売れるなぁ
「今年はシン・ゴジラで決まりだな、ありがとう庵野監督」と思っていましたが、新海誠監督の「君の名は。」が登場すると、巷の話題はすっかり奪われてしまった模様。
興行収入も猛追。
年に二作も、オタク系で話題作が出るなんて・・・・・・と、驚いている次第。
これまでの新海誠監督作品は、ちょろちょろ見ています。
が、どうもナイーブというか、繊細が過ぎるというか。
悪く言うと、おセンチなんだよね。(古い表現だな)
「秒速5センチメートル」なんかは、それが、うまーく作用していたと思うけど。
一方、直近の作品である「言の葉の庭」は、ちょっと、まぁ、なんか自己に酔っていると言うか、あまりにデリケートと言うか。
どうにも、見ていて恥ずかしかったなぁ・・・・・。
「君の名は。」も、当初は映画館に行くまでもないか、まぁ配信なりDVDで見れば事足りるだろうと思っておりましたが、あまりのウナギ登りの評判に、交通費を千円かけて見てきました。
とりあえず、世評通り面白かったです。
作品の完成度としては、「秒速5センチメートル」も超えたと思います。
冒頭はゆっくりとしたテンポで二人の主人公の日常を丁寧に描き、中盤からの急転直下、そして何気なく撒かれていた伏線を使っての救出劇で、最終的にはホッとするラスト。
緩急は巧みでしたし、まだあどけない少年少女の純愛を下敷きというのは鉄板の材料でして、311以降だからこそ身につまされるカタストロフィを差し込みつつ、物語は人々の願望の反映であるからこその惨劇の回避など、・・・・・・まぁ、そりゃ、ヒットするわけだよ。
思い出すこと
「君の名は。」を見ていて、ちょっと思い出したのは、渡辺麻友さんの声優が妙に上手だった「ねらわれた学園」。(ストーリーが複雑な割には、妙にアニメちっくな演出が過多だったなぁ・・・・)
あっちも、キラッキラッした絵の中で、日常生活を描きつつ、SF的な仕掛けを駆使して、最終的には世界が救われ、主人公たちも結ばれる、という流れは、なんとなーく通底しるんだが、まぁ、アニメの「ねらわれた学園」も、大林宣彦監督の「ねらわれた学園」があってのもの。
そして、「君の名は。」の男女入れ替えも、やはり大林宣彦監督の「転校生」、未来人と少女の初恋は「時をかける少女」の影響下にあるわけでして。
そういう意味では、「君の名は。」は、ジュブナイル邦画の系譜にしっかりと乗っかり、かつ一つの到達点と言えるんだろうなぁ。
新海 誠 KADOKAWA/メディアファクトリー 2016-06-18
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