今さらながら、去年話題になった「アクトオブキリング」を見てました。
文化系トークラジオ「ライフ」で、司会の鈴木さんが、「やらせだよね(やらせもあるよね)」と言っていたので、どうしても、それが気になってしまい・・・・・なんか映画に、集中できなかった。(「これは、ヤラセなのか? 演出なのか?」と、ずっと気になって見ていたので、逆に集中できたのか?)
しかし・・・・・・、なんで、こうもペラペラとしゃべるかね?
台本あるんじゃないの?
彼らは、いまだに国を守った英雄ということらしいのですが、それにしても、あまりにも正直過ぎるだろう。
・・・・・と思ったけど、「Session22」に出演していたインドネシアの専門家(日本人)も、「喜んでしゃべってましたよ」と言っていたので、そういうものなのだろう。
■2015年07月02日(木)「インドネシアの大虐殺から50年」(レクチャーモード)
登場人物の一人が、選挙に立候補したんだけど、町中歩いていると、住民が平気で賄賂を要求してくるんだよね。
カメラが、明らかに、まわっているのに。
「本当に?」と疑ってしまう。
・・・・・・まぁ、正直なところ、日本だって、つい最近までこんな感じだったんだろうけど。(■津軽選挙)
でも、さすがに、人前(マスコミ)で、堂々と、そういうことは言わないでしょ?
いくら、教育の質が、まだまだ低いにしても・・・・・・・と思ってしまうが。
こういうのを見ていると、「驚愕のアジア!」という側面と、「西洋人(先進国)に理解できるような筋書き」がうまく混ざり合っていて、その「うまさ」に、作為を感じてしまう。
もっとも、膨大なフィルムを編集という作業によって取捨選択している段階で、「作為」があるのは当然なわけで。
主人公の老人が途中で髪を黒く染めるんだけど、それが白く戻ったり、また黒くなったりするんだよね。
これは、「時系列は前後してますよ、編集が入ってますよ」という製作者側の正直な告白でして。
なんで、時系列そのままで流さなかったのかと言うと、最終的には、この老人も自らの過去に悩んでいるんだ! という面を出したかったわけで、それが「製作者の意図である」と受け取ることが大事で、「やらせ(過剰演出)」があったか、なかったかは、あんまり気にしても仕方ないのだろうなぁ・・・・・。
そもそも、実際の政治家(現役大臣)が出てきて、主人公の存在を認めているわけで。
彼が、過去において、大量の人間を虐殺しておきながら、罪に問われなかったどころか、むしろ英雄的な行為として現在も認められている、という事実は、揺るぎない。
国営放送で、インタビューを受けているくらいだからね。(でも、TV局の裏方の人間たちは、「あぁ、胡散臭い奴」と思っている模様)
こういう事件って、中国には文化大革命、カンボジアではポル・ポトの大虐殺、ソ連だとスターリンの大粛清と、けっこうありふれたもの。
でも、文章にしろ映像にしろ、そういうものを紹介・解説する場合は、被害者側が普通。
この映画(ドキュメンタリー)の独特なところは、加害者側ということ。
しかも、前記で例にあげた、各地の虐殺って、最終的には、失脚や没落するハメになるんだけど、インドネシアでは勝ち残っている。
(文化大革命では四人組は逮捕され、カンボジアではポル・ポトはジャングルに潜伏するしかなく、スターリンの死後にベリアは処刑)
極論にはなるけど、ナチスが勝利した後のイフの社会を垣間見た気がします。
しかし、老人の孫の顔が、モザイクもなしに出ちゃっているけど、この倫理性は大丈夫なのかね?
そこまで、踏み込んだ(老人を騙した)から、この映画は、話題になったのだろうけど。
でも、またしても、「普通、ここまで、さらけ出さないだろ」と思ってしまい、「ヤラセなのかな?」と、不毛だと分かりつつ、勘繰りたくなってしまう。
・・・・・・・・いろいろありつつも、単純に、途上国の選挙の模様やら、民兵と政治家の関係など、大変興味深かったです。
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