2016年2月21日日曜日

映画「オデッセイ」は、「アポロ13」と「サバイバル」成分で出来上がっている



今冬、前半の大作は「スター・ウォーズ」ですが、後半は、この「オデッセイ」では?

で、見てきました。

ざっくりとした感想としては、タイトルに書いた通りですが、トム・ハンクスさん主演「アポロ13」と、さいとう・たかを先生の「サバイバル」を足して2で割った、と言うよりは、1.75くらいで割った感じ。

うまく融合していたと思いますけどね。





さて、ストーリー。

火星に一人で置いてきぼりの主人公は、いろいろな難題に直面。

でも、持ち前の知恵でもって、解決。

徐々に生活は上向いてくるが、ほどよいタイミングで、これまで築いてきた環境が破壊される。

が、破滅的ではなく、「ほどよく」破壊されるのは、まぁ、お約束ということで。


二年前の「ゼロ・グラビティ」も、宇宙での事故から生還するお話し。

ひどく暗い主人公でしたが、「オデッセイ」の主人公は、むしろ陽気。

「そんな状況下で、よく冗談を言っていられるな!?」と思うくらいに、陽気です。

また、地球にいる家族や友人との関係性を、ばっさりカットしているんですよね。
そういう描写が、ほとんどない。

湿っぽくならない為の配慮なんだろうなぁ。


また、悪役らしい悪役もいなくてね。

NASAの長官が、ちょくちょく邪魔をするけど、組織の長として理解できる程度の邪魔。

宇宙開発のライバルである中国も登場するけど、あくまでも救世主。

ちょっと小馬鹿にするシーンはあるけど、基本としては善玉として扱われている。(ハリウッドにとって、中国市場は大切だからね)


というわけで、映画全体としては、切迫感や悲壮感が薄い。
安心して見られるのだが、・・・・・・サバイバルを主軸にした物語では必要不可欠なはずの、ひりつくような孤独感はなかった。


なので、火星やら宇宙船、居住空間などは、ハリウッド大作らしい完璧な絵なのに、物語全体には、なんかリアリティがなくてね。

「カラッとしていて、いいじゃない?」と評価できるのだろうが、・・・・・・数ヶ月したら、内容を、すっかり忘れてしまっていそうだなぁ。

プロジェクトX的な物語が好きな人は、気にいると思います。


火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)
by カエレバ

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