2014年8月24日日曜日
「我妻さんは俺のヨメ(12)」の感想
物語には、作者の欲望が反映するもの。
で、さらに、その欲望が読者と合致すると、ヒット作になるわけでして。
「我妻さんは俺のヨメ」ですが、典型的な「何のとりえもないオレが、クラス(学校、学園)一の美少女に恋をする」という流れ。(少女漫画ですと、「何のとりえもない私が、クラス(学校、学園)一のイケメンに恋をする」)
恋愛下克上パターン、とでも言えるでしょうか?
で、現実のカップルというのは、美男美女が普通。
たまに美男子でもない普通の顔でも、美女を捕まえていることがありますが、まぁ、当然、顔以外の「長所」があって、くっついている。
スポーツマンだったり、しゃべりが得意だったり、金を持っていたり、まぁ、それぞれ。
でも、一般的な読者というものは、スポーツマンでもなし、しゃべりが得意なでもないし、金があるわけでもない。
普通の生まれ、普通の身体的能力、普通の頭脳。
特に、目立った長所などあるわけがない。
そんな中で、普通の男子が美女を手に入れる読者の願望を反映したストーリーは、どうやったら成り立つか?
そうだ、「心だ!」。
心なら、生まれも努力も関係ないぞ!
と、なるわけでして。
「我妻さんは俺のヨメ」も、ちょっとSFっぽい味付けがしてありますが、基本は、このパターンにはまった、よくあるラブコメもの。
ですが、もてない男たちの、しょーもないやり取りが、笑えて読んでしまいます。
(「究極超人あ~る」に、ちょっと毒を加え、女を抜いた感じかな)
最終的には、ヒロインの我妻さんとくっついて終わるんだろうなー。
しかし、そのヒロインの影が薄い・・・・。
「バクマン。」と同じで、優等生キャラって、いまいち目立たないよね。
まぁそれは主人公側にも言えることで、ケンシロウとラオウ、大空翼と日向小次郎、浦飯幽助と飛影、星矢と一輝、悟空とベジータ・・・・・・などなど。
往年のジャンプ漫画以外でも、「スターウォーズ」ではダース・ベイダー、「ガンダム」ならシャア・アズナブルが、圧倒的な人気だもんね。
万人に好かれるキャラって、(現実と違って)意外に誰からも好かれなかったりします。
むしろ、強烈な個性が発揮できるライバルキャラの方に、魅力が出てしまうことが多い。
で、「我妻さんは俺のヨメ」12巻は、サブヒロインの伊富蘭と主人公のお話。
いくら我妻さんが美人という設定でも、普通であれば伊富蘭でいいじゃんと思ってしまうけど、まぁそれではお話が成り立たないわけでして。
しかし、主人公は誠心が唯一の取り柄のはずなのに、あれほど尽くしてくれた伊富蘭を振るというのは、どうなんだ? と思ってしまったりしますが、まぁ、好きでもない人に好きな振りをする方が残酷だ、ということにしておきましょう。
(年をとると、愛と恋とか、そんなもの、所詮、二人でつくっていくものなんじゃねーの? と思ってしまいますが・・・・・・)
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