「藍色夏恋」に久しぶりに触れて、他の台湾映画が見たくなり、手にしたのが「あの頃、君を追いかけた」。ニューズウィークで映画評が載っていて、悪くない評価だったのもあります。
(ちなみに、「藍色夏恋」の感想。■魅惑の90分映画「藍色夏恋」)
いやー、身悶えする青春映画でしたよ。
こんな青春送ってないけどさ、やっぱ、それなりに思い出すことはありますな。
内容としては、お馬鹿な主人公と、優等生美少女のラブストーリー。
主人公が、あまりにも勉強しないことに心配した少女が、女王様然としてお節介を焼くという、王道ツンデレですよ。
でも、正直、このヒロイン(陳妍希)が綺麗なんだけど、ちょっと高校生には見えない。
実際、撮影時は二十代後半くらいかな?
大学生のシーン以降は素直に見れるけど、高校生のシーンでは、ちょっと違和感が残る。
もっとも、「幼稚なままの男と、先に成熟してしまった女」が、この映画の重要な要素になっているから、敢えて大人の女性を配したのかもしれないけどね。
他の登場人物に関しても、ちょっと高校生にしては老けているけど、まぁ、高校生、大学生、社会人までを描いているので、ある程度は仕方なし。
若い子が老けたメークすると、もっとうそ臭くなるからね。
それに、けっこう、ぶっ飛んだ設定のキャラばかりなので、若い子に演じさせるのは、難しいだろうし。
キャラの話をすると、主人公とヒロイン以外に登場人物が多いんだんけど、物語ではあんまり活躍しない。
こんなに沢山必要? とくに大学宿舎でのルームメイト。
と、考えてしまいそうになるけど、人生を振り返ると、誰もが個性的な人間たちとの出会いが思い出されるわけでして、ワチャワチャと人間を登場させることで、そういう効果を狙っているのか?
まぁ単純に、製作者が、原作に登場した人物を、端折るのが惜しくなった可能性も高いけど。
ストーリーに関しては、一応「自伝」らしいのですが、登場人物がそうであるように、どこか、ジャパニーズアニメやマンガ的。
作品中でも、はじめの一歩、北斗の拳、スラムダンク、ドラゴンボールが出てくることからも、まぁ作者自身も影響は認めるところかな?
しかし・・・・・・、邦画において漫画原作の青春モノが、今一歩な感が残ってしまうのに対して、こっちは上手くできております。まったく、羨ましいというか残念というか。
(ホットロードの感想 ■能年玲奈主演「ホットロード」を見たわけだが)
でも、一箇所、「そりゃ、ないだろ」と思ったのは、ネタバレなんですが、主人公とヒロインが、別れるシーン。
男らしいところを見せたいと思って、主人公が格闘大会を開くところ。
「えぇ? なに、それ? 台湾では一般的なの? 違うよね?」
マンガの影響?
恋愛映画の中に、ピリッとアクションを入れたかった?
うーむ。
原作は「自伝」ということなので、本当にあったことなの? それなら、それで、アレだが。
起承転結で言えば、「転」に当たる物凄い重要なシーンなのに、あんまりにも突拍子もなかったな・・・・。
幼稚な主人公に、ヒロインが怒るというシーンが欲しいにしても、たとえば、「二人で歩いていたら町の不良に冷やかされて、そこで喧嘩になって」みたいな、もうちょっと現実的な設定もできただろうに。
あぁ、でも、それじゃ、主人公の幼稚さが表現できない? 突拍子もなく、マンガチックだからこそ、主人公のアホさが強調されるわけか。
それにしても、まだ納得できんな・・・・・。
でも、全体としては、しっかりまとまっています。(笑えるけど泣けるというラストが、すごくイイよね~)
原作者が、そのまま監督をしており、さらに、これが映画デビューというのが信じられないよ。
「別れたとは言え、また連絡を取ったらヤラせてくれるんじゃないかな?」と思っている紳士や、「別れたけど、結局、あの人は、まだ私のことが気にかかるのね。でも、ヤラせてあげないけど」と思っている淑女の皆々様には、是非、見て欲しい映画です。
挿入歌
しかし、これ、重要な場面が全部出ちゃっているね・・・・・。
あの頃、君を追いかけた[Blu-ray] | ||||
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