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2017年7月23日日曜日

奇手を放り投げてきた「カーズ/クロスロード」



「カーズ」(無印)は、「いけ好かないルーキーが、ひょんなことから(←便利な表現)田舎町で素朴な人々と出会い、徐々に自分を変えていき、最終的には、登場人物みんなハッピー」という、まぁぶっちゃけ「ありがち」なストーリーではあるが、冒頭の迫力あるレースシーンからしてラストへの伏線を多数配置しているという巧みな筋立て、それでいて決して子供を困惑させるような難解さはなく、でも大人でも満足できるクオリティという、「これぞ、ピクサー!」という傑作でした。

続編の「カーズ2」は、・・・・・うむ、まぁ、前作(無印)でキャラが成立してしまったから、彼らが動いているだけで、適当に楽しめることは楽しめるのだが、凡作で終わってしまったというのが、一般的な評価ではないでしょうか?

で、最新作「カーズ/クロスロード」(原題は「cars3」。なんで、邦題は、ナンバリングを外したの?)


「カーズ2」では、いささか強引にスパイ映画を練り込むという荒業で、作品としては「イマイチ」に堕してしまったものの、逆に言うと、「カーズ」プラス「なんか」という方法によって、いくらでも作品がつくれてしまうということを立証してしまったわけなのだが、今作は、初心に戻って、レースがメイン。

しかも、アニメなんだから、別に年を取らなくても大丈夫なんだけど、今作は、「ルーキー」時代を描く無印とは鮮やかな対比となる、競技人生における「晩年」となっている。

「これやっちゃうと、シリーズ終わりになっちゃうよなぁ~。けっこう背水の陣だなぁ」という感じ。(まぁ、今時、「カーズ0」とか、しれっと、「カーズ1」と「カーズ2」の間に起こった「知られざる物語」とか、いくらでもつくれるけどね)


で、まぁ、「カーズ/クロスロード」。
冒頭では、「好敵手」(「とも」と読む)たちとの切磋琢磨とイチャイチャな「油の乗り切った」幸せな状態からの、「新生代の登場」で、徐々に時代に取り残されていく悲哀という山の頂上からのズドンと谷底という流れは、ホントっ、上手ね~。

主人公のマックイーンは、ケガから復帰したものの、最早、若駒のような体ではないことは自覚しており、一応、現役続行・レースには出るつもりだが、さて、どうしたものか・・・・・と、老いた「もがき」が始まり、そこで出会うのがトレーナーのクルーズ。

彼女からの現代的な指導に、反発する老人マックイーンという、お約束のシーンがあって、結局、和解というのも定番のオチ。

なんだかんだで、彼女の方針を受け入れるのかと思ったら、「それはなし」。

その理由が・・・・・、なんかイマイチ説明されていないような気がしたけど、そう思うのは、僕だけ?

で、新しい訓練や戦法のヒントを得ようとして、マックイーンのお師匠であるドッグ・ハドソンの、かつてのクルーチーフを探しに行くというのが・・・・・、「ここで、新キャラ?」と、唐突感は否めなかったなぁ。


まぁ、そんな感じで、ちょっと気になる箇所もないわけではなかったけど、それなりに楽しくは見れていました。

そして、最終決戦。

予想としては、

・善戦するものの、勝てない
・体は動かないものの、ベテランらしいテクニックを駆使して、ルーキーを打ち負かす

という二パターンを頭に描いておりましたが・・・・・・・。


マックイーンのパートナーであるトレーナーのクルーズ。

これが、非常な重要な役どころ。
肝。
(結果としては、「カーズ4」へ橋渡しとなる重要なキャラなんだけれども・・・・・)
「スター・ウォーズ」の「ジャー・ジャー・ビンクス」のような「失敗」ではないものの(僕個人としては、ジャー・ジャー・ビンクスを、そんなに、うざいとは思わなかったが)、特別、魅力もないなぁ・・・・・。

「カーズ」のキャラと言えば、一癖も二癖もあるけど、「悪い車(人)ではない」というのが定番だけど、クルーズって、普通の車(人)だよね? ・・・・・うーん。


だから、全然、気にならない。感情移入ができない。すっかり心の埒外。
そこからの、終盤におけるマックイーンの決意で、彼女がメインに持ち上げられるのだから、

( ゚д゚)ポカーン

でしたよ。

振り返ってみれば、ちゃんと伏線が用意されていたわけで、また、アスリートとしては、敬愛する師匠の魂を自らを経由して才能ある若者に継承してもらうというのは、最高に幸せなことなんだろうけど、それにしても、「えっ、こいつなの? しかも、このタイミング?」と戸惑ってしまった。

「カーズ」では、予想外の事態に直面すると、登場人物たちの顔の表情が停まってしまうという演出が多用されるけど、まぁ、ズバリ、そんな感じでした。


「観客の予想を裏切ってやりたい」という作り手の意図は成功したとは思うが、これは、作品としてはは、どうなんだろう・・・・・。(後、玩具メーカー的には、頭を抱えたいだろうなぁ)

翻ってみれば、最初の無印も、「勝利以外の重要なモノを手に入れた」というラストだったわけで、その流れからすれば、まぁ妥当ではあるのだが、うーん。

僕個人としては、ボロボロになっても最後の最後までマックイーンには戦って欲しかったねぇ・・・・・。


以上、そんな感じでした。

おまけの感想としては、マックイーンは、サリーをいつまで待たせるのかね?

by カエレバ


2017年4月13日木曜日

神山健治監督「ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜」



「ひるね姫」、見てきました。

なんか、変わった作品でした。

ストーリーを簡単に説明するのは、難しいタイプ。

幼い頃に母を亡くした少女が、いろいろな事件があって、「知らないワタシの物語」である、真相を知るというのがメインです。

ここまで省略してしまうと、「ありがちなお話」。
主人公にしても、お胸の強調や「萌え」要素はないですが、ミニのスカートを履いているのに、なぜかパンツは絶対に見えない制服姿の高校生という、定番アニメ少女ですし。


で、この主人公は、昨今のアニメらしく、2つの世界を行き来します。(「君の名は。」と同じですな。ついでに言えば、丁寧に田舎を描こうとしているのも、流行りなんでしょうか?)

現実ではない、もう一つの世界では、神山健治監督らしい個性が発揮。

魔法が存在する西洋風ファンタジーだけど、巨大な二足歩行ロボットもいるけど、テクノロジーのレベルは、1900年代前半くらいかな? とうい独特な世界観。
いろんな物をごった煮するのは、最近の映画の特徴ですからねー。


で、ネタバレ。

徐々に、この異世界が、母と祖父の確執から生まれたことが明かされる。
主人公の祖父は、日本を代表する自動車会社の創始者で、娘は、かつては、その会社を継承することを志していた。

しかし、「自動車の自動運転」への考え方の相違から、二人は袂を分かつ。


「自動車の自動運転」。
世界を大きく変えるであろう技術革新であることは間違いないわけで、物語に大きく関わっているのだから、もっと深掘りしても良かった気がするけどなぁ。

単に「こんな未来が待っているよね!」という近未来を観客に提示するアイテムであり、父親にとっては得体の知れない新技術&娘にとっては未来へのパスポートという世代間ギャップを顕著にする設定で終わっているのが、・・・・・うーむ。

攻殻の神山監督なら、もっと意味深なメッセージを込めることも出来た気もするんだけどねぇ。

まぁ、あんまり小難しくしたくなかったという配慮なのか?

そもそも、冒頭の「西洋風魔法ファンタジー」シーンなんか、子供向けを目指した感はあるよなぁ。

・・・・・・・なんだけれども、ラストの巨大ロボットの戦闘シーンは、ある程度の年齢のオタク向けで、・・・・・このごった煮は、うまくいったのかな? どうなんだ?


ごった煮と言えば、父娘の物語だと思ったら、父と母や、母と祖父に焦点が移ったりで。
「家族の物語」ということなのだろうけど、途中、幼馴染の大学生がサポートに入ってきて、良いんだか悪いんだか。


そもそも、「知らないワタシの物語」=「家族史」の解明に主眼が置かれているせいで、「主人公の成長は、ほぼなし」というのが、なんか物足りないような、神山監督の作風のような。(「東のエデン」も謎解きがメインで、登場人物の成長は、あんまなかったような気がするなぁ)

この物語「ひるね姫」の主人公って、特別、「不幸」を感じていない。
現状に満足している。

登場人物の現況を説明する冒頭のシーンでは、高三にしては、えらーく仲の良い父娘関係が描かれています。

亡き母の代わりに朝ごはんをつくり、父親との旅行を希望し、オヤジの友達たちとも仲良し・・・・・・、まぁ父子家庭だから「不幸」という描き方もどうかと思うので、「父娘二人で楽しくやっています」というのも、ある程度「正論」なのだが。

以降も、娘から父親への信頼は、絶対に揺らぐことがない。

この安定した関係というのは、現実であれば理想の親子像ではあるが、物語を平板にしてしまっている弊害でもあるわけで。

そんな、ハードにもソフトにも成りきれなかったけど、中道でもない不思議な作品でした。


by カエレバ

2016年1月2日土曜日

「機動戦士ガンダム サンダーボルト 第1話」


最近の「カトキハジメ」調のスマートなガンダムではなく、元祖・大河原邦男の無骨なデザインを継承するかのような(またはプラモ狂四郎的な)モビルスーツが飛び交う、「機動戦士ガンダム サンダーボルト」。

「アニメ化される」と聞いて、オリジンがあるのに、同時に一年戦争モノをやるんだと、ちょっと不思議でした。

さらに、訝しいのは、長さ。
18分。

次回以降も、同程度の長さのようです。全四話で、合計一時間くらいになるのかな?

サンダーボルト宙域での戦いを描いた1巻から4巻なら、ちょうど二時間くらいの映画になりそうな話に思えるのだが・・・・・・。


ネット配信を主眼においた実験的な売り方を試す結果として、値段ワンコイン(税込み540円だが)と、それに応じた尺、ということなのか? と想像しますが、さて。

または、タブレットやスマホ視聴を想定しているから、18分ということもあるのかな?

いずれにしろ、オッサンからすると、ちょっとお値段が高くなってもいいから、三十分×四本にして欲しかったですが。
好評なら、全部まとめて、さらに新規の描き下ろしで、映画館公開も考えているのか?


さて、動画の出来ですが、最近のガンダムらしく、隙のないつくり。
音楽は、著名なジャズ奏者の菊地成孔さんだし。

しかし、18分なのでね。
中だるみがない、と言えば聞こえが良いのだが、戦闘シーンがメインで、物語に「ため」「凪」「谷間」といったものはない。

他の3話も同じようなつくりなんだろうなぁ。
なんか、短い戦闘が繰り返されるって、まるでソシャゲみたいね。

それが良いのか、悪いのか。

やっぱり、タブレット&スマホ視聴意識した結果としての、クライマックスてんこ盛りの作品になった(なる)のかね~。


機動戦士ガンダム サンダーボルト 第1話(セル版)
by カエレバ

2015年11月22日日曜日

細田守監督「バケモノの子」感想



遅ればせながら、「バケモノの子」を見てきました。

うーん、ん?


前作「おおかみこどもの雨と雪」は、現代ファンタジーだけれども、「子離れ」「母子家庭」「Iターン」などなど、見る人によって、多くの感想を持つような奥行きのある作品でした。

が、一方で、「子供が見るのは、ちょっとツライか?」と思わないでも。


で、今作「バケモノの子」ですが、・・・・・・子供には、いいかもね。
でも、大人には、ちょっと物足りないか?


登場人物たちが、他人や自分の「立場」や「心情」を、安易に説明するんだよね。

まぁ、「アニメなんだから子供に見せないと」 → 「子供でも分かり易く」という配慮なんだろうけど・・・・・。



ストーリーですが、母子家庭の蓮は、優しい母を交通事故で亡くしてしまう。
母の実家に引き取られることになるが、祖父母たちの心ない言動に傷ついた&腹を立てた蓮は、家を飛び出してしまう。

そこで、異界から訪れていたバケモノの「熊徹」と遭遇。
警察に負われた蓮は、彼を追ってバケモノの世界に逃げ込んでしまう。

なんだかんだありつつも、孤独だった熊徹と、同じく孤独だった蓮は、一緒に暮らしていくことになる。

傷ついた同世代の異性同士であれば恋人同士、同世代の同性同士なら友人。(最近は、同性同士でも恋人になったりしますが)
年齢差がある異性・同性ならば、擬似的な親子関係になるというのは、物語のお約束。

で、それを象徴するように、蓮は、熊徹から新しい名前「九太」を授かる。

「名付けの親」と言われるくらいでして、これによって、「蓮」改め「九太」は、バケモノの世界で、新しい居場所を見つけたのであった。


オーソドックスな展開ではありながらも、テンポの良い流れで、特別に引っかかるところはなかったのですが・・・・・・・・、中盤から、「ん?」て感じでした。


徐々にネタバレです。


熊徹と九太は、「バケモノの子」というタイトルからも分かるように、血は繋がっていないし、同じ生物ですらないけど、親子の関係となっていく。

でも、九太は17才になったある日、偶然、人間界に戻ってしまう。

まぁ、大人になって、自己のルーツに興味がわいてくるのは普通でしょう。

そして、勉強に目覚めて、大学を受験することまでも考えるよになる。


「ん?」と違和感を覚えたのは、僕だけ?(僕に、親の経験がないから?)

「バケモノの世界」でも本があるようなので、学問もあるでしょう。

バケモノの世界には興味はない。
でも、人間界の勉強には惹かれる。

・・・・・・・なんか、どうしてそうなるのか、よく分からんかったなぁ。


「バケモノの世界」というのが、「幼年期」「少年期」のメタファーであり、そこは父親(熊徹)の庇護の世界。
だから、青年期への移行で、「バケモノの世界」から抜け出ようとしている。

というのは、分からんでもないです。

が、その結果として、実の父親の元に転がり込むってのは、どうなの?


是枝監督「そして父になる」では、「親子関係というのは血では決まらない」という現代的な物語であったけど。
細田監督としても、別に、「親子というのは血で決まる」なんて言ってはいないけど、「バケモノの子」の流れでは、そうなっちゃうよなぁ・・・・・・。


そもそも、バケモノの世界では、最初は苦労したが、熊徹とは信頼関係も出来、友達もいる。
武術では、熊徹の一番弟子として、一目置かれてもいる。

九太には、ちゃんと居場所がある。

「それなのに、なんで、人間界に、そんなに興味があるのか?」という疑問は拭えないねぇ~。


まぁ、前述のように、大人になって、自らのルーツ(人間界)に興味を抱くのは、決して不自然ではない。

そして、人間界のことを知ろうと思えば、大学に行くのが最良。(←この前提自体が、ちょっと無理筋な感じがするが)
大学を受験しようと思ったら、戸籍や住民票が必要。
そしたら、血のつながった親に手助けしてもらうのは、まったく理に適っている。

だから、別に熊徹や、育ててもらったコミュニティ(バケモノの世界)を裏切ったわけではない、・・・・ということなの?


うーん、そう考えることは出来るけど、個人的には、納得できんなぁ。


邪推するに、細田守監督が(自分の)子供に「遊んでばっかりじゃなくて、ちゃんと勉強しろよ」ということを伝えておきたいが為に、受験勉強のシーンが生まれたんじゃないの? と思ってしまいますが、さて。


で、人間世界で出会う楓についても、正直、「必要?」と思わないでも。
(クラスでは孤立して、親とは上手くいってない美少女というお約束。彼女も、孤独なわけでして、蓮と引かれ合うのもお約束)

まぁね。

親元を巣立って、パートーナーを見つけ、新しい家族をつくるというのは「健全な物語」。

そして、アニメだし。
男の子の主人公には、かわいらしい女の子がいないと、ね。

とは理解しつつも、彼女の登場で、「結局、九太は色香に惑わされて、育ての親と自分も見守ってくれたコミュニティを捨てるの?」と意地悪な感想が頭に浮かんでしまったなぁ・・・・。


さらに疑問符なのは、この子が、ラスト戦闘シーンで、「隠れていろ」と主人公から命令されても、離れないんだよね。

「お前、なにできるんだよ?」と思って見ていたら、モンスターと化した蓮のライバルに向かって、口先だけで立ち向かっていく。

いいじゃん、お約束だよ、お約束。
これで、盛り上がるんだよ! ということなのだろうが、・・・・・・・うーむ。 


ラスト。
九太は、「剣を捨てた」とされている。
熊徹から習った武術は止めたんでしょう。

うーん。

そりゃ、子が親の仕事を継ぐ必要はないわけでして。

肝心なのは心(魂)であって、それは、熊徹から九太に、ちゃんと継承されている。
だから、最終的には、真の親子関係を結べた、という大団円なんだが・・・・・・。


その結果として、自分を迫害した人間界(実の父親)に戻っていくというのは、うーん、なんだか。

まぁ人間界から逃げてきたのだから、ちゃんと大人になって、再度挑むというのは、健全な気もしつつ、「なんで、バケモノの世界を捨てる必要があるの?」と、どうしても腑に落ちないなぁ・・・・。(田舎から東京に就職した人のように、ちょくちょくは顔を出しに戻るんでしょうけども)


「おおかみこどもの雨と雪」では、最終的に子供が狼の世界へ旅立ってしまうという予想外の展開に、「ん!」と膝を打つものがありましたが、今作の「バケモノの子」における最終的には子供が故郷を捨てるという予想外の展開には、「ん?」と腕組みして小首を傾げてしまった、という感じでした。


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2015年11月1日日曜日

「ガンダムTHE ORIGIN II 哀しみのアルテイシア」の先行配信が始まる



早いもので、もう「THE ORIGIN」の続編が出ましたね。

早速、鑑賞。

綺麗に動くね~。

以前の感想。
■「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 1 青い瞳のキャスバル」の先行配信を見る

安彦良和さんの漫画を読んでいるんで、ストーリーはだいたい覚えている。
だから、悪い意味でも良い意味でも、驚きはなく。

強いて言うと、池田秀一さんの声は相変わらずカッコイイのだが、少年期を演じるのは無理があるかな、と、ちょっと思ったり。
幼年期なら仕方ないにしても、後年のシャア・アズナブル的な片鱗が見える少年時代には、やはり池田秀一さんの声を当てるしかないわけで、まぁ、仕方ないですな。


で、「後年のシャア・アズナブル的な片鱗」ですが、マザコン、シスコン、ファザコンが、どうしてつくられていったのか、改めて、よく分かる筋立てでした。

最終的には、アムロにもコンプレックスを抱いていたわけで、シャア・アズナブルとは、コンプレックスの複合体(コンプレックス)なんだな・・・・。


「ガンダムUC」のフル・フロンタルが、なんか物足りないな、と感じたのは、「これか!」と、思わないでも。(フル・フロンタルは、自分を「器」と言っているんだから、コンプレックスなんか、ないのだろうが)

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2015年8月9日日曜日

劇場版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」



実写版が控えている「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」ですが・・・・・、映画じゃないのね。

スペシャルドラマか。
二時間で、どう収めるのかな・・・・。

実写版が発表されてると、「世界観が壊れる!」とファンから強烈な否定をくらうのが、毎度のパターン。
が、「あの花」に関しては、とりあえず見た目がまぁまぁ悪くなかったので、珍しく、ネット上では拒否反応が少なかったように見えますが、・・・・・さて、うまく、まとめられるのかな?


まぁ、それはともかく。

放送されたアニメが好評でつくられた劇場版。

今更ながら見てみました。


うん、まぁ、ファンディスクね。

テレビで放映された本編を見ていないと、分からん内容だろうなぁ~。

テレビ版で、すっかり完成しているから、「総集編プラスα」という形式でつくるしかなかったから、仕方ないでしょうね。


で、まぁ、本放送でも気になったのですが、やっぱり劇場版でも気になる点がありまして・・・・。


何度なく「うーん」と思わされたのは、「なんで、めんまは成仏する必要があるの?」ということ。

だって、主人公の「じんたん」からすると、「めんま」とは意思疎通も、触ることも可能。

まぁ下世話だけど、性交も出来るってことでして。

実際、幽霊のめんまからの(意図せぬ)攻撃で、「じんたん」が昇天してしまったシーンが描かれている。

「めんま」が死んだ時のままで、小学生の姿というのであれば、いくら触れることができても、性交は、ちょっと・・・・・となるけど、彼女の姿は、ちゃんと「じんたん」と同じく成長している。

こんな便利なオナペット(ラブドール)を手放す必要が、どこにあるんだ? という、ひどい考え方も十分に成立するわけです。


が、製作者も、そこらへんは理解していたようで、「輪廻転生」という概念を取り入れることで、「みんなと、ちゃんと意思疎通をする為には、成仏しなくてはいけない」という流れに持っていきます。

この、「輪廻転生」を、「めんま」が口にしたのでは、「いや、その担保(証拠、ソース)は?」となるのですが、うまーく、はぐらかしているのは、「じんたん」のお母さんが話しているわけでして。

じゃぁ、「じんたん」の母親は、なにを証拠に「輪廻転生は、ありです!」と主張しているかと言うと、・・・・別にないよね?


まぁーねー。
触れることの出来る幽霊として「めんま」が存在している以上は、彼女が、「輪廻転生は、あるんです」と言ったら(信じたら)、あるんだよね。


でも、本編でも映画でも、母親が輪廻転生した証拠を探すわけでもなく。

そして、「私、生まれ変わる!」と言って成仏した「めんま」を、超平和バスターズの面々は、探すことはしないのね・・・・・・。


「輪廻転生」を「優しい嘘」として、登場人物たちが取り扱っているなら、「まぁ仕方ないかぁ」とも思うけど、一応、信じているっポイ。


まあまあ・・・・・、「スタンド・バイ・ミー」を、日本のアニメの味付きでつくりました! という点が、この物語の売りですから。

あんまり、そこらへんを気にしても無粋ではありますが。

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2015年7月23日木曜日

虚淵玄氏脚本「楽園追放」


「まどマギ」で一気に知名度を上げた虚淵玄氏。

先日、小学校五年生が、「これ、キュウベイだ」とネコのイラストを見て指差しており、「えっ、小学生でも、知っているの!?」と驚かされました。

もっとも、僕自身も、まどマギを見てないのに、キュウベイだと分かるのだから、それほどのヒット作だった証拠なんでしょうね・・・・・。


で、虚淵玄氏の作品は、いまだに見たことが見たことがなかったので、どこかで見てみたいな、と思っておりました。
ちょっと暇があったので、「楽園追放」を見た感想。


うーむ・・・・・・。

けっこうベタね。

エリート女性捜査官(?)と、不良エージェント。

二人のデコボトコンビが、人類へ楽園を提供するディーバへ攻撃を仕掛ける敵への捜索を開始する。
最早、住む価値を失った地球で生きているエージェントを理解できない女性捜査官だが、徐々に、優秀な彼が、地球に残って生きている意味を理解していく。
そして、その理解が深まると同時に、ディーバに攻撃を仕掛ける敵が、単純な人類な的ではないことが分かってくるのでのであった。

・・・・・という、まぁ、設定にしても、物語の展開にしても、お約束。


主人公の女性捜査官・アンジェラ・バルザックが、そもそも、こんな感じ。

■楽園追放 グーグル画層検索

おっぱいボイーン、おしりプリプリ、でも幼い顔立ち。
コスチュームにしても、無駄に体にぴったり。

で、おっぱいが事ある毎に揺れる、揺れる。
ケツからのアングルも多くて、サービスサービスぅ。

まぁねー、客が求めているものを、そのまま提供するのはプロの仕事だとは分かるんだけどね。


主人公のバディとなるディンゴにしても、タフガイで、いい加減、だけど、頼りがいがあって、ちょっと優しい。

分かり易いキャラだな・・・・・。


いや、まぁ、それでいんだろうけどね。

それにしても、「どっかで見たことあるな」という感じが終始拭えない映画だったよ・・・・・・。


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2015年6月28日日曜日

「パンチライン」が終わったね・・・・



「四月は君の嘘」を録画していた流れで、録れていたと思われる「パンチライン」。

キャッチコピーは「パンツを見たら人類滅亡!?」。

もう、それに食い付くような年でもなく。
なんとなく、HDDに眠ったままになっていましたが、暇なときに、第一話を見てました。

ある層に媚びたキャラの造形と設定だね~(←別に、それが悪いわけではない)
ロリ体型の天才、引きこもり綾波タイプ、ほのぼの天然お姉さんキャラ、いかにも「良い子」なメインヒロイン(で、さらにアイドルをやっているという設定だが、これ意味あるの? 流行りだから、のっけとけ? 今後のスピンオフやらCD販売の為?)。

しょこたん❤でんぱ組の歌うオープニング曲「PUNCH LINE!」からして、



もう、なにがなんだかな歌詞だよ。

で、ストーリーにしても、「説明が多いな~。展開も突拍子もないし」と思いながらも、ダラダラとHDDに空きをつくる為にダラダラと見ておりました。


でも、見続けているうちに、面白くなってきました。(以下ネタバレ)

ほぼ古来館というアパート限定で物語は展開してまして、演劇の舞台を見ているような感じ。

一旦は世界を救うことに失敗するけど、一回目の情報を元にして、二回目に挑むという展開も面白かったです。
(この一回目の失敗を元にして、今後の展開を予想しつつ、限定されたアパートという世界で活動するという枠組みが、あるエロゲーを思い起こさせましたが、皆様のハートには、何が残りましたか?)


まぁ、強引ではあったけどね。

主人公が古来館に住む理由ってのが、姉が海外留学って。そんな偶然で、いいんかい。(なにかの伏線かと思ったら、別に、なにもなし。それとも今後ゲーム発売されるということだから、そっちで明かされるのか?)

グリーゼの嘘に気がつくのは、たまたまやっていたテレビだったな~。

幽霊になっていた時は、都合よくクリスマスが飛んじゃうし。

チラ之助って、結局、なんだったの?

主人公にしても、ヒロインにしても、子供の頃に濃密な時間を共有しているのに、成長して出会ったら、まったく気が付かないなんて。(FF8か!)


自分が理解できていない箇所もあるだろうけど、それでも、やっぱりツッコミどころも多いだろうなぁ。

が、まぁ、そういうのを気にしない(または笑い飛ばす)で見るのが正解だと思います。
ある程度、強引に乗り切ってしまうところが、アニメのいいところ、ということで。


最終的には、各々の能力を活かして世界を救いつつ、自らのトラウマから解放されるというラストのバトルも、有りがちだけど、綺麗につながっていました。

独特の色使いも綺麗で、音楽は小室哲哉氏、多少お約束ながらも、謎解き、友情&勝利のバトル、恋愛、ギャグと、もりだくさん。

ただ、「お色気」なぁ・・・・。

まぁ、あった方がいいのは分かるけど、ここまでマニアに媚びたようなお色気になってしまうと、せっかく面白く出来ていても、一般人やら女性層を逃してしまっているような気がするのは、僕だけなのかな~?


「パンチライン」オリジナルサウンドトラック
by カエレバ

2015年5月19日火曜日

新川直司「四月は君の嘘 11」の感想

最終巻「四月は君の嘘」。


アニメも録画して見ておりました。

正直なところ、アニメの最終回間際が、ひどく、せわしないと感じて、「マンガ(原作)とは違うのかな?」と思ってました。

が、ようやく単行本化したマンガを読んだのですが・・・・・、アニメはマンガそのまんま。
原作を尊重した結果として、あぁなったのね。

ふーむ。


もうちょっと連載を伸ばすのかな? という予感がありましたが、けっこう、あっさり終わりましたね。
(かをりが亡くなるのは仕方ないにしても、傷心を引きずったままの第二部高校編や青年編があるのかな? と、ちょっと思ってた)

いろんな理由があって連載を引き伸ばし、結果、「最後はアレだったね」というマンガも多いので、ほどよい終わりだったと思います。(それでも、相座凪のエピソードは、連載を伸ばそうとした結果のようにも感じますが)


ただ、最後のネタばらしが・・・・・・。

僕は、てっきり、ヒロインの宮園かをりは、転校生という設定だと思ってた。

中学一年から同じ学校に通っているのに、三年になって、突然知り合うって、ちょいっと無理があるよね。


「もう自分に残された時間は短い」と覚悟しているのが、宮園かをりの行動原理なわけで。

すると、どうしても「学校には、ほとんど来ていない(かなり、あぶない病状)」という設定にする必要がある。

だから、最後の手紙での、「ほとんど中学に行けなかったな」という告白につながるのは分かる。

でも、三年になって顔見知りになり、それから、突然学校に来なくなった「かをり」に対して、登場人物たちは、あまりにも情報収集がお粗末だな・・・・。

一、二年で彼女と同じクラスに所属していた生徒に聞けば、ほとんど登校出来ていない過去を知るのは、容易。

とすれば、かなりの病気を患っているということは、直ぐに推測できる訳でして。

まして、有馬公生は、かをりに惚れているっていうのに、彼女のことを、まったく知ろうともしないって、あんたねー。


まぁ、物語を盛り上げる為に仕方ないとは思いつつも、「かをりの病状が悪化して、専門病院の近くの中学校に転校してきたら、そこに憧れていた有馬公生がいた」という設定の方が、無難な気がするけど・・・・・・。


もう一つ納得できなったのは、主人公・有馬公生の日常。

母が死んだのは、いいとしよう。(と言うか、物語の根幹)
でも、「父」は、どうした?

確か、船乗りという設定で、有馬公生が「放任主義ですから」みたいなことを述べていたはずだが・・・・・・、おいおい。

母親が死んでショックを受けている(未成年の)息子を放おっておいて、海外で仕事って。

うーむ。

あまりにも無責任。
せめて、主人公が高校生というのであれば、「仕方ねーか」とも思えるけど。

中学生じゃねー。そりゃ、ちょっと無理がない?
(語られないだけで、頻繁に家に帰ってきているのかもしれないが)


いっそ、離婚しているという設定にしてしまうことも可能だったろうけど、すると、「母親が死んで、中学生が一人で暮らしている」というのでは、それは現実としては、ないわけで。

だから、父親はいることにしないといけない、けれども、主人公・有馬公生の孤独を際立たせる為には、存在感を極力消さなくてはいけない。(「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」でも、父親は、基本、影が薄かったね)

このジレンマの結果として、外(外国)に出たまま帰ってこないという設定になったのだろうが・・・・・・。

普通に考えたら、傷心の息子を、そこまで放任するというのは、なにか特別な理由があるのではないかと勘ぐってしまうよね。(子供が憎いとか、父は父で妻を亡くした傷を負っているとか)


まぁ、物語を盛り上げる、かつシンプルにする為の「嘘」というのは、分かるけどね。
ちょいっと気になってしまいました。


まぁそういう穴なんて、見つけようと思えば、いくらだって見つかるものです。
そこらへんは、フィクションですから、と多少割り切らないと。


むしろ、一巻を読み直してみたら、最終巻を読んだから分かる伏線が、しっかりと張ってあります。

連載の当初から、最終回を見据えて、いたんだなーと感心。
物語が短命で終わったり、冗長になりがちなマンガとしては、綺麗に終わっているのは見事。


実写にし易い内容だとは思うけど・・・・・・、さて、どうかな?


■新川直司「四月は君の嘘」を、1巻から5巻までの感想
■新川直司「四月は君の嘘」を、6巻から9巻までの感想
■新川直司「四月は君の嘘(10)」の感想

DVD付き 四月は君の嘘(11)限定版<完> (講談社キャラクターズA)
by カエレバ

2015年3月9日月曜日

「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 1 青い瞳のキャスバル」の先行配信を見る



「ガンダムUC」の成功で、「やっぱり金を出すのは、オッサンだな」という認識に至ったに違いないバンダイビジュアル(勝手な推測)。

で、「ガンダムUC」が、「ファーストガンダム」から「Z」「ZZ」「逆襲のシャア」と続く作品の総決算であり、それがヒットの勝因だとすれば、今度は、「ファースト」の前章を描くことで、一発当ててやろうとしたのでしょう(勝手な推測)。


漫画版オリジンの作者である安彦良和氏が総監督で、「0083」の今西隆志氏が監督。

キャラとストーリーのバランスは前者で、バトルシーンは後者が保証といった感じ。


冒頭の戦闘シーンがyoutubeに上がってます。

映像化された中では、もっとも初期の時代のはずなのに、その動きはとてもモビルスーツ戦が始まったばかりとは思えない流麗さなのは、なんとも言えない皮肉でございます。

まぁ出来が良いのにケチをつけても始まらないのですが。


さて、ストーリーは、シャアの父であるジオン・ダイクンの急死から始まります。
急激に状況の悪化する、残されたダイクン一家。
ザビ家からの圧迫に耐えられなくなり、シャアとセイラが生まれ故郷から脱するまでのお話。

その中で、後にファーストで活躍するキャラが、若かりし姿で、数多登場。


で、まぁ、巧みなのが、後にホワイトベースと死闘を演じることになるランバ・ラルやハモンが、セイラを救っているわけですな。
運命の皮肉を、演出している。

また、サスロ・ザビの死を巡る、ギレンとキシリアの微妙な確執は、後の二人の対立を想起させ、ジオン・ダイクンの狂気あふれる姿は、「逆襲のシャア」での息子・シャアの凶行に通じるわけでして。

UCもそうだったけど、・・・・・・ことごとくオッサン向けね~。
まぁ、今時、大金を出してくれるのが、(オタクの)オッサンだから仕方ないし、それを喜んで見ているのが自分なんだが。


安彦良和氏らしいユーモアを残しながら、緊迫感のある戦闘、非情な人間ドラマを、安彦良和氏のタッチで丁寧に描いているので、まぁ従来のファンであれば、十分に満足。

ただ、ご新規さんには、どうしても敷居が高いよね。
ある程度、予備知識があるから、「あぁなるほど、そういうことね」と理解できることばかりだと思うよ。

だから、まったくガンダムに縁のない人が見たら、「えっ、なに? どういうこと?」ってなるだろうな・・・・・。
そういう作品だから、仕方ないのだろうけど。


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2015年2月6日金曜日

見忘れていた「攻殻機動隊ARISE 3」を見て



「攻殻機動隊ARISE」が映画化というお話があって、それで、「1」「2」は見たけど、次を見てないということに気が付きまして、「3」を見ましたが・・・・。

原作の漫画があって、押井守監督によって違った地平が切り開かれ、神山健治監督によって世界観が広がり、さて、どうなる「ARISE」だったんだけど。

普通だよなー。
「普通で何が悪い?」と言われると、そうなんだけど。
前の二人が「攻殻機動隊」で、名を上げた感があるからね。
どうしても比較しちゃう。

ストーリーが訳も分からないまま進んでいくのは、ほぼ伝統になってしまっているけど(原作の「1」は読み易いけど、「2」は、もう何がなんだか)、それにしても、なんか平板。

起伏はあるんだけど、ストーリーを追うことに終始して、うまく奥行きが生まれてないと言うか、なんと言うか。(人のことは、なんとでも言えます・・・・)

キャラにしても、たとえば草薙素子の上司のクルツの容姿が象徴的だけど、「いかにも」なアニメ的格好がね。

これが好きな人もいるんだろうし、作品によって、こういう「軍服で乳をさらけ出して、どうやって仕事をするんだ!?」というのが合ってることもあるんだろうけど、「攻殻」には合ってないような気がするな~。(人によっては、これでいいんだろうけど)

映画は、どうなるかな・・・・・・。

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2014年9月11日木曜日

『惡の華』 第六巻 の感想。


さて、最終巻の六巻。

率直な感想としては、「えっ、ここで終わるの?」。

一応、「第一部 完」となっているけど、第二部は難しいみたいね。

当初は(ネットでは)話題にはなったけど、あんまり人気が出なかったのか・・・・・。


ロトスコープではなくて、原作と同じような絵柄(アニメ絵)なら、もっと人気が出たのではないか? という意見もあるようだけど、まぁ、そうかもね・・・・・。


でも、ロトスコープ自体は、作品のテイストに合っていたと思います。

「じゃぁ、実写でいいじゃん?」という意見には、あんまり反論ができないところもありますが。
(実写にしてしまうと、原作のテイストが失われてしまうという面は否定出来ないので、その折衷として、ロトスコープは意味があるのか?)

まぁ、漫画自体は人気作なので、いつかは実写に挑む人間がいるんじゃないかな?


さて、ネタバレのストーリー。

前回、仲村も佐伯も選べないというヘタレを露呈した主人公の春日だけど、

「仲村の孤独を救えるのは、オレだけだ!」

という“逆”白馬の王子様妄想に取り憑かれて、仲村との和解が進むのが、六巻のメイン。


こうしてストーリーを見直してみると、春日が仲村に傾倒する理由って、こんなもんだったのね。


もちろん、春日自身が、周りの人間達と、適当に人間関係を築いていたけれども、あまり深い関係とは言えなかったことが背景にあるのは、分かるけど。


それにしても、あのカタストロフィに至るには、説得力がないような気がするな・・・・・。

すると、やっぱり、春日は仲村を恋愛対象として見ていたいのかな? という点。
で、当然、逆に、仲村は春日を恋愛対象としていたのか? というのも疑問。

どうなんすかねー。


少なくとも春日には、あったような気がするけど。


漫画を読み直してみると、夏祭りの前日って、「やったんかな? こいつら」と感じるところもあるけれども、そういうものを、(特に仲村は)毛嫌いしているから、なかったのようにも考えられる。

まぁもっとも、肉体関係がないからと言って、それが、イコール恋愛感情の欠如とは言えないわけでして。(春日と佐伯は肉体関係を持つことになるけど、精神的な結びつきはなかったように)


で、最後の最後で、仲村は春日を裏切るような形で、彼を残し、自分一人で死のうとする。

この理由って、やっぱり、よく分からない。


春日を引っ張りこんでしまった罪悪感なのかな? だから、突き飛ばした先には、母親が待っているわけで、それは、彼を元の世界に戻すことを象徴しているようにも見える。

その行為は、自分は畢竟一人であるという自覚の結果なのか、ではなく、愛するが故に(←恥ずいな)春日を巻き込みたくないと思ったのか?

ここらへんは結局、高校生編でも明かされなままだったな・・・・・。


まぁ、作者が明確にしていないというのは、つまりは読者が勝手に想像してよいのだろうけど。

でも、やっぱりモヤモアのままです。


『惡の華』Blu-ray 第六巻
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2014年8月13日水曜日

『惡の華』 第五巻 の感想。


徐々に破滅に向かい始める第五巻。九話と十話が入ってます。

・九話
ついに佐伯に体操着が盗まれたことも、教室をメチャクチャにしたこともバレてしまう。

主人公の春日は別れを切り出すが、それを拒絶する佐伯。


ここらへんが、なんで? とも思うけど、女のプライドなのかね?

仲村という存在を意識していなければ、まぁ、別れたでしょうな・・・・。


何度も書いているけど、佐伯というのは秩序・体制の象徴。

だから、混沌・反体制になびく春日は、佐伯には理解できない。というよりは、認めることができない。認めることができないから、手放す・・・・となるのではなく、逆に、引き留めようとする。

そこらへんが女のプライドであり、体制側の意地なのかな?


で、親にバレて家を出るわけだけど、そこで出会ったのが仲村。

そのまま、二人で町を出ることを決意。


・十話
で、なんの計画もなく、ただ、
山の向こう 何があるかな?
という漠然とした思いだけで自転車で走り出す二人。

が、金も装備もなく、雨が降り出したので、山を登っている途中で、二人とも道端で休憩。

そこに、嫉妬に狂った、というよりは、二人がくっつくのを認めたくない(それを嫉妬と言うのか?)佐伯が登場。

二人の女性があらわれて、互いに春日を自分の方に引っ張り寄せようとする。


で、春日が、どちらを選ぶかと言うと、
選べない… そんなことできない!
僕に選ぶ権利なんて無いんだよ!
と叫んで、どちらの女性も失望させるという、大変(しょーもない)男らしい逃げで終わり。


冷静に考えるまでもなく、金もないのに、仲村と一緒に町の外に出て、どうするんだ? ということなんだけど。

でも、春日は、佐伯を選ぶことは出来ない。


同じクラスだったけれども、春日にとって単なる想像上の存在(アイドル)だった佐伯を、現実のものとして、捉えられない。

それは、「惡の華なんて、おれも分からねーよ」と告白してしまったのと同じで、中学生の春日にしてみると、よく分からないけど、自分の幼い自尊心を満たしてくれるものでしかない(まぁ、そんなもんだけどね)。

佐伯に憧れていたのもポーズなら、また文学好きも単なるポーズに過ぎず、もちろん普通ならそれでいいのだけれども、仲村という強烈な個性の前では、その嘘を自覚せざる得ないわけでして。


てな感じで、中途半端な自分というものを突きつけられて、今回は終わり。


で、何度も考えてしまうのは、仲村は春日に恋愛感情はあったのかな?
ここまで見てきても、やっぱり、よく分からんね。

春日は、仲村に対して、少なくとも性的な対象として見てはいるけど。

佐伯が、ウブな春日を引かせるくらいに迫ってくるのに対して、仲村は、そんな彼女を小馬鹿にしていることからすると、仲良しこよしの恋愛ごっこを軽蔑しているのは確かなよう。


春日が、仲村も佐伯も選べないと叫んだ時に見せた表情は、ちょっとだけ「女」な感じがしたけど、どう感じるかは、人それぞれだからなー。


過去の感想。
■『惡の華』 第一巻 の感想。
■『惡の華』 第二巻 の感想。
■『惡の華』 第三巻 の感想。
■『惡の華』 第四巻 の感想。


『惡の華』Blu-ray 第五巻
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2014年8月9日土曜日

『惡の華』 第四巻 の感想。


全十三話の、ちょうど半分の七話と、その後の八話が入った、「惡の華」第四巻。


ターニングポイントを、意識している七話でした。

これまでは、仲村に振り回されっぱなしの主人公の春日。
佐伯を騙している罪悪感に耐えられずに、仲村に、自分が体操着泥棒であることを、暴露して欲しいと訴える。

で、佐伯だけではなく、クラスのみんなに告白することを迫る仲村。

そんなことは出来ないと、一度は、拒む春日であったが、彼女の孤独に共感して、教室をメチャクチャに。

スローモーションを多用した圧巻のシーンになっておりました。


で、その後の、ついに、体操着を盗んだことがばれるのか? という八話。

ですが、どうやら、仲村の配慮だと思われますが(もしかしたら、偶然)、春日の暴露は表沙汰にはならず。

しかし、教室をメチャクチャにしたのが春日(&仲村)であることに気がつく。

それに対して、自分から別れを切り出す春日であった、てな感じで終わり。


「秩序と体制を象徴する佐伯」と、「混沌と反乱を象徴する仲村」。

春日のプレゼントした「惡の華」を理解しようとする佐伯だけど、おそらくは理解することはない。
一方で、仲村は、「惡の華」をもらっても、決して読むことはないだろうけど、少なくとも春日とは通底するものを持っている。

春日も仲村も、この世界の通俗、偽善、狭隘に辟易している。


所謂「中二病」というヤツですなー。

自分だけは特別であると思いたい、あいつらと違うんだっていう臆病な自負を抱く時期って、誰でもありますからね。


で、物語を楽しみつつ、なんか違和感を感じたわけでして、「なんだろう?」と考えてみると、ネットがないんだよね。

一応、現代が舞台なはずなのに(出てくるテレビは薄型だし)、二人ともネットを使うことはない。
使ってはいるのかもしれないけど、活用はしていない。

なんで、そんなことに違和感を覚えるのかと言うと、今なら、こういう孤独を抱えている子なら、きっとネットにハマるんだろうな、と考えてしまうから。

まぁ、自分の時代にはネットもなくて、今も子供がいないので、あくまでも想像ですけど。


ネットで、孤独が癒やされてしまったら、仲村と春日がくっつくことはないだろうから、敢えて踏み込まないのは、物語上、仕方ないと言えば、仕方ない。まぁ物語の嘘というヤツでして。
(作者の青春時代に、ネットがなかったから、そういうストーリー展開が想像出来ないということもあるのだろうけど)


で、仲村と春日は急激に親密さを増すんだけれども、そこで疑問なのは、春日の性欲。

佐伯に対しては、この物語の発端からして分かるように、彼女を性の対象として見ている。

でも、春日の仲村に対しては、なんか有耶無耶な感じがすんだよね。


何度か書いたような気がするけど、ここらへんは、やっぱり、疑問が残るところだな・・・・・・。


過去の感想。
■『惡の華』 第一巻 の感想。
■『惡の華』 第二巻 の感想。
■『惡の華』 第三巻 の感想。


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