モノクロに意味はなし
先日、ラジオのSession22のゲストで、長嶋有先生が出ていて、「そう言えば、読んだことなかった」と思って、手にしました。
中編が二編入った「猛スピードで母は」。
デビュー作なのかな? 「サイドカーに犬」と、芥川賞を受賞した「猛スピードで母は」。
どちらも原稿用紙で100枚前後くらい。
集中力のある人なら、一、二時間くらいで読めちゃうような気がします。
個人的には、「サイドカーに犬」の方が、面白かったです。
(「猛スピードで母は」は、ちょっと細かいところですが、いじめの端緒が、ちょっと無理があるような気がしたのは僕だけ? まぁ重箱の隅ですが)
文体は変に凝ったではなく、平易です(安っぽい、という意味ではないです)。
話自体は、ほんのりと明るさがあるけど、決して、ご都合ではないペーソスも配合されていて、「そりゃねーだろ」なんて思うこともなく、「あぁ、こういう人生もあるんだろうね」と感じさせてくれます。
ちょっとした出来事が積み重なり、ラストで集約されていくのは心地よく、上手だなと思いました。
・・・・・・一方で、わざとらしいなと思わないでも。
まぁこりゃ仕方ないところもあるんですけどね。
短いけど、軽すぎず、でも重すぎず、浮ついてないけど、ホワっとするような小説を読みたい、なんて時には、ちょうどいいかな?
猛スピードで母は (文春文庫) | ||||
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