!!」
という結果として、女性受けも狙って恋愛要素を強化、まったく原作の雰囲気にあっていない俳優や女優がキャステングされたり、または俳優や女優に合わせる為に物語が改変、いろんな人を出しておけばファンが見てくれるに違いないと大物や話題の人が端役で登場したりカメオ出演・・・・・・。
結果、物語は、なんだなボヤボヤに。
物語の展開にしても、「退屈な時間」を恐れるあまり、重要な「タメ」や「凪」を排除、ポンポンとアクシデントやイベントが発生して、「二時間いっぱい、飽きないでしょ?」という製作者の意図とは逆に、全体としては散漫で、盛り上がりに欠けることになるという皮肉。
「ゼロ・グラビティ」くらい思い切ったことが、そうそう出来ないのは分かるし、中学高校生くらいから面白く感じる映画にしよう! とすると、・・・・・まぁねぇ、こういう脚本になっちゃうのかな。
でも、うまく転がせば、世界に通用するコンテンツになっただろうに、もったいないなぁ~。
巨人の不気味さは、よく出来ていたけど。
ただ、個人的にはターミネーターの最新作もいまいちだったように、脚本がアレだと、いくらCGがすごくても、・・・・・・うーん、難しいよね。
それ以外で良かった点としては、。。。。。。水原希子さんと石原さとみさん、どちらも唇が厚くて、なんかエロかったのが良かったです。
進撃の巨人(17) (講談社コミックス) | ||||
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