2014年7月4日金曜日

ライフ「里山ウェブの時代」本放送を聞き終えて

今さらながら、2014年06月22日放送の、ライフ「里山ウェブの時代」本放送を聞き終わりました。

スガシカオさんが、
DLでももちろん嬉しいのですが、ぶっちゃけDLだとほとんど利益がないんだ。おれらみたいにスタジオで徹底的に音楽を追い込むタイプは、制作費が全部赤字になっちゃう。CD買ってもらうと、かなり制作費が補えるので、次の作品が作れるメドが立つんだよね。
CD売れない音楽業界の負の連鎖だ
と言ったことを受けての、今回のライフ。


予告編から、「ネットがワクワクしなくなった」ということが話題になっていましたが、確かに言われてみると同感。(ただ、それだけ「日常化」してしまったことなので、致し方ないと思いますが)

「ワクワクしていた時代」を思い返すと、ネットとはちょっと離れるのですが、新海誠さんが「ほしのこえ」でデビューしたことを思い出します。高品質な30分アニメを一人で作り上げたという事実は、けっこう衝撃でした。

パソコンの高性能&低価格化は、ついに生産手段を万人に解放することに成功した! マルクスの夢が、ここに実現したのだ!! ハラショーと、僕個人も驚きました。

しかし、こうして誰もが高性能なパソコンを持つことが簡単になり、さらには発表の場が多く存在している社会が出来上がってみたら、埋もれていた才能が世に出やすくなった反面、コンテンツのデフレ化が促進。

コンテンツを制作する側からすると困ったことですが、コンテンツを受容する側からすると、経済状況に関係なく、平等に手にすることができるという、これまた、「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」というマルクスの夢が実現している!

これで労働から疎外されていた人類は幸せになれる・・・・・と、なっていないのは、スガシカオさんの発言から分かる通り。


そんな訳で既存のシステムがうまく回らなくなった現状で、どうやって、クリエイターに適正な金額を還元していくか? という問題が話し合われました。

この問題って、マスコミでも言われている話で、「雑誌が売れない、新聞が売れない」ので、取材の質の確保し難くなった、なんてことも。


アマゾンやらグーグルによって、低価格への競争が加速する中で、この「質の維持」を、どうするか?

いろいろな事例を出演者の方々が発表していくうちに、最終的には「コンテンツは複製できる」。
でも、「コミュニケーションは複製できない」という意見に集約されていきます。

なんつーか、この話って、地方の先細りするお店に、コンサルタントがするような提案だなーと思わないでも。(「モノ消費」ではなく、「コト消費」で勝負しろってことなんだろうな。現況下において、大企業に対向するには、それしか残されていない証拠でしょうけど)


で、司会の鈴木さんは、これを、どうシステムに組み込んでいけるか? ということに対して、実際に、マネタイズに成功している津田大介さんからのお答えは、
「寝ないで働け!」
というもの。

それを聞いた鈴木さんは、珍しく、ちょっと怒りましたね。
何と言っても「文化系トークラジオ」ですからね。そんな「体育会系」の話をされても、という感じだったんでしょうね。


この「体育会系」な意見に対して、編集者の柳瀬さんは、好意的。簡単に言うと、「お前ら、売る努力している側のことも、考えてくれ」って、ところでしょうか?

それに対して、作る側の、海猫沢めろんさんなんかは、「オレたちゃダメ人間だから、こういう仕事しているのに、営業まで求められても困る」という感じ。


まぁ、なかなか難しい話ですなー。

昔であれば、クリエーターはつくる、営業はそれを売る、という役割が明確。
というか、物理的に、限界があった。

でも、今は、「営業」「コミュニケーション」する手段が豊富にある。

それこそ、極論ではあるけれども、TwitterなりFacebookなり、いろいろ駆使することで、寝ないで必死に営業活動を延々とすることも可能。

クリエーターであっても、ある程度のファンサービスが求められる。そうじゃなきゃ、結局は、グーグルとかアマゾンとかの大企業の手のひらの上で、消耗戦にさらされてしまうよ、ということなんだろうけど。

いいものをつくれば、自然と売れる! なんてものは、幻想でしかないのだろうから、仕方ない側面はあるのだろうけど。


とりあえず、外伝は、まだ聞いてないので、これから聞いてみます。

文化系トークラジオ ライフ

by カエレバ

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