ポンコツ連中が、紆余曲折を経て、最終的には世界初めての有人宇宙飛行を成功させるというアニメでして、ガイナックスに集まった俊英たちがつくりあげた作品。
「ロッキー」が、スタローンの人生と二重写しなのように、まだ何者でもなったスタッフたちの情熱が反映されたアツいストーリーでした。
で、黒人差別が、「当たり前」であった時代のNASAにおいて、重要な役割を担った黒人女性を描く「ドリーム」。
「王立宇宙軍」においては、登場人物たちの成長やら気づきが物語の進行において重要な要素でしたが、こちらは、「周囲」の変化が描かれています。
映画内においては、バスの座席、図書館の本、水飲み場、トイレ、通える学校・・・・・、「これでもか!」とばかりに、当時の黒人差別の状況が描かれており、さらには、メインの登場人物たちは、「女性」。
言うまでもなく、二重に差別された存在。
なんだけれども、登場する三人の女性たちは、そんな状況下でも、悲壮感たっぷりに生きているわけではなく、「いろいろある」ものの、とりあえずは仲良く、軽口を叩き合い、時には性的なジョークをも口にしているあたりが、まぁちょっと現代的過ぎるような気もしつつ、でも、生活に根ざしたタフさを見せてくれます。
変に教条的・原理主義的にはならず、だからこそ差別というものの非合理性が浮き彫りになるわけで、ここらへんの塩梅は、ホントっ、上手よね。
エンターテイメントとしての出来栄えと、メッセージ性の高さが、見事に両立しており、「ドリーム」という邦題には賛否両論あるようだけど、まぁ、まだまだ夢も希望もある若い人なんかに見て欲しいという意見が多いのもうなづける作品でした。
![]() |
マーゴット・リー シェタリー ハーパーコリンズ・ ジャパン 2017-08-17
売り上げランキング : 3830
|
0 件のコメント:
コメントを投稿