西川美和監督の新作が、地元の映画館でも遅ればせながら公開されました。
「あぁ、また嫌な気分にさせられるのだろうなぁ。なんで金払ってまで、二時間苦行をしなくてはいけないのだろう?」と思いながらも、見てきました。
そして、案の定、やっぱり、まんまと「ツラい映画」。
仕方ない。
これは監督ではなく、西川美和女王様が我々M奴隷の為につくって下さった罰。
鑑賞ではなく、調教の一環だと割り切ろう・・・・・・。
ちょっとしたネタバレありの梗概
冒頭から、主人公は妻に当たり散らしていて、嫌な奴全開。(本木さんの演技が、終始、秀逸でした)
津村啓という筆名を持った作家業にも行き詰まっているし、本名である衣笠幸夫の私生活にも満足していない。
事故で妻を亡くしたものの、まったく悲しみを感じない。
そして、喜びも感じない。
「愛妻を亡くした作家」という、世間の求めるキャラクターを演じながら、自らの業の深さを色々な場面において直面させられる、という筋立て。
途中、疑似家族モノを経るのだが、まぁ、そりゃ、西川女王様が、そう簡単にお約束な癒やしや解決策を提示するわけもなく、・・・・・・そもそも父親が健在な家庭に、もう一人の父親など不要なわけでして、結局は破綻。
それでも、ラストは、作家として作品を仕上げて、また、私生活においても荒れていた室内は整理され、妻の遺品を片付けているシーンで終わっているのだから、・・・・・まぁ、一応大団円でした。
相変わらず男の浅ましさを描く映画でした。
女性なのに、毎度毎度、どうして西川美和監督の描く男性って、こうもリアリティがあるのかな? 不思議ね。
これまでの男運が、(私人としては)悪かったと言うべきか、(クリエイターとしては)良かったと言うべきか。
一回見ただけではストーリーを理解するのは難しく、二回・三回と見ることで、監督の真意に近づけるような映画です。
その価値のある作品なのだが、見る度に、西川女王様よりムチを食らわされるわけで、ツラいね・・・・・・。
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