NHK連続テレビ小説「まれ」。
うーむ。
現代を舞台にすると、なかなか、うまくいかないね・・・・・。
最近で成功したのは、「あまちゃん」くらいかな?
(だから、「まれ」にしても、「あまちゃん」を見習っているところがあるんだろうな)
一人の女性の現代社会における自立や成長を描く・・・・・となると、朝ドラという制約下において、やれることは限られてしまうわけで。
たとえば、職場でのいじめ、いびりは描けても、セクハラとかは難しくなる。
異性愛は当然OKだけど、不倫や浮気はNG。
もちろん、同性愛なんか無理なわけで。
その点、時代を明治、大正、昭和初期とすれば、時代の激動と絡めることが容易になる。
まして、当時の女性の置かれた状況は、現代から見れば、それだけでいろいろと制約があるわけ(過酷)でして。
自然と、障害が配置されていて、物語としては成り立ちやすい。
で、「まれ」。
なんか無理が見えるドラマだね・・・・。(強引に障害をつくっているように見えてしまう)
今週は、主人公・土屋太鳳さんが演じるところの「まれ」の弟・一徹が、実は友人の「みのり」と付き合っており、結婚したいと言い出すことからの大騒動。
どちらとも未成年。
しかも、一徹は、まだ高校生。(正式に結婚するのは、卒業後なのだろうが)
当然、周囲から反対される。
それに対して、主人公の「まれ」は、彼らを応援することを決意・・・・・・・。
まぁ、普通に考えれば、反対する方が、当たり前。
せいぜい、「両方共、二十歳を超えてから、考えたら?」とアドバイスするのが、普通でしょうね。
でも、二人共、今直ぐに結婚したい! と言い張る。
その理由が、「みのり」のお母さんが若いころ、子供を流産している。
そのことから、娘が「早く結婚して、子沢山で、大家族を築くぞ!」と決意したから。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・で、その娘の話を聞いて、ドランクドラゴンの塚地さんが、娘の決意を知り、泣きながら結婚を認める。
うーむ。
旦那は、高校卒業したら、いきなりデイトレーダーになろうとしているんだよ?
そんな、海の物とも山の物ともつかない仕事に就くのに(しかも、高校卒業して、直ぐに! 証券会社や金融関係の仕事をしたことがないのはもちろん、社会経験なんか皆無なのに)、「子供が沢山欲しいから結婚したい!」なんて言う娘の結婚を認めるなんて。
収入ゼロ(ヘタすれば、マイナス)かもしれない可能性だってあるのに、子供だけは欲しい?
・・・・・・なんじゃそりゃ!?
今回のドラマは、週一回は泣き所をつくろうとして、もう、なんか、強引過ぎる。
子煩悩という設定の「まれ」のお父さんが、六年間、電話の一つも寄越さないで、東京で働いていた、とか。
その割には、妻の実母(妻は彼女のことは大嫌い)とは連絡を取り合っていた、とか。
「まれ」一家が住んでいるのは、かつて民宿を営んでいた建物。
そこに家主の桶作夫婦と一緒に住んでいるんだけど、実の息子が家族を引き連れて帰ってきて。
で、いきなり、ここでカフェを開くから、親父のやっている塩田つぶす、とか言い出す。
それに対して、「どこか空き家を借りたら?」という提案に対して、「それじゃ、金がかかる」。
うーむ。
そんなわけねーじゃん。
塩田潰して、新しい施設をつくるってなったら、どんだけ金がかかるんだよ。
駐車場にするにしても(それなりに金がかかるよ)、・・・・・・・流行る前から、流行ること前提で金を投資するって、・・・・・あんたねー。(どこにあるの、そんな金?)
観光客目当てのカフェをつくるのなら、むしろ、塩田を残して、それを目玉にする方が、妥当だろうに。
「そりゃ、リストラされた後に、仕事も見つからないわけだよ」という感じの息子が、どうしてカフェを諦めたかというと、クイズで負けたから・・・・。
まぁ、そういうコミカルな要素を入れるのも、良かろう。
でも、負けたら、清々しく、「もう一度、東京で、仕事を探してみる」とか言って、ハッピーエンド。
・・・・・・・おいおい、切羽詰まって、実家に戻ってきたんじゃないのかい? そんな程度の覚悟で、都会の生活に慣れた家族を引き連れて、実家で仕事をしようと思ってたの?(しかもカフェを経営した経験があるわけでもなく)
他にも、六角精児さんが、地元の職人をたぶらかすところも、なんだかなー。
そんな簡単に職人が引き抜かれるってことは、「まれ」が密かに恋している紺谷圭太のジイさんである紺谷弥太郎(漆職人の元締め)は、余程ひどい待遇で職人を雇っていたんだろうなぁ、と思ってしまうよ。
とにかく、毎週、お涙頂戴のシーンをつくろうとして、無理しているのが、このドラマ。
ストーリーの流れよりも、そこを求める人には、いいのかもしれないけど。
まぁ絵は素晴らしいんだけどね。
能登の四季を色鮮やかにとらえて、毎週出てくるお菓子(スイーツ)も瑞々しい。
出演者にしても、適材適所という感じ。
土屋太鳳さんも、かわいらしい。
ただ、出演者に涙を流させて、大声出し、バックで扇情的な音楽をバンバン流すという、「これでいいんだろ?」という製作者の意図が見え見えで、個人的には白けてしまうね・・・・・・。(「嫌なら見るな」というのなら、その通りではあるんだけど)
放映が始まった当初から、「オープニングが、恥ずいな」と思っていたんだけど、その印象のままのドラマね。
土屋太鳳さんが踊るシーンと、能登の風景、スイーツの製作過程をコントラスト豊かに描いていて、「綺麗」ではある。
でも、土屋太鳳さんが着ている服が白のワンピース。
で、その姿で、能登の田舎を、周辺の住民の人に手を振りながら走り回り、最終的には彼女の元に人々が集まってくる・・・・・。
いかにもNHKの朝ドラ的、健康美人(美少女)で、素直な性格、誰からも愛されています! という感じが、オープニングから臭っていたけど、実際のドラマも、ここまでとは。
うーむ。
これが好きな人も一定層はいるのだろうから、間違ってはいないのだろうけど。
それにしても、脚本が穴だらけで、大甘だな・・・・・。
まぁ、パティシエを目指す物語なのだから、大甘でもいいのかもしれないが。(オッサン大好き、ダジャレオチ)
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